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安全保障法制整備推進本部

第3回 国家安全保障基本法について(石破 茂 本部長)

 

党安全保障法制整備推進本部は4月21日、3回目の会合を開き、石破茂本部長が国家安全保障基本法案の概要について説明しました。同法案はわが国の安全保障政策の基本方針を定めるとともに、国と地方公共団体の責務と施策を明確にし、安全保障政策を総合的に推進するのが目的です。野党時代の平成24年7月に石破安全保障調査会長(当時)らが中心となって取りまとめました。
具体的には厳格な文民統制の下での自衛隊の保有を明記したほか、国連憲章で定められている自衛権の行使を可能としました。また、国際社会の平和と安定を図るため、わが国として積極的に寄与することも盛り込んでいます。
同法案では自衛権を行使する場合に「国会の適切な関与」を定めていますが、石破本部長は「集団的自衛権の行使は個別的自衛権と比べ、距離的あるいは時間的に余裕があることが一般的だ。従って原則、国会の事前承認がなければいけない」と説明。その上で「事前承認を必要事項にすると、自衛権の行使ができない場合が当然生ずる」と述べ、米国に向けて弾道ミサイルが発射されるなど緊急の場合は事後承認を認める考えを示しました。
また出席議員からの「(同法案に)不安を感じている国民もいるのでは」との指摘に対し、石破本部長は「自衛隊は戦争にならないためにきつい訓練を行っている。抑止力とはそういうものだ。そのことを分かりやすく説明する必要がある」と強調しました。次回は前防衛大臣の森本敏氏を講師に招く予定です。

 

 

【講演全文】

(岩屋事務局長)

安全保障法制整備推進本部の第3回目の会合を開催させていただきます。冒頭石破本部長からお願いします。

 

(石破本部長)

国会本会議中にありがとうございます。
先週1回お休みをいたしましたが、本日は国民の皆様にお約束いたしました安全保障基本法について。名前は国家というのがついて国家安全保障基本法というところなんですけど、これを合意・決定し、公約に加えていいかどうかということは、一昨年の総選挙を臨むに当たり、全議員参加という形で、また地方の方々にもお出かけいただいて、決定をいたしたものでございます。
そして、その後参議院選挙に臨むにあたりましても、公約としてこれを掲げるにあたって同じ手続きを踏み、有権者の方々の審判を仰いだものでございます。ただ、そこに参加していない先生方もおられますので、そのことだけで決まるわけでもございません。現在のわが党のスタンスというものをご理解いただき、党として共有をし、今後政府としてどうするのかを見ていこうと思います。いかなることがあろうとも、政府として、また我々自民党がこれを変えなければなりません。
そして、また連立政権を組む公明党の方々にもご理解を頂かなければならないのは当然のことであります。ただそれらに臨むに当たりまして、わが党が現在においてどういう考え方をしているかということをご理解いただけたらということで、今回このような会合を開催させていただいた次第でございます。よろしくお願いいたします。

 

(岩屋事務局長)

それでは、国家安全保障基本法案について石破本部長ご自身から、お話をいただきたいと思います。

 

(石破本部長)

ありがとうございます。お手元に肩に26年4月21日と書きました資料をお配りしております。わが党の国家安全保障基本法案の概要につきましては、ホームページ等に載せておりますし、中には「自民党国家安全保障基本法批判」などという大変ご親切な解説書もあるわけですが、すみません朗読調になりますが、概要を説明したいと思います。

 

【基本法をなぜ作ったか】

これをなぜ作ったかということでございますが、わが党がこれを一番最初に掲げましたのは、わが党が野に下って、谷垣総裁のもとで行いました参議院選挙。この時に初めて、わが党は安全保障法を制定し、集団的自衛権の行使を可能とするということを初めてうたったわけでございます。
それから今日に至っているところでございますが、なぜこれを作ったかといえば、日本国憲法のもとで、既存の自衛隊法あるいは防衛省設置法などがありますが、そういうような諸法制と憲法とを結びつけるものという位置づけで構想したものでございます。
わが日本国憲法は独立していない時に制定をされたものでございますから、自衛隊の規定というものはどこにもございません。安全保障に関する記述もほとんどございません。ありますのは前文のところの「諸国民の公正と信義に信頼してわれらの生存を保持しようと決意した」という文言。そして憲法第9条、これだけでございます。あとは文民条項というのがございますが、そのほかは安全保障についての記述はございません。にもかかわらず、自衛隊法や防衛省設置法などという防衛法制があるわけですが、ここのところを結ぶような基本法が必要だというような考えのもとに作ったものでございます。
したがいまして現憲法では規定がございませんのでそういうものをまとめる形での条文を作りたいというふうに考えました。そしてまた憲法を探してもどこにもない自衛隊について、何のために保有するか、そしてどういう場合に自衛権を行使するか、ということを明示したものであります。
もちろん安全保障は防衛だけで成就するものではございませんので、外交努力でありますとか、そのほかについての方針も定めました。そして、我が国の総合力によって安全を保障するということをひろく定義をしたものでございます。基本法でございますから、理念法とプログラム法、つまり理念を明確にするというのと、関連する諸法制の整備をするということの2本立てになっております。
そして憲法改正が将来行われまして、自衛隊に関する規定が憲法に書かれるとかそういう場合には、この基本法はほとんどその意味を失うということになりますが、憲法改正までの間にこの法律を定めておくことは必要だというふうに考えました。

