interview 04

議員として今後取り組みたいこと

小栗常慶さん 青山学院大学総合政策部4年 党神奈川県連学生部長

子育てや介護、年金問題、環境問題、地方創生――日本は本当に問題が山積していると思うんですけれど、今後国会議員として取り組んでいきたいと思っているビジョンがあれば教えてください。

まずは3年後の東京オリンピック・パラリンピックを成功に導くこと。ただ、私はこの機会を単なるスポーツイベントだとは捉えていません。むしろ社会のさまざまな分野での転機に結びつけたいと考えています。国会議員になってとくに感じるのは、政策を遂行するには国民の皆さんの支持や同意が非常に重要だということです。総理がリーダーシップを発揮するにも、国民の同意を取り付けていなければ始まらない。その意味で、オリンピックは象徴的なイベントですし、ぜひオールジャパンで成功できるよう、機運を盛り上げていきたいと思います。

朝日健太郎議員 東京都選挙区 元バレーボール ビーチバレー日本代表
小栗常慶さん 青山学院大学総合政策部4年 党神奈川県連学生部長

スポーツ選手だったことは、朝日先生ならではの強みでしょうね。

北京とロンドンのオリンピックには選手として出場し、昨年のリオデジャネイロには視察で行ってきました。印象的だったのは、3大会とも国民の皆さんがウェルカムな雰囲気だったことです。課題は水面下ですごくあったと思うのですが、大会前や期間中は、世界じゅうからの観光客を温かく迎えようという空気に満ちていました。

朝日健太郎議員 東京都選挙区 元バレーボール ビーチバレー日本代表
自見はなこ議員 比例区(全国区) 小児科専門医 認定内科医

私は与党で唯一の小児科医なので、子供のことを大事にする社会にしたいと思っています。人口600万人弱のフィンランドでは、850の「ネウボラ」という出産・育児を支援する施設があるんです。お母さんの妊娠中から始まって、出産してその子が小学校に上がるまで1カ所の施設に通う。子供の検診も同じ保健師さんが行うんです。育児の悩みを相談できるし、予防接種もそこでできる。いわば「切れ目のない家族支援サービス」ですね。
虐待死がゼロ。子供を持つ安心感は国が担保するべきものだと私は思っております。そういう一貫した施設が日本にはまだないので、私の大きな政策テーマとして今後取り組んでいきたいです。

外国にそんな施設があるのを初めて知りました。日本にも早くできるといいですね。

松江美里さん 静岡大学人文社会科学部4年 党静岡県連学生部長
自見はなこ議員 比例区(全国区) 小児科専門医 認定内科医

それ以外にも女性医療職の働き方改革を推進すること。医療のICT化、終末期医療に加え、救急医療の2025年問題への対応も待ったなしです。団塊の世代が75歳以上になるんですが、医療提供体制の構築を加速させなければならないと考えています。

やはり外交です。女性活躍やライフスタイル革命など他にもありますが、日本を取り巻く環境を考えると安全保障は喫緊の課題です。北朝鮮は格段に核・ミサイル能力を高め、核放棄の見込みもない以上、これを前提に、日本の核抑止力を向上させる必要があります。また、尖閣諸島は日本が実効支配しているのですから、これを失わないよう、とくに、尖閣諸島を始めとする南西諸島防衛を強化したいです。日本の防衛費ってGDP(国内総生産)比0.96%なんですよ。あの平和そうなニュージーランドでさえ1.3%は使っているというのに。自主防衛能力を高めることは大切です。
じっくり取り組みたいテーマは歴史です。外交官だった23年間、さまざまな国で仕事をしましたが、実感したのは各国ともしっかりした歴史観を持っているということ。ひるがえって日本には、日本がどういう国かということがわかる博物館や教育が不足しています。歴史を持たない民族は滅びると思っているので、これはぜひ取り組んでいきたいです。

松川るい議員 大阪府選挙区 元外務省官僚 初代女性参画推進室長
元榮太一郎議員 千葉県選挙区 弁護士 弁護士ドットコム会長

私は、日本にもっと起業家を増やしたい。戦後に自動車やエレクトロニクス産業が経済成長を押し上げたように、新しい産業をどんどん起こすようなイノベーターが活躍できる社会にしたいと思っています。とくにいま、ネットやAI、第4次産業革命などはもちろん、他の分野でも可能性があると思うから、起業家たちは政治と連携して社会をよくする方向でがんばってほしい。
また、弁護士をやっていると、本当に気の毒な人を目の当たりにすることがあります。借金で困っている人だったら、債務を整理することで救えるのですが、そもそも法制度を変えることによって、未然に防ぐこともできるはず。弁護士ドットコムのサイトも月間1000万人ぐらいの訪問者がいて、非常に多くの悩みが寄せられるから、民間の仕組みもキュレーションツールの1つにしたらと思う。そうやって議員立法も含め、超党派でスピーディに解決していきたいと思います。

※この座談会は平成29年7月25日に自由民主党本部にて行われました。

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