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安全保障法制整備推進本部

第6回 集団的自衛権はじめ安全保障法制の整備について(古庄元海上幕僚長)

【講演全文】

○冒頭挨拶及び中谷事務総長からの与党協議会の報告

(岩屋事務局長)

ただ今から、自由民主党安全保障法制整備推進本部の第6回目の会合を開かせていただきたいと思います。冒頭、石破本部長からご挨拶を頂戴します。

 

(石破本部長)

与党協議会が始まっております。どのようなやり取りがあったか、そしてそれを踏まえて、我が党としてどのように対応するか。きちんと認識を共有してやっていきたいと思います。もう一つは、安全保障法制整備、何も集団的自衛権だけにかかわる話ではありません。私たちが色んな議論をしても、実際にオペレーションをするのは現場の自衛官たちであります。現場の自衛官たちが迷うようなことはしてはいけない。そしてまた、責任を現場の自衛官に押し付けるようなことは如何なものか。我々はきちんとした法制の整備をし、そして責任は政治が取るということでなければ、文民統制ということはできません。今日は古庄元海上幕僚長に、短い時間で恐縮ですが、講演をしていただきます。私たちが長官あるいは副長官のときに、海上自衛隊のトップとして、現場の気持ちを何よりもわかってやってきたのが古庄海上幕僚長だと思っています。ということで、お話しを聞きたいと思います。よろしくお願いします。

 

○古庄元海上幕僚長からの説明

(古庄元海上幕僚長)