 

【基本法の目的】

で、当然第1条には目的というものが入ってまいります。「本法は、我が国の安全保障に関し、その政策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務と施策とを明らかにすることにより、安全保障政策を総合的に推進し、もって我が国の独立と平和を守り、国の安全を保ち、国際社会の平和と安定を図ることをその目的とする。」という実にあたりまえのことが書いてあるわけでございます。
そこで、安全保障政策の概念とはなんなんだといえば、重複になりますが防衛政策だけではございませんで外交政策も含まれるというふうに考えたものでございまして、防衛省設置法、自衛隊法に定める任務に加えまして、「国際社会の平和と安定を図ること」、というものを目的に加えているものでございます。以上が第1条であります。
第2条は安全保障基本法というからには、安全保障の目的とは何であろうかということでございます。これは「外部からの軍事的または非軍事的手段による直接または間接の侵害」、ここまでは大体普通なんですが、「その他のあらゆる脅威に対し」、つまり軍事的、非軍事的な直接的または間接的な侵害以外にも脅威というものは存在いたしますので、「その他のあらゆる脅威に対し、防衛、外交、経済その他の諸施策を総合して、これを未然に防止しまたは排除することにより、自由と民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守り、国益を確保する」ということが安全保障なのだと定義いたしました。
じゃあその安全保障という目的を達成するためにはどうしたらいいかといいえば、これは「国際協調、国連憲章の目的の達成のため、我が国として積極的に寄与する。内政を安定させ安全保障基盤の確立に努める。実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備するとともに、統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用に努める。憲章に定められた自衛権の行使については、必要最小限とする。」というふうに書いたものでございます。
資料2ページの箱の中にございますが、こんなものがあったということも知らない人もいるわけですけど、我が国の国防のあり方というのは昭和32年5月20日に閣議決定したいうのを踏襲してまいりました。昭和32年といいますと、私でありますとか、中谷さんですとか、そういう人たちが生まれたのが昭和32年でございまして、昔の話でございます。石原環境大臣も確か昭和32年だったと思います。つまり以来57年もたって1回も改訂されることがございませんでした。
それだけ素晴らしかったということも言えるのですが、ここに何が書かれているかといいますと「国防の目的は直接および間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われた場合には、これを排除し、もって民主主義を・・・・・・・」というふうになってございます。
そこに4つございまして、「国連の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。民政を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。国力向上に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。」とこういうものが57年間ずっと一行も変わることなく来たものでございます。
で、昨年の12月に国家安全保障戦略というものが策定をされまして、この国防の基本方針というものがこれにとって代わられております。いまは国家安全保障戦略というものがこれに代わるものとなっておりまして、私共が考えましたこの基本法の内容と、この国家安全保障戦略の内容は整合しておりますので重複することになろうかと思いますが、これを法律としてきちんと書くかどうかという話になるわけでございます。
で、国防の基本方針から変わっておりますのは、「世界平和の実現」とか「愛国心の高揚」とかこの基本法の議論をいたしましたときに、このようなことを別に書かなくても良いのではないか、このようなことは情緒的に過ぎるのではないかということでございます。で、こういうものを削除いたしました。
では、こんなことはどうでもよいかというとそうではなくて、本法第11条には「国際の平和と安定の確保」という条項を設けてありますし、「国民の責務」という第4条には、国民の皆様方に何をお願いするのかということを具体的に定めているものでございます。

 

【防衛力整備】

そしてまた防衛力の整備の在り方について、自衛のために必要な限度という概念はいったい何なんだ、自衛のために必要な限度とはいったいどこまでなんだということでございます。で、これは基盤的防衛力整備構想の中に、冷戦期に確立した考え方でございますが、我が国は何の目的で防衛力を整備するかというのを定めたのが基盤的防衛力整備構想といわれるものでございました。
これは、我が国は何のために防衛力を整備するかといいますと、「特定の脅威に対処するのではなくて」、そういうのがまず、のっけから出てくるわけです。「特定の脅威に対処するのではありません」と。しかし我が国が防衛力の整備を怠ることにより、我が国の周辺に空白が生じ、かえって地域の不安定を招くことが無いように、独立国として必要最小限の防衛力を整備する、という考え方でございました。すなわち、特定の脅威には備えないが、もし我が国が何もやらないと、我が国の周辺にエアーポケットみたいなものができてしまい、かえって不安定になるので、独立国として必要最小限の防衛力を整備する。
それって何というと、これを英語に訳すと何が何だかさっぱりわからなくなるわけでございます。この考え方はすでに改められているものですが、そのような「自衛のために必要な最小限度」の概念は防衛力の整備の方針自体から削除いたしております。その代わりに実効性の高い防衛力というような概念を定めております。その運用については柔軟性、あるいは即応性というものがなければならないということであります。

 

