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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会後)

平成28年3月14日(月) 17:35~17:47
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員会ですが、安倍総裁からは、党大会についての慰労の言葉がありました。それから、東日本大震災から5年目を迎えて改めて国民の声に謙虚に耳を傾けながら政策実行にまい進していきたい。政権交代時の熱い気持ちを思い出すきっかけとなった党大会となった。また、北海道5区補選と参議院選挙は自公と選挙のためなら安全保障さえないがしろにする民共との戦いであり、何としても勝ちたい。その決意を示す大会だった。それから、今週、国内外の著名人に集まってもらって「国際経済金融分析会合」を開く。中国経済の懸念から市場変動という状況のなか、サミットにおいてG7でどういうメッセージを発信できるか議長国としてリーダーシップを発揮し、政府・与党で経済運営に万全を期していきたいということでした。
高村副総裁からは、民主党と維新の党の合流について、党名が「民進党」となったが、「理念捨て 名前を捨てて 里帰り」という人にも「強いられて 嫌がるふりして 名前捨て」という人にもちょうどよい名前になったのではないかということでした。
私(谷垣幹事長)からは、予算委員会の集中審議についてお疲れ様でしたということと、精力的に審議を進めていただいているが、引き続きよろしくお願いしたい。予算関連法案や日切れ法案の処理も、年度末の厳しい日程だが、国対の方でよろしく対応願いたい。また、本日、大島衆議院議長と選挙制度改革について意見交換をしたが、大島衆議院議長から、各党の考え方は聴取したので、次の段階へ進むために、自民党の考え方を今週中に集約してほしいとのことであった。我々からは、アダムズ方式の問題点などを指摘させていただいたが、今週に平場の会議を開き、自民党の考え方をもう少し煮詰めていきたい。それから、昨日の党大会は、各位のご協力で3500名の参加者をいただいた。参院選必勝に向けて気合いを入れることができた大会となった。御礼申し上げたい。また、まずは現在行われている熊本知事選挙、そして4月の北海道5区補選で、しっかり勝利して参議院選挙に弾みをつけたいということを申しました。
佐藤国対委員長からは、本会議日程についてのご報告のほかに、TPP特別委員会は来週、設置できるようにしたいということでした。
吉田参議院国対委員長からは、予算委員会の日程についてお話がありました。
溝手参議院議員会長からは、だいぶ進んできたが予断を許さないのでしっかりやっていくということでした。
伊達参議院幹事長からは、党大会についてお疲れ様ということと、北海道5区補選の状況についてお話がありました。
茂木選対委員長からは、熊本県知事選挙の状況と、参議院選挙での自公での選挙協力について、現在、最終調整中であるということ、それから北海道5区補選の状況について、必勝に向けてギアチェンジをしていくということでした。
稲田政務調査会長からは、待機児童特命チームを設置した。月内に提言をまとめていきたいというお話でした。
細田幹事長代行からは、3月17日(木)に選挙制度改革問題統括本部・選挙制度調査会合同会議を開いてアダムズ方式について議論するということでした。

