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記者会見

石破茂幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成26年1月24日(金)10:35~10:50
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

石破 茂幹事長

【石破茂幹事長発言】

今日から通常国会であり、国会に臨む姿勢について発言した。
「東京都知事選挙が、昨日から始まっている。わが党の姿勢は、先般の党大会で、総裁並びに私からお話した通りであるので、それに従って、所属議員、あるいは党として対応してまいりたい」
「先般、官房長官が、党本部にお出でになり、閣議決定するものの中で、党内審査を要するものということについて、官房長官にお話をし、官房長官も了解されたところである。今後、政府において、それに従って、党の審査を受けるもの、法案は当然であるが、その他にも、基本計画などがあり、それは政府において、混乱、齟齬のないように対応されることになる」

【逢沢一郎衆議院議運委員長発言】

結いの党の会派問題についての発言があった。

【脇雅史参議院幹事長発言】

「民主党からお詫びがあったので、常任委員長ポストは、それに免じてというべきか、お返しをすることになった」

【河村建夫選対委員長発言】

長崎県・東京都・山口県の知事選挙についての報告があった。

質疑応答

NHKの西井です。今日から通常国会ですが、与党として、この国会をどのような場にしたいか、お聞かせください。また。一番の課題、クリアしたい課題は何か、お聞かせください。

それは、総理が年末年始にかけて強調しておられるように、経済の好循環を実現するということが第一であります。そのためにも、25年度補正予算、26年度本予算の早期成立、そして、執行を期すということが、第一であります。その他、いろいろな案件があります。先般の国会から議論が続いている外交安全保障の関係、あるいは社会保障改革、あるいはTPPにどのように対応するか等々、課題は多くあります。先程のお話とも関連いたしますが、それがどういう法律案として出てくるか。先程の副幹事長会議でも議論になりましたが、やはり出る法案に、与党としても、わが党としても、責任を持たなければなりませんので、そこの順番をどうするのかということを、予算審議の間にきちんと整理をして、「予算が上がった、良かった、良かった」ということではなくて、法案審議の段階になれば、万全の体制で、それに臨むようにしていきたい。これは前の臨時国会の反省でもありますが、よく順番をつけていきながら、この長い国会で成果を上げたいというふうに思っております。

NHKの西井です。集団的自衛権の行使容認について、この通常国会中にやるべきだという声が、官邸の側からは上がっていますが、公明党は相変わらず慎重な姿勢です。これについて、幹事長のご所見をお聞かせください。
これは、安保法制懇でどのようなものが出てくるのかということが、今の時点ではっきりいたしておりません。そこは、わが党は、集団的自衛権行使容認だけを言っているわけではなくて、いろいろな事態に対応する、その都度、その都度、特措法で対応してきたわけでありますが、恒久法、一般法というものが必要だということも申しております。あるいは、領海、領域、世に言うマイナー自衛権というものですが、これも認めるべきだということを申しております。安保法制懇で出てくるものが、集団的自衛権だけとは、とても思えないのであり、そのようなものに対しても、安保法制懇の考え方が示されるということになろうかと思います。その中で、どういう順