【日米同盟の位置付け、その他】

もう一つ特徴的なものは、国防の基本方針にございました、「将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果たしうるに足るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する」とこれには書いてあったのですが、それは今も変わるとは私は思いませんけれども、本来、「自分の国は自分で守る」というのがあって、そしてその上において安全保障体制というものが相乗的に乗ってくるものであって、「まずアメリカとの安全保障体制を基調とする」という考え方は必ずしも適当ではない、という議論が党内でございました。
それは日米安全保障体制の弱体化を意図するものではまったくなくて、まず我が国のことは我が国できちんとやる。そしてそれに米国との安全保障体制が相乗効果として効果的に抑止力を発現する、というような考え方に基づきまして、この書き方を改めたものでございます。
さらには自衛権行使の対応について、書かせていただいております。2項の4号でございます。我が国の自衛権行使の態様については、国民憲章に定められた権利の行使とパラレルによりまして、憲法の平和的理念と集団的自衛権行使とを両立させたい。そういう意図のもとに規定をしたものでございます。

 

【国、地方公共団体、国民の責務】

第3条は、国および地方公共団体の責務を記しました。お読みいただければわかると思いますが、国はなにをするかというと教育であり科学技術であり建設であり運輸であり通信であり、いろいろな分野について安全上必要な配慮を行わなければならないと定めております。いまはさすがにそういうこともなくなってきましたが、例えば、一時期、宇宙ロケットを発射いたします時に防衛省の関係者はそこに立ち入ることが許されなかったという時期がございました。しかし我が国が弾道ミサイル防衛を実施するにあたって、そのようなロケットの技術をきちんと理解するということは極めて必要なことであります。
今日は脇先生はじめ建設のオーソリティも大勢いらっしゃっておりますが、これは本当か嘘かは知りませんが、私が昔聞いた話では、例えばドイツのアウトバーンだとか、ああいうものは飛行機が降りられるようにということで、まっすぐな高速道路が伸びているわけです。しかし日本の高速道路は適度にカーブがありまして、なんであんなものがあるのと聞いたら、眠くならないようにと聞いていたく感心したこともあるのですが、これはこうするべきだと言っているわけではありませんが、道路にしても空港にしても港湾にしても、いざという時にそれがどのように利用できるかということが限られた国家資源の有効的活用ということもございます。それを軍事的に使用すると最初から言ってるわけではございませんが、そういう配慮はやはりあるべきではないかということでございます。
運輸の場合には、これはよく新聞にでてくることでございますが、いざ有事においてどのようにして民間船舶というものを活用するかということでございます。それは民間人の方々を戦争に動員するということではなく、有事法制もそのような考え方をとっているものではございません。しかしながら、日の丸商船隊とかよく言いますけど、日本人船員の比率というのは極端に低いということになっております。
また、海上自衛官で退官をいたしましたときに予備自衛官としてそのような立場に立つ者も極めて少ないということでございます。陸上自衛官の場合にはOBがかなり予備自衛官になっておりますが、海上自衛官の特に幹部の場合、退官後に予備自衛官になることはほとんどございません。航空自衛官においても同様であります。そういう時に予備の人たちをきちんと確保しておくことが、輸送を行う上で必要なことではないか。
しかしながら、先の大戦中に亡くなった方は帝国海軍の軍人よりも商船に乗っていた人のほうがはるかに多いので、そのような歴史的経緯もございまして、この辺りはよく考えなければならないことであります。
あるいは通信でもそうでありますが、先般の東日本大震災原発事故の時に通信手段として携帯電話が多く活用されました。実際に有事において携帯電話で連絡を取り合うということは当然考えられたことでございまして、この辺りは電波の周波帯の割り当てをどのようにするかということでありますが、いろいろな国内施策を行うに当たりまして、安全保障のことを全く捨象した考えでよいかといえば、それはそうではないのではないかといことでございます。
必要な配慮ということであって、それが必要でない場合には、そのような配慮をする必要はございません。ここは気を付けなければならないと思っています。
国は、我が国の平和と安全を確保するうえで必要な秘密が適切に保護されるよう、法律上・制度上必要な措置を講じる。これは例の特定秘密保護法でかなりのことをカバーされたものでございます。
地方公共団体の責務でございますが、地方公共団体は国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、安全保障に関する施策に関し、必要な措置を実施する責務を負う。国及び地方公共団体は、本法の目的の達成のため、政治・経済及び社会の発展を図るべく、必要な内政の諸施策を講じなければならない。国および地方公共団体は、広報活動を通じ、安全保障に関する国民の理解を深めるため、適切な施策を講じる。というこれは大体考えられそうなことを書いたというものになっております。ここは武力攻撃事態等の対処に関しまして必要な措置を実施する責務を有するという従来の法制との整合をとっているものでございます。
では国民はなんなんだというところが第4条でありまして、国民に責務というものを課すに当たっては、国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し、もって平和で安定した国際社会の実現に努めるというふうに書かせていただきました。
これは、旧国防の基本方針の「愛国心を高揚し」というものに代わるものでございます。これは、教育基本法などに同様の規定がございまして、取り立てて目新しいものではございません。第5条は法制上の措置でございまして、政府は本法に定める施策を総合的に実施するために必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。ということにしているものでございます。
第6条安全保障基本計画でございます。政府は安全保障に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国の安全保障に関する基本的な計画を定めなければならない。というふうにしたものでございますが、これは昨年、国家安全保障戦略というものが策定をされました。この国家安全保障戦略というものは、まさしくこの安全保障基本計画と一致するものでございますので、この国家安全保障基本法を作った時には、まだそのような構想がございませんでしたので、ここの第6条は全面的に書き換えが必要だというふうに考えております。
第7条も同様でございまして、国が国会に対する報告を課したものでございます。これは文民統制を有効に機能させるためには、国会に対してそのような報告がなされるべきだということで定めたものでございますが、これも今国会で質疑が行われたごとく、この部分も修正が必要だというふうに考えているところでございます。