古庄でございます。安全保障法制整備推進本部にお招きいただきまして、大変光栄に存じます。私もリタイアしまして9年経ちました。その間、大変な世界の動きがございまして、今年に入って特にいろんなことが起こっている。その中で、こういう席で、現場の話をさせていただけるということで、非常にうれしく思います。
私、船乗りですので、座って話をすることが、なかなかできない。それで、やはり水平線が見えないと、なんとなくこう、気持ちが悪いので、申し訳ありませんが立ったまんまで。座って話しをするとですね、なんとなく負けたような気がします。
非常に時間の制約を受けておりますので、本題に入りたいと思いますが、先日の、安倍総理の記者会見、私、実は九州でテレビで拝見しておりまして、本当に同じ敗戦国でありながら、西ドイツには約60年遅れましたけれども、1950年にアデナウアーさんがやられた再軍備とNATOに入るという時の演説に匹敵するんではないかなというような印象を受けました。というのは、今日、記者さん随分いらっしゃいますけれども、幹事社さんの質問にしてもですね、もう格段の差があったと思います。というのは、米国のパウエル統参議長が、現役の時に我々と会って、何を言ってたかと言うと、ユニホームを着ているフロントで戦している者がいくら勝ってもですね、メディアに勝たなかったら、今の戦は勝ったと言えない、としょっちゅう言ってました。それを本当に実現していた統参議長のお一人だと、私は一緒に仕事をしているときに、そう感じていました。
この間の総理の会見は、まさにそういう意味からすれば、非常に意義があったと私は感じております。ですから、いくら、いろんなことが言われていましても、私は、公約を掲げて選挙をやられて、国会でいろんなことを決めていかれる。今、どこかの党が民意、民意と言って、なんかミンミンゼミみたいなこと言ってますけれども、本当に大事な、外交防衛については、もう公約で皆さんに任せると、私はそう思っています。ですから、国民にいちいちですね、了解を取るなんていうことを国会の皆さん方の席では言わなくても、私は問題ないと。それが民主主義であり、よく言われる立憲国家と思っております。そういう中で、現場でずっとやってきまして、36年間、海上自衛隊で勤務をしてきましたけれども、その間、情勢がもう大変な変化をしております。幹事長がいつも言われますように、パワーバランスの変化が、しかも、その変化度合は、このところ数年間、もう本当に想像を絶するものがある。今日一枚お配りさせていただいておりますけれども、そこに、簡単に書いておきました。どれくらいの変化があるのかということで、この2、3年を見て、アメリカの政権が変わった後からだけを見ても、アメリカのいろんな軍事費の問題ですとか、いろんなことがありまして、アメリカは内向きになったのではないのか、アジアにリバランスを、こう言っている。実は、米海軍のトップ、グリナート作戦部長が河野海上幕僚長の公式の招待で、日本に今、来ておられます。昨日、夕食で会いました。このリバランスというのは、海軍はどう考えているのかという話を、彼と話をしました。彼は明確にこう言いました。メディアで言っているように、部隊の編成ですとか、あるいは装備の問題だとか、いろんなことを言っているけれども、もう一つ大事なことがある。それは、人の問題だ。グリナート大将は、日本勤務が数回あります。だから、日本のこともよく知ってくれている。そういう中で、人の問題が、リバランスの中で大変重要だということを言って、今の第7艦隊にしろ、あるいは太平洋艦隊にしろ、日本を理解している人事をやっている。こういうことまではっきり言ってですね、日本とのあり方が非常に大事だという風な話がありましたので、ご紹介します。
その一方で中国が、海洋権益を拡大すると言って、いろんな問題を起こしている。それからもう一つは、サイバー、核、テロ、海賊、いろんな問題が、いたるところでこのところ起こり続けている。こういう中で、いろんな話をする時に、今の法体系でいいじゃないかと、なんで問題あるんだと70年間平和で来たじゃないかというグループの方々がいらっしゃいます。それは、この現状の変化を、まあ認識はしていると思いますけれども、いや憲法を守っていれば、平和は維持できるんだ。そういうことを必ず言いますね。もし、変えると巻き込まれ論を出す。今日の日経の世論調査が一面に出ていました。これって、どういう質問で世論調査やったの、どういう人にやったの、この取り方で、大きく違うというのは皆さんご存じのとおりですね。ですから、最初、申し上げましたように、皆さん方に、国民は任せたわけですから、いちいちですね、世論調査に云々される必要は、私はまったくないと思っています。