以上です。

質疑応答

question
NHKの瀧川です。「民進党」という名前について幹事長はどのように受け止められていますか。
answer
正直言って、台湾の政党とよく似た名前だなというのが第一の感じでありました。ただ私は、どういう名前をお付けになろうと、要するにどういうアイデンティティを持って、つまり日本の政治をどう引っ張っていく政党なのかということに一番関心がありまして、そのための名前だろうと思うのですね。私の見るところ、政権末期にばらばらになった民主党が、あのときばらばらになった方がもう一回大同団結をしようという色彩がかなり強い。それはそれで、今のような選挙制度の下では分からないわけではないのですが、あのときばらばらになった方が再度結集するというのは何なのか。それが「民進」という言葉で表現されているのかどうか。ここが一番問題だと思います。
question
NHKの瀧川です。自民党も野党時代、名前を変えるという議論があったと思いますが、結局変えなかった。そういうご経験からして、名前を変えるということについてどのようにお考えですか。
answer
これは、よその党の方に名前を変えるなというわけにもいきませんが、「自由民主党」というのは、我々からすると、他の方がどう思っておられるか知りませんが、いい名前ですから、「変えたいというのは、ではどう変えるのか」「『自由と民主』とか、そういう名前にするのか」と私はあのとき、変えようと言っている人に問いかけた。「自由と民主」という言葉をなくすのなら「なぜなくすのですか」「それに替わる理念は何なのですか」、そういうことを考えなければいけないでしょう。今まではいろいろな名前がありました。5人いるから「フロムファイブ」というような名前もありましたが、政党の名前の付け方は、やはりどういう理念でもって政治をやっていこうとしているのかというのがある程度浮かび上がってくる名前が望ましいと私は思います。もちろん名前だけで決まるわけではないのですね。だから今のような、ちょっと辛口の感想を持っているわけです。
question
毎日新聞の佐藤です。新党結成、党名変更による国民の期待感の増大の可能性などについて幹事長はどのようにお感じですか。
answer
もう今、申し上げたことで、これ以上、せっかく新しい名前を付けたときに批判がましいことを言うのはもうこのくらいで十二分ではないかと思っています。元々台湾の政党は民主進歩党なのです。今の日本の民進党が、何が理念だかよく分からないというか存じ上げませんが、やはり「なるほど、こういうことであの党が大同団結したのだな」と言えるような歩みを取ってほしいなと思っています。
question
朝日新聞の笹川です。元々は「立憲民主党」と「民進党」というのがあって、民主党内には「立憲民主党」という名前にすることで立憲主義を安倍政権はないがしろにしているのだというようなことを国民に訴えるという思いもあったようですが、世論調査でそれが支持されなかったということについて、立憲民主党という党名に国民の支持が集まらなかったことについて幹事長はどのようにお感じになっていますか。
answer
あまり言いたくありませんが、立憲民主党というと「板垣退助がつくったの?」「大隈重信がつくったの?」とか、そういうニュアンスを、皆さんはもっとお若いからそんなことお感じにならないかもしれませんが、私の世代からすると、「立憲何々党」というようなものは、自由民権運動から国会開設運動とか、決してそれが悪いと言っているわけではありません、日本の政治史において非常に大事なことだったのですが、一挙に100数十年前にさかのぼるような、これは私個人の感じですが、私はそういう感じはしておりました。
question
朝日新聞の笹川です。そうしますと国民の間で、民主党が批判するような、安倍政権は立憲主義をないがしろにしているのだというような認識が広がっているわけではないということですか。
answer
私はそんなことまで分からないのです。要するに、私の語感からすると、「立憲何々党」というのは少しそういう100数十年前の臭いがするなということだけで、それが今の国民がどう受け止めているかというところまでは、私はよく分かりません。
question
時事通信の越後です。新党名について役員会のなかで議論や意見はあったのでしょうか。
answer
高村副総裁がおっしゃったわけですが、その程度ですね。
question
日本経済新聞の田島です。本日の参議院予算委員会で、自民党の藤井基之参議院議員が待機児童問題について「保育所」と「保健所」を言い間違えました。これは、11日(金)に安倍総理が言い間違えたのと同じものですが、幹事長は昨日の党大会でも党内の気の弛みを指摘するなかで、このような言い間違えが出てくることについてどのようにお考えでしょうか。
answer
気の弛みがあってはいけませんが、言い間違えなんて私もしょっちゅうですよ。「保育所」と「保健所」、それは時々言い間違えること、私もあるのではないかと思います。私だけが高みに立って「けしからん」「弛んでいる」というつもりはありません。
question
NHKの瀧川です。選挙制度改革について、大島衆議院議長とのお話のなかでも問題点があるとご指摘になったと思います。平場では何か新たなアダムズ方式、あるいは修正アダムズ方式など、新たなものを考えるための議論なのでしょうか。
answer
ある程度問題点は議論しながら、それどう集約していくかは議論を聞きながら、ということになると思いますが、要するにアダムズ方式というのは2人区、3人区にはある程度配慮しなければならないという、ある意味では1人別枠方式と似たようなところがあるわけですね。そこから先、5人区などということになると、要するにそういう大きなところがどんどん大きくなっていくということに関してはあまりないのですね。そうすると、ある程度のところだけ配慮しているから全体の構造が歪んでくるという面はあるのだろうとは思います。ただ、それをどう評価するかはいろいろな議論があるのでしょうね。要するに、私の言いたいことは、選挙制度は完璧な制度というのは多分ないのだろうと思います。どの制度も取っても、こういう制度を取ればこういう問題が起きてくるねと。だから、完璧を求めたらいけないと思いますし、こういう制度を取ったらどうかという提案があったとき、やはり問題点を指摘することはある意味では簡単なのですね。しかし、ではその問題点を少しカバーするようなことは何なのかという議論をしないといけないと思います。