 

【自衛隊】

第8条は自衛隊というものの基本法に関することが必要だということで自衛隊について定めたところでございます。ここの文言はお読みいただければわかりますが、憲法改正までの間、自衛隊というのはどういうものだということを、防衛省設置法及び自衛隊法などに書いてございますので、この基本的事項を基本法にも明記をしているものでございます。
そして、グレーゾーンと呼ばれるものあるいはテロ攻撃などの想定をいたしまして、その他の脅威というふうに書かせていただいたものでございます。そして第2項は自衛隊法の88条に防衛出動時の武力行使については国際の法規及び慣例によるべきことというふうに書いてございます。したがいまして軍隊というものは平時より国際法・慣例に従うということが当たり前でございますのでこのように書かせていただきました。また、文民統制というものは、徹底をされているところでございますが、そこのところは基本法でもきちんと書いておかねばならないというところで文民統制の文言も書いたところでございます。
ここで注意しなければいけませんのは、この第4項の「自衛隊に対する文民統制を確保するため、次の事項を定める。最高指揮官たる内閣総理大臣及び防衛大臣は国民から選ばれた文民とすること。」となってますが、民主党・野田政権において国会議員ではない防衛大臣が登場したものでございますから、ここをどう考えるか、ということでございます。これは憲法上の要請で、国会議員でなければならないということではございません。ここの書き方をどうするかは、これからの議論によると考えております。
ただ、それまで自民党政権下におきましても、あるいはごく短期的ではございましたが細川連立政権下におきましても、防衛大臣はおろか政務次官あるいは副大臣、政務官も国会議員以外の者がなったことがございませんでした。自民党は、内閣総理大臣は当然でありますが、防衛大臣は国会議員と考えられてきたものでございます。ここのところをどうするかは、またご議論を賜りたいというふうに考えております。
自衛隊法につきましては、その下の箱の中に入れております。第9条国際の平和と安定の確保でございます。これにおきましてはPKO法などを参考にしながら書いております。「政府は国際社会の政治的・社会的安定及び経済的発展を図り、もって平和で安定した国際環境を確保するため、以下の施策を推進する。国際協調を図り、国際の平和及び安全の維持に係る国際社会の取組に我が国として主体的かつ積極的に寄与する。締結した条約を誠実に遵守し、関連する国内法を整備し、地域及び世界の平和と安定のための信頼醸成に努める。」
その次はODAでございますが、「開発途上国の安定と発展を図るため、開発援助を推進すること。なおこの実施に当たっては、援助対象国の軍事支出、兵器拡散等の動向に十分配慮すること。」というふうに定めているものでございます。
「国際社会の安定を保ちつつ、世界全体の核兵器を含む軍備の縮小に向け努力し、適切な軍備管理のため積極的に活動すること。」というふうに定めました。これはこの法案を作ります時に党内で大議論がございまして、非核3原則をここに書くべきだ、というご意見もございました。
他方におきまして、従来の国会答弁の中で「我が国が核兵器を持つことは憲法上禁じられていない」というのが政府の立場でございます。では憲法上はどうなのかといえば、核兵器を保有することは禁じられていない、しかしながら政策的にこれを作らない、持たない、持ち込ませないということを非核3原則として定めたものでございまして、ここをどうするかといういろんな議論ののちにこのような書き方になったものでございます。
「世界全体の核兵器を含む分軍備の縮小へ努力し適切な軍備管理のため積極的に活動する」ということを条項には定めたということでございます。

 

【自衛権の行使】

ポイントになります第10条でございます。ここは「国連憲章に定められた自衛権の行使」というふうにタイトルを定めました。「第2条第2項第4号の基本方針に基づき、我が国が自衛権を行使する場合には、以下の事項を遵守しなければならない。」
ここに集団的、個別的ということを分けて書いたものではございません。「自衛権を行使するとき」というふうに書いたものでございます。ここに丁寧にご説明いたしますが、「我が国、あるいは我が国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態」ということでなければならない。
そしてこれは国連憲章にそのまま沿ったものでございますが、その自衛権行使に当たってとった措置は、直ちに国連安保理に報告をする。そしてこの措置は安保理が、必要な処置を講じたときは終了する。国連憲章と完全に整合したものでございます。
その次に第4号として「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃については、その国に対する攻撃が我が国に対する攻撃とみなしうるに足る関係性があること」、というふうに定めました。その攻撃が他国に対する攻撃ではあるが、それが我が国に対する攻撃と見なしうるというところまで評価がされることが必要であるということがこの安全保障条項には定められております。
そして、その「密接な関係にある他国への武力攻撃に対しては、その国から我が国に対して支援についての要請があること」、というふうに定めたものでございます。これは、その国から助けてくれとも言われていないのに出かけていくのは駄目ですよということであって、集団的自衛権行使に名を借りて武力攻撃を行うことは慎まなければならないという考え方から、その国から我が国に対して「きてちょうだいね」という要請があることが必要である、というふうに書かせていただきました。
そして「この自衛権の行使は、我が国の安全を守るため必要やむを得ない限度とし、かつ当該武力攻撃との均衡を失しない」というのは、比例原則でございます。たとえば受けた攻撃に対して倍返しなどがあってはならないということでございまして、均衡を失してはならないということでございます。
ここは自衛権行使の要件の中で、「ほかにとるべき手段がないこと」というのがございまして、これを付け加えるかどうかは、またご議論になるところです。ただ、ほかにとるべき手段がないということをどうやって証明するかというのはまた難しいことでございまして、ここはそのような議論があってこの原案の段階ではほかにとるべき手段がない時というのは落としておるものでございます。
このような権利の行使は、これはまた個別法的、具体的に定められることになりますが、自民党の考え方では、集団的自衛権を行使するに当たっては、国会の事前の承認がなければならないということを考えております。これは、集団的自衛権の場合には個別的自衛権と比べまして、あくまで一般的にでございますが、距離的にあるいは時間的に個別的自衛権の行使よりも、時間的、距離的な余裕があるということが一般的であろう。
したがって原則、事前なのだということになっています。しかしながら、この事前の同意というのをマストにしますと、自衛権の行使ができない場合が当然生じるものでございます。たとえば弾道ミサイルなどの場合、事前の同意をとるといってもその時には撃たれてました、という場合どうするのだ、ということがございまして、ここは、たとえば潜没潜水艦に対する規定でありますとか、そういう国会の関与というものを事前に網をかけるような形も可能ではないかと思いますが、それは個別の立法の時にきちんとした文民統制の確保、国会の関与というものが担保されるべきだというふうに考えているところでございます。