そこで、お祈り、諸国民の正義を信頼してるような、まあ、どこかで聞いたようなことが書いてありますけれども、例えばですね、こんな話があったんです。後で体験談の中で話しますが、今、海自は海賊対処法でソマリア沖に出てます。その出す時に私は、ある党の女性議員から、「古庄さんね、海上自衛隊が出るから、海賊が出るんだ」。いや、こういうと皆さん笑うわけですね、だけど、現実として、そういうことを言われるんですよ。で、私は、「お言葉ですが、では、ご自宅に鍵はかけてませんね。当然かけてませんね。鍵をかけているから、泥棒が入る。あなた今言われたのは、それとまったく同じですよ。刑法の何条か知りませんけど、お札のようにね、玄関に貼ってますか」。勝負ありと私は自分ではそう思ったんですが、だけど、本当になんか残念な気持ちがその時いたしました。
今回ですね、総理が言われたように、いやダメだ、現状ではダメなんだと。領土、領海、国民の安全、今のままでは守れないんだ。だから、どうするかということで、総理は問うたわけですね。その中に、グレーゾーン、あるいはシームレス、そして集団的自衛権ですとか、集団安全保障ですとか、いろんなことが問題になっております。これが、毎日報道されながら、今日があるわけですね。
現役として、ではどうだったかということを、ちょっと今から体験談を話します。
65年に防大に入りまして、やはり、税金泥棒と、こう横須賀で言われました。それから、子供を持って、子供が学校に行き始めて、私は家族を連れて転勤してまいりました。子供は3人いるんですけれども、29回転勤しました。その中で、ある地域でですね、今日学校の先生にこんな事を言われた。お父さんの仕事、何だ。みんなが聞かれて言う、うちの子もそれなりに言った。官舎があるわけですから、そのエリアにはたくさん同じクラスにも自衛官の子供がいた。しかし先生から人殺しと言われた。お父さん人殺しやってるの、と。小学生ですからね、びっくりして私は学校に行って、それはないんじゃないかという話を担任としたこともありました。
それから、色んな、ここに書いてありませんけども、アメリカとの共同訓練、たくさんやっています。そうすると、やはり日本は、参加国と同じシナリオで一緒にはできないんです。そうしたら、アメリカは日本とだけ組んで別の訓練をやりましょうと。他の国とは一緒にはできないとかいろんな場面で、制約がたくさんある中で、米海軍も配慮しながら、訓練をやってくれた。そうしてるうちにですね、そこに書いてあります91年、ペルシャ湾がありました。ご存じのとおりですね、日本国政府は、130億ドル。今、円に換算すると、約1兆5千億くらいになるんじゃないかと当時も言われました。海上自衛隊の年間予算よりも多額です。だけど、ご存じのとおり、あれが終わった時に、アメリカの大手の新聞に感謝の公告が一面に出た。そこに日の丸はありませんでした。地元で売られているTシャツ、連合軍として行動した国の国旗がTシャツの裏に全部あるけれども、日本の国旗はなかった。130億ドル出したにもかかわらず。それで安全になって、だけどあそこが、大変な日本のシーレーンに当たる。じゃあ、残された機雷を排除する必要があるんじゃないか。ということで、政府が決心して、国が決定して、掃海部隊が出て行くわけですね。その時の根拠は、今だったら、いろんな事がまた言われていたんだろうなと思います。今から23年前、いろんな大義が出されたことは、幹事長もよくご存じのとおりですけども、結局ですね、自衛隊法の中の危険物の除去というとこで、根拠法規が求められました。ところが、私も、機雷掃海のプロなんです。専門がそうなんです。我々にとってはですね、対機雷戦、機雷を除去するというのは、これは、ウォーフェアですね、マインウォーフェア、作戦なんです。それで、落合指揮官以下511名がオペレーション、作戦として、我々はいろんな事前の準備をして出かけて行った。そして、当然ですね、機雷に触雷して機雷が爆発して、掃海艇の一隻位は、たぶん帰って来ないんじゃないかということまで、我々は想定して、アメリカみたいにボディーバックありませんから、こちらは、棺桶になる材料の白木を40人分積ませた。安全と言われましたが、我々にとっては、一番の危険な作戦で出向いた。幸いにして、本当に一人の犠牲者も出すことなく、約100日間終わって帰って来た。これが、私の最初の実任務です。その時に、海上幕僚監部の広報室長という配置でしたので、記者クラブの皆さんとずっとつきあっておりまして、4月24日に閣議決定になった夜、海上幕僚長の記者会見やることになりまして、防衛省の記者クラブではやらない、海幕の応接室でやるということでやりました。これまた大変な騒動で、今日ぐらいのカメラが入っていました。一つだけ覚えていて、悔しかったのは、「海幕長、この部隊は、日本を出港したら、次どこに入るんだ」という質問ですね。それだけは海幕長に、「どんなことがあっても答えられません。海幕長は知らないんじゃないのか。と言われようが、なんと言われようが、それは答えられません。作戦上の機密で、答えられませんので頑張ってください」と言ったのを覚えています。当時の海幕長はそれで通して、ある新聞社のいつも警戒していた記者さんが、前に座り、海幕長を下からにらみ上げてですね、「次の寄港地も分からないような作戦計画で、行動できる軍隊なんてあるのか」という質問を次々にするんですね。海幕長は、じっと我慢してですね、「申し上げられません」と頑張った。
その次に大きなことはですね、能登沖の不審船事案です。この時に実は、初めて海上警備行動が発令になります。私は、その時は船に乗っていなくて、陸に、六本木で勤務しておりました。この時我々が一番心配したのは、警告射撃をできるか。警告射撃をして不審船が止まって、止まったら船舶調査をしなければいけないですね。今まで、そんな訓練をしてないんです。ですから、どういう隊員を何名組んでそこに充てるか。武器は何を持って行かせるのか。何かあったらどうするんだ。ということをですね、本当に海上自衛隊の中で、最大の問題だったんですね。その時の指揮官で行ってたのが、私の2つ後の海幕長の吉川さん。彼が、洋上の指揮官で、やはり訓練やってない、船が止まったら検査隊出さなくちゃいけない、それがやっぱり一番現場でも悩んだと。そうしてるうちに、射撃で絶対船に当てるなと、こういうオーダーがあり、対応していた。覚えておられますか。投網を打って、投網で捕まえた方がいいのではないかと書かれたんですよね。当時、一緒に苦労していただいた先生が頷いてくれております。そんなことがですね、平気で言われておりました。99年この時です。現場がいかに苦労していたか。本来ならば、警告射撃して止まらなければ、次は撃てばいいんです。これが国際法なんですね。そうすればなんの問題もない。だけど、それができない。だから、大変悩んだんです。結果的に船に逃げられちゃう。それで海上自衛隊がボロクソに書かれた。入港してきた指揮官の顔を見て、つらい思いが未だに忘れられません。
その次にですね、そこに書いてあるのがインド洋。これが、9.11の後ですね。小泉総理が一週間後に、日本で今できることは何だと。よく決められた、7項目くらい。私は、横須賀の護衛艦隊司令官という配置で、海上自衛隊が出るしかないだろうなと、大体分かりました。時の長官から、内々で準備にかかれと言われました。佐世保と横須賀と呉と、それから舞鶴、大湊それぞれに2年間の線表を引いて、3隻ずつ船を継続して出すためには、こうしなければいけないという作業を始めました。隊員は、本当に昼夜を舎かず、意気揚々と準備に入っていました。いつでもどこからでもオーダーがあれば、出られますという状況になりました。世界は、有志連合、コアリションと言って、手を上げて、アメリカの指揮ではないですよ。みんなで集まって、対テロ洋上からの世界に出て行くのをそこで防ぐ作戦を開始するわけですね。当然そこに我々も入る、こういう計画でいました。そしたら、時の自民党のある方が、私の線表を見て、イージス艦が出るとはどういうことだと。イージス艦が出たら、アメリカとね、情報共有が常時できて、これが集団的自衛権に抵触すると一言、言われたんですね。たったその一言。私は、「いや、お言葉ですが、イージス艦をご覧になったことありますか。ぜひ横須賀で準備しますからご覧になってください。アメリカとどういうことをしなければ、情報が共有できないかということを現場で見ていただければ、分かると思います」。こう申し上げたんですね。そんなものを見る必要はないといってお出でいただけませんでした。結局、佐世保で準備していたイージス艦がダメになりました。その時のイージス艦艦長以下の顔を見た時、私は、指揮官として本当に申し訳ないなと。式典を終えイージス艦に乗って、乗員に話をちょっとしました。だけど、イージス艦はダメだと言われると同時に、もう一つの大きな流れは、有志連合に入ることはできないと話がどんどん変わる。危険海域に入れない。危険海域というエリアはどこですか。何センチのクリアランスを取ったら危険海域じゃないんですかと。馬鹿な話ですよね。海は全部繋がっているんですよ。荒川の水がテムズ河の水に繋がっているんですよ。現場をまったく理解していない。だから、アメリカと一緒の共同作戦はダメだった。アメリカと一緒というか、コアリションとしてのですね。結局、皆さんご存じのとおり、オイルステーションと言われ、ガソリンスタンドと言われ、ある一線を引いた何の意味もないところの外で、作戦をしている船が彼らに油を渡す。これしかできなくなった。もう準備していた隊員の顔色がですね、どんどん冷めていった。なんなんだと。