 

【集団安全保障】

最後に第11条、第12条だけお話をさせていただきます。これは集団安全保障措置に参加する際の原則を定めたものでございます。ここはわが党として国会にすでに出しておりますが、廃案にずっとなっておりまして、いわゆる一般法を作るということを念頭に置いて作った規定でございます。
これは、例えばテロ特措法というものを小泉内閣において中谷長官のもとで作りました。あるいはイラク特措法というものをこれまた小泉内閣のもとで、当時、私長官でしたが、作りました。でそのたびごとに本当に特措法でいいのですかということがございまして、何か事態がおこり特措法を作らなければならないということになって、そうすると時間的に間に合わないだとか、あるいは、効果を十分に発揮しないということがあるのではないか。
そして特措法でございますから、期限を区切った時限法になるかと思います。そうすると安倍内閣から福田内閣にかけて苦労したのは、期限が来た時に延長しなければならないのですが、あの時に参議院で多数をとっておりませんでした。この再延長ということで、安倍総理が大変苦労され、その後の福田内閣において、当時、私防衛大臣でいろいろなことをやりましたが、あの時の七転八倒ぶりを覚えている方も非常に多いのではないかと思っております。
これを一般法にするということが必要ではないかと私は今でも思っていますが、その時の原則を定めたのが第11条でございます。
最後に第12条ですが、これも武器輸出について新たな決定がなされましたので相当の再修正が必要になろうかと思いますが、その時はこのような考え方をいたしました。「国は我が国及び国際社会の国際社会の平和と安全を確保するという観点から、防衛に資する産業基盤の保持及び育成につき配慮する。
武器及びその技術等の輸出入は、我が国及び国際社会の平和と安全を確保するとの目的に資するよう行わなければならない。特に武器及びその技術等の輸出に当たっては、国は、国際紛争等を助長することのないよう十分に配慮しなければならない。」とこのように定めたものでございます。

 

【今後の論点】

世の中の関心事はこの安全保障条項と集団的自衛権行使との関係になるわけでございますが、これは今後調整していかなければならないことでございます。
しかしここにおいて集団的自衛権を行使するといっても、いろんな制約をかけていかなければならない。集団的自衛権が行使できるとはいっても、何でもかんでもやってよいわけではなくて極めて厳格ないろいろな制約をかけたうえで、しかしながらこれはわが党の立場でございますが、憲法の解釈はあくまで必要最小限ということでございます。
必要最小限に集団的自衛権は最初から入らないとあったのが必要最小限という憲法解釈は全く動かないがいままで全部その外ですよと言われてきた集団的自衛権で必要最小限に入ってくるものがあるのではないかという考え方をしているものでございます。
1981年にいたしました政府答弁書の中で集団的自衛権は必要最小限の範囲を超えるので許されない、そこは閣議決定は変えませんと憲法解釈は変わらないといってもですね、やはりその閣議決定がございます以上はこの閣議決定を変えなければ一切駄目だということになります。
これから先、世間でよく間違って言われるような何でもかんでもやるということではございません。相当に厳格な、これは我が国の政策判断として、厳格な制約をかけているものでございます。
いつも申し上げますように、たとえばミサイルを撃破するとか、あるいは我が国の防衛のために公海の上で活動する米艦を防護するとかそういうものはすべて自衛隊法に根拠規定を置かなければ、何一つできるものではございません。その根拠規定を作るにあたって、基本的な考え方というものは定めておくべきではないかという判断のもとに、この安全保障基本法を作ったものでございます。

以上、経緯と内容の説明です。ありがとうございました。

 

○ 質 疑(略)
(参考資料)   国家安全保障基本法案(概要) 解説
26.4.21.