そうは言っても、これが日本の国益だと言って隊員を説得して、送り出しました。そして、海幕長になって最初の出張にそこをリクエストして行きました。行っていましたら、カナダの船が意気揚々と油をくれと来るわけですね。何がいるか、アイスクリーム持っているかとかですね、いろんな物を並行して走りながら、渡してくれる。で、油を2時間くらいで給油終わったら、大感激でありがとうと言って、旗振ってまた作戦へ帰って行く。一方、じゃあ、うちの隊員はどうか、言葉には出しません。だけど、やっぱり何となく後ろめたい。申し訳ないなという感じがひしひしと伝わりました。嫌な出張の思い出ですね。だけど、3隻、各船に乗り移って、「いろいろな思いはあるだろう、だけど、この作戦が日本の国益だ」というのを隊員一人一人に丁寧に説明して、納得させて作戦を続けた。作戦に出ている間は、アメリカのタンパというところで調整会議をやるわけですね。「今日、こういうことをこの辺でやるよ。あるいは、日本の海上自衛隊の船、今どこにいるんだ。じゃあ、この船がたぶん燃料なくなるから、少しでもこっちに来ておいてくれ」と。調整会議に出て、テロの情報をたっぷり、他の国と同じようにくれていた。何の支障もなくですね。ところが、政権変わって、インド洋での活動をやめると意思表示したとたんに、日本結構です、この調整会議に出なくて結構ですと言われて、その会議に出られなくなった。これが現状なんですね、世界の。いかに一緒に汗を流し、血を流すかってことが、国際貢献なんですよ。金ではないわけですね。これを現場の隊員は、みんな体験してペルシャ湾の時からやってきている。
それから、私が最後のリタイアする前の年の11月、原子力潜水艦が潜没したまま領海侵犯した事案がありました。時の長官は、大野長官です。で、いろんなことがありました。一つだけ申し上げたいと思います。それはですね、何もできない。あの時現場では、アメリカとの共同訓練をやってました。海上自衛隊から船が2隻、P-3C、ヘリコプターも飛びながら、一緒の訓練をやってました。で、潜水艦が領海に入ることも全部分かっていました。このまま行くと領海に入りますと朝の4時前に電話があった。で、私はすぐ着替えて、作戦室に入るからと言ったら、車をすぐ回しますときたから、いや、タクシーに乗って行った方が早いから、とこんな馬鹿なことを言いながらですね、作戦室に入って、「長官、早く海上警備行動を総理にお願いしてください」。「分かってる、今やってるけど、繋がらない」。総理と直接、長官が電話できなかった。結局、海上警備行動が8時45分にかかったわけですね。その時にはもう領海から出ていたんです。で、海上警備行動をどうするかと言われたので、「いや、そのままにしておいてください」。というのは、そのときの進路でいくと、もう1回かかるからです。それで、約100時間、海上警備行動のままで、ずっと追跡して、どこに入ったかということまで確認できた。この時のですね、何が一番嫌だったかというのは、潜水艦は周辺7カ国が持ってます。外務省を通じて、該当の国がどこか聞いてもらったが該当がなかった。中国もないとはっきり言ったんですね。えっ、中国がないと言ったら、じゃあ、この潜水艦は何なのと。テロか、もう一つはソーナーマンが、ソーナーで聞いていたら、潜水艦が、魚雷発射管を開いて、そこに水がザーッと入っていくと、音で分かるんですね。魚雷発射管開いたら次は、撃たれるしかないわけですね。開いたらどうするかというのは本当に悩みました。うちの海上自衛隊の船が撃たれるか、米海軍の船が撃たれるか、どっちかですね。その時に、魚雷が発射されて300人犠牲にして、1隻沈められるのか。これはたぶん、何もしなかったのでは許されないでしょうね。仮に撃たれた、アメリカの船が沈んだ、では次の瞬間、実魚雷を積んで、ヘリを飛ばしてから、すぐ撃って、その潜水艦を沈めた。相手の潜水艦の乗組員が全部死んだ。すると、オーダーした海幕長、殺人犯で取り調べをしましょうとたぶんなるでしょう。あるいは、ヘリコプターで直接発射の引き金を引いた隊員が、刑法では一番大変ですね。今まで全部そうです。いろんな事故も。こういう問題がですね、もう、次々に出てくるわけですね。ではその時、あなたどう決心してたんだとよく聞かれます。
それは、冥土に持って行きたいと思います。そういうですね、決心が現場では非常にぶれてるわけですね。では今、尖閣沖で海上保安庁の船が、撃たれる。それは、向こうも軍艦ではないにしてもですね、それを海上自衛隊の船が見てるわけですね。撃たれるのを見てても何もできない。そんなこと許されますか。たぶん、現場で私が艦長で行っても、撃たれ始めたら間に入って、自分を撃たせて相手を撃つことになろうかと思いますね。そして、たまたま自分の船は、誰も死人が出なかった。相手の中国の船で10人ぐらい死んだとします。撃ったその船の艦長、撃てと言った艦長、引き金を引いた隊員は入港したら御用ですね。殺人罪。だけど、撃たれている海上保安庁の船を見ていても、ごめんなさい、今の法体系で何にもできないんです。もう次の日の一面のこんな活字が浮かびます。海上自衛隊は、助けてくれなかった。たぶん、海上自衛隊はつぶれると思います。もし、そういう状況が起これば。現に、起こる可能性は十分にあるし、海上自衛隊の船がそばで見てるから、中国を刺激したんだという人がたくさんいます。しかしそれは違うと思います。見ていて法的にきちっとできるようにしていることが、抑止力なんですね。やったらやりますよ。だけど、それだけのきちっとした余裕がなければ何もできません。世界中それで動いています。この辺を考慮しながら、時間がありませんので、中国の体制ですとか、大綱ですとか、ガイドラインは飛ばします。それで、自衛隊の現状はどうなってるかというのを簡単に申し上げておきたいと思いますが、今、海上自衛隊は、何正面動いているかご存じですか。
質問はしませんが、少し考えてください。ソマリア沖に護衛艦2隻、P-3C2機が行っています。では、その次に準備している2隻がいますね。飛行機も同じ。それから、日本海で北朝鮮のミサイル対処をしているわけですね、これは自主的に、当然、舞鶴沖で訓練している。2正面。それから、尖閣沖で2隻~3隻が、佐世保からいつも出て行っています。3正面ですね。それから、今まで60年間、やってきた日本の周辺海域で、何かあったら困るねっていう監視活動をやっています。4正面。私が、現役の若い頃はですね、1正面対応できればいいと言われて、4つのグループに分けて、その1つを高練度で訓練してました。人もたっぷり。今、4正面ですよ。いかがですか。去年の年度末は、フィリピンの水害に出ていた、5正面。予算は変わらない、あるいは減ってる。人も減ってる。だけど、5正面。何に影響が出ているかというと、教育訓練ができてないんです。訓練がもうできない。いろんな問題があります。例えば、予算の問題で、ソマリア沖にヘリコプターが2機行って、あるいは、2隻の船だから、4機行っているとすると、その準備に入ってるのも4機いる。今、予算が足らずに、予備品は生きてるヘリから取っていかなければ、間に合わない。生きてるヘリが少なくなりパイロットの訓練ができない。パイロットが足りなくなりつつある。こういう問題が現場で起こってる。船は、充足率っていう馬鹿な、昔からのね、いろんな問題があって、まだ生きてるんですが、100%乗ってないんですよ。ご存じですか皆さん。こんな海軍はありませんよ。実任務に出てる船は、110%~115%の定員で出てます。うちは、97%、95%です。効率的に、あるいは、精神的に頑張って、そんな時代じゃないんですがこれが現状なんですね。ですから、この辺をですね、やはり解決していかないと、だんだんボディーブローじゃないですけど、効いてくる。十数年やってますから、そういう人の手当、予算の手当、いろんな面がここで効いてきます。では何をしてほしいかというとですね、もちろん、そういう人、物、金ありますけれども、一番大事なのは、法整備なんです。法律がなかったら、何もできません。ですから、私は、時間的な問題とか、いろんな事を考慮したときにですね、航空自衛隊は、領空侵犯、自衛隊法の中で決められているのはなぜか。空に警察がいなかったからなんです。だから、航空自衛隊はやらなければならない。何かあったら、何秒かで飛び上がって対応してる。同じようにですね、自衛隊法の中に、平時から領海、領域の警備を海上自衛隊に付与する。一行入れればいいんです。やり方は、その後、いろんな事で決めていけばいい。その時には、今までやられてるように、特別措置法で、できることだけ、これしかダメです、腹が空いたから、このジュースだけしかあなた飲んじゃダメですよ。飲みたくなって、隣に有るんだったら、ちょっとごめん、飲ましてもらうよ。これですね、よく言われるいろんな部隊の行動基準というか、武力行使規定というか、ネガリストのROEというものをきちっと決めて持たせれば、全く問題なく、そんなにいけいけどんどんで走ったりなんか、ありえません。というのは、訓練をみっちりやってるわけですね。ですから、しかもその初歩的な、少なくとも初歩的な米国と同じROEを持たせないと、何かあってアメリカと一緒にやろうと言っても、立ち上がりができない。もう、いろんな問題があります。
時間が来ましたので、法整備だけとにかく急いでやることを私は、今日最後にお願いして終わります。
後は、質問を受け回答します。ありがとうございました。

 

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