 

本基本法は、以下の各点を明確化し、日本国憲法と既存の自衛隊法や防衛省設置法などの防衛諸法制とを結ぶ位置づけとして構想。

  • 現憲法に規定のない安全保障にかかる基本方針について、従来の各方針をまとめる形で定める
  • 現憲法に規定のない自衛隊について、保有の目的と自衛権行使の態様を明示する
  • 外交努力、国際の平和と安定の確保について方針を定める
  • その他、我が国の総合力による安全保障のあり方を広く定義する

なお、憲法改正により、自衛隊(自衛軍)に関する規定が憲法に置かれるなど大幅な変更があった場合には、当然に本基本法も改定すべきものと思料。

 

第1条 (本法の目的)

 本法は、我が国の安全保障に関し、その政策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務と施策とを明らかにすることにより、安全保障政策を総合的に推進し、もって我が国の独立と平和を守り、国の安全を保ち、国際社会の平和と安定を図ることをその目的とする。

  •  法目的として「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保ち、国際社会の平和と安定を図ること」を明記し、我が国の安全保障政策全般に関する基本法としての性格を明示。
  •  安全保障政策の概念には「防衛政策」のみならず「外交政策」も含まれると考え、防衛省設置法・自衛隊法に定める任務に加えて、「国際社会の平和と安定を図ること」も目的とした。

 

第2条 (安全保障の目的、基本方針)

 安全保障の目的は、外部からの軍事的または非軍事的手段による直接または間接の侵害その他のあらゆる脅威に対し、防衛、外交、経済その他の諸施策を総合して、これを未然に防止しまたは排除することにより、自由と民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守り、国益を確保することにある。

2 前項の目的を達成するため、次に掲げる事項を基本方針とする。

  • 一 国際協調を図り、国際連合憲章の目的の達成のため、我が国として積極的に寄与すること。
  • 二 政府は、内政を安定させ、安全保障基盤の確立に努めること。
  • 三 政府は、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備するとともに、統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用に努めること。
  • 四 国際連合憲章に定められた自衛権の行使については、必要最小限度とすること。
  •  本来は、旧「国防の基本方針」を時代に合わせて改定し、単なる閣議決定に我が国の防衛の基本的指針を担わせることをやめ、法的拘束力を持つ効果的な指針とすることを意図したもの。
  •  昨年12月の「国家安全保障戦略」(NSS)の策定により、旧「国防の基本方針」は代替されたが、NSSと本条の内容とは摺合せされており、整合は取れているものと思料。

 

国防の基本方針(昭和32年5月20日閣議決定)

国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もつて民主主義を基調とするわが国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のとおり定める。

  • 一、国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。
  • 二、民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。
  • 三、国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。
  • 四、外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。

 

  • (1項)「国防の基本方針」に「直接および間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し」とあるところ、当時よりも脅威の種類や態様が広がっていることを考慮し、目的につき「軍事、非軍事、直接、間接を問わない侵害その他あらゆる脅威に対し、これを未然に防止しあるいは排除すること」と記述。
  • (1項)目的達成の手段は防衛(軍事)のみならず外交、経済その他幅広く及ぶものであるため、総合的な諸施策を講じることを規定。
  • 「世界平和の実現」「愛国心を高揚」については、情緒的にすぎるきらいがあることからこれを削除し、代わりにそれぞれ第11条(国際の平和と安定の確保)、第4条(国民の責務)として新たに具体的規定を置くこととした。
  • (2項3)防衛力整備について、防衛力の整備自体に「自衛のため必要な限度」という概念が必要とは思われないことから当該部分を削除し、「実効性の高い防衛力」の整備を定めるとともに、その運用につき柔軟性、即応性を規定。
  • 「国防の基本方針」に「米国との安全保障体制を基調として」とあるところ、我が国は今後、基本的に我が国の防衛を我が国自身で担うことを目標とすべきとの考え方から、基本法にはなじまないと判断し削除。
  • (2項4)我が国の自衛権行使の態様について、国連憲章に定められた権利の行使とパラレルにすることにより、憲法の平和主義の理念と集団的自衛権行使とを両立させるべく規定。

 

第3条 (国及び地方公共団体の責務)

 国は、第2条に定める基本方針に則り、安全保障に関する施策を総合的に策定し実施する責務を負う。

  • 2 国は、教育、科学技術、建設、運輸、通信その他内政の各分野において、安全保障上必要な配慮を払わなければならない。
  • 3 国は、我が国の平和と安全を確保する上で必要な秘密が適切に保護されるよう、法律上・制度上必要な措置を講ずる。
  • 4 地方公共団体は、国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、安全保障に関する施策に関し、必要な措置を実施する責務を負う。
  • 5 国及び地方公共団体は、本法の目的の達成のため、政治・経済及び社会の発展を図るべく、必要な内政の諸施策を講じなければならない。
  • 6 国及び地方公共団体は、広報活動を通じ、安全保障に関する国民の理解を深めるため、適切な施策を講じる。

 

  • 各種基本法と同様、国の総合的な施策の策定と実施の義務、地方公共団体の協力を定めたもの。
  • (1項)安全保障は国の専権事項との指摘を受け、本項では「地方公共団体」を削除。
  • (2項)「必要な配慮」は障害者基本法などにもある文言であり、内政全般に安全保障的観点を加味するよう求める趣旨。
  • (3項)昨年成立した特定秘密保護法を反映するもの。
  • (4項)武力攻撃事態法第5条と同様の規定。
  • 6 国及び地方公共団体は、広報活動を通じ、安全保障に関する国民の理解を深めるため、適切な施策を講じる。

 

武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

第五条 地方公共団体は、当該地方公共団体の地域並びに当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する。

 

第4条 (国民の責務)

 国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し、もって平和で安定した国際社会の実現に努めるものとする。

  • 海洋基本法等と同様の、国民の精神的努力規定。旧「国防の基本方針」の「愛国心を高揚し」を受けたもの。

 

第5条 (法制上の措置等)

 政府は、本法に定める施策を総合的に実施するために必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。

  • 政府に対して法的・財政的措置を義務化する規定。

 

第6条 (安全保障基本計画)

 政府は、安全保障に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国の安全保障に関する基本的な計画(以下「安全保障基本計画」という。)を定めなければならない。

2 安全保障基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

  • 一 我が国の安全保障に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
  • 二 前号に掲げるもののほか、安全保障に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、安全保障基本計画を公表しなければならない。

4 前項の規定は、安全保障基本計画の変更について準用する。

  • 本来は、従来の「防衛計画の大綱」(大綱)及び「中期防衛力整備計画」(中期防)を安保会議の責任において策定する「安全保障基本計画」に整理・統合するための規定であったが、昨年策定された国家安全保障戦略(NSS)がまさにこれに代わるものであるため、文言修正が必要。

 

第7条 (国会に対する報告)

 政府は、毎年国会に対し、我が国をとりまく安全保障環境の現状及び我が国が安全保障に関して講じた施策の概況、ならびに今後の防衛計画に関する報告を提出しなければならない。

  • 本来は、行政のみならず議会の適切な関与を担保し、文民統制をより有効に機能させる趣旨であったが、前条と同様、NSSが策定され、その国会に対する報告がなされ、さらにNSS自体にも国家安全保障会議(NSC)における定期的な評価・修正が規定されていることから、文言修正が必要。

 

第8条 (自衛隊)

 外部からの軍事的手段による直接または間接の侵害その他の脅威に対し我が国を防衛するため、陸上・海上・航空自衛隊を保有する。

  • 2 自衛隊は、国際の法規及び確立された国際慣例に則り、厳格な文民統制の下に行動する。
  • 3 自衛隊は、第一項に規定するもののほか、必要に応じ公共の秩序の維持に当たるとともに、同項の任務の遂行に支障を生じない限度において、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされる任務を行う。
  • 4 自衛隊に対する文民統制を確保するため、次の事項を定める。
  • 一 自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣、及び防衛大臣は国民から選ばれた文民とすること。
  • 二 自衛隊の予算・決算については常に国会の承認を必要とすること。
  • 三 その他自衛隊の行動等に対する国会の関与につき別に法律で定めること。

 

  • 憲法改正までの間、自衛隊を合憲とする憲法解釈の法的安定性を担保するため、防衛省設置法及び自衛隊法に定める自衛隊に関する基本的事項を明記。
  • (1項)自衛隊法第3条と同様の文言。但し自衛隊法には「直接侵略及び間接侵略」とあるところ、いわゆる「グレーゾーン」あるいはテロ攻撃などを想定し、「その他の脅威」を付加。
  • (2項)自衛隊法第88条において、防衛出動時の武力行使につき国際の法規及び慣例によるべきことを規定しているが、そもそも自衛隊は対外的には「軍」であり、その行動については平時より国際法・慣例に従うべきであることから本項を規定。また憲法第66条をはじめ、わが国においても文民統制は徹底されているところ、その明示的規定がなかったことから、本項において明記。
  • (3項)自衛隊法第3条においても、自衛隊の主たる任務とその他とは分けられていることから、その趣旨を生かし規定。
  • (4項1)2項における文民統制を敷衍する形で、自衛隊法第7条における総理の指揮監督権を「最高指揮官」として明記。防衛大臣も選挙を経た国民の代表たる国会議員が望ましいと考えたことから記述したが、既に国会議員でない防衛大臣が出たことを考えると修正が必要か。
  • (4項2、3)第7条と同趣旨。適切な議会の関与を定めるもの。

 

自衛隊法

第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。

  • 2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
  • 一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
  • 二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動
  • 3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。

第七条  内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。

第八十八条  第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊は、わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる。

  • 2  前項の武力行使に際しては、国際の法規及び慣例によるべき場合にあつてはこれを遵守し、かつ、事態に応じ合理的に必要と判断される限度を

    こえてはならないものとする。

 

日本国憲法

第六十六条  内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。

  • 2  内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
  • 3  内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

 

第9条 (国際の平和と安定の確保)

 政府は、国際社会の政治的・社会的安定及び経済的発展を図り、もって平和で安定した国際環境を確保するため、以下の施策を推進する。

  • 一 国際協調を図り、国際の平和及び安全の維持に係る国際社会の取組に我が国として主体的かつ積極的に寄与すること。
  • 二 締結した条約を誠実に遵守し、関連する国内法を整備し、地域及び世界の平和と安定のための信頼醸成に努めること。
  • 三 開発途上国の安定と発展を図るため、開発援助を推進すること。なおこの実施に当たっては、援助対象国の軍事支出、兵器拡散等の動向に十分配慮すること。
  • 四 国際社会の安定を保ちつつ、世界全体の核兵器を含む軍備の縮小に向け努力し、適切な軍備管理のため積極的に活動すること。
  • 五 我が国と諸国との安全保障対話、防衛協力・防衛交流等を積極的に推進すること。

 

  • 既にPKO法第1条、NSSにおいて、国連を中心とした国際平和、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保への積極的な寄与が規定されているところ、基本法としても第2条を敷衍する形でその理念を明記。
  • (1項3)ODAは我が国外交の大きな柱の一つであることから、開発援助についても明記。
  • 原案では本項に「非核三原則」に代わるものとして「核兵器は我が国として開発・生産・保有しないこと」との文言を入れていたが、党内議論の過程で「あえて入れるべきでない」との意見を踏まえ、削除した経緯あり。

 

国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律

第1条 この法律は、国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動及び国際的な選挙監視活動に対し適切かつ迅速な協力を行うため、国際平和協力業務実施計画及び国際平和協力業務実施要領の策定手続、国際平和協力隊の設置等について定めることにより、国際平和協力業務の実施体制を整備するとともに、これらの活動に対する物資協力のための措置等を講じ、もって我が国が国際連合を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与することを目的とする。

 

第10条 (国際連合憲章に定められた自衛権の行使)

 第2条第2項第4号の基本方針に基づき、我が国が自衛権を行使する場合には、以下の事項を遵守しなければならない。

  • 一 我が国、あるいは我が国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態であること。
  • 二 自衛権行使に当たって採った措置を、直ちに国際連合安全保障理事会に報告すること。
  • 三 この措置は、国際連合安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置が講じられたときに終了すること。
  • 四 一号に定める「我が国と密接な関係にある他国」に対する武力攻撃については、その国に対する攻撃が我が国に対する攻撃とみなしうるに足る関係性があること。
  • 五 一号に定める「我が国と密接な関係にある他国」に対する武力攻撃については、当該被害国から我が国の支援についての要請があること。
  • 六 自衛権行使は、我が国の安全を守るため必要やむを得ない限度とし、かつ当該武力攻撃との均衡を失しないこと。

2 前項の権利の行使は、国会の適切な関与等、厳格な文民統制のもとに行われなければならない。

  • 第2条、第8条において規定した自衛権行使の態様につき、あえて個別的と集団的とを分別せず包括的に規定した上で、その恣意的な運用を排すべく、国際法・慣例に従い正当性の担保されたものとなるよう要件を列記。
  • (1項1)違法な武力攻撃の存在
  • (1項2、3)国連憲章51条の規定による
  • (1項4)集団的自衛権を行使する前提としての当該被害国との関係性
  • (1項5)集団的自衛権を行使する前提としての当該被害国からの明確な支援要請
  • (1項6)自衛権行使の相当性、均衡性
  • 自衛隊は個別規定がなければ行動できない法体系となっているため、本条を受ける形でそれぞれの法律が必要。個別的自衛権に対応する自衛隊法第76条、武力攻撃事態法その他関連法は当然整備されているところ、集団的自衛権についても対応する自衛隊の行動規定(「集団自衛出動」〔仮称〕のようなイメージ)と武器使用権限規定、及び総括的な法規定(「集団自衛事態法」〔仮称〕のようなイメージ)が必要であり、その中において原則として事前の国会承認を必要とする旨を規定することとする。

 

国際連合憲章

第51条 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

 

自衛隊法

第七十六条  内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 (平成十五年法律第七十九号)第九条 の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。

2  内閣総理大臣は、出動の必要がなくなつたときは、直ちに、自衛隊の撤収を命じなければならない。

 

第11条 (国際連合憲章上定められた安全保障措置等への参加)

 我が国が国際連合憲章上定められ、又は国際連合安全保障理事会で決議された等の、各種の安全保障措置等に参加する場合には、以下の事項に留意しなければならない。

  • 一 当該安全保障措置等の目的が我が国の防衛、外交、経済その他の諸政策と合致すること。
  • 二 予め当該安全保障措置等の実施主体との十分な調整、派遣する国及び地域の情勢についての十分な情報収集等を行い、我が国が実施する措置の目的・任務を明確にすること。
  • 我が国が第1、2、9条に定めた理念に従って集団安全保障措置に参加する際の原則を規定。
  • 本条ではPKOのみならず、従来特措法で対処してきたコアリションによる活動、周辺事態も包含。
  • 近い将来、自民党「国際平和協力法案」(いわゆる一般法)が本条を受けた規定となることを予定。

 

第12条 (武器の輸出入等)

 国は、我が国及び国際社会の平和と安全を確保するとの観点から、防衛に資する産業基盤の保持及び育成につき配慮する。

2 武器及びその技術等の輸出入は、我が国及び国際社会の平和と安全を確保するとの目的に資するよう行われなければならない。特に武器及びその技術等の輸出に当たっては、国は、国際紛争等を助長することのないよう十分に配慮しなければならない。

  • 本来は、いわゆる「武器輸出三原則等」(佐藤内閣答弁及び三木内閣統一見解)を見直し、現代のわが国の安全保障にふさわしいものに変更するべく規定したもの。
  • 本年4月に「防衛装備移転三原則」がNSC決定及び閣議決定され、従来の「武器輸出三原則」が見直された。その内容は本条の趣旨と合致するものではあるが、文言修正については要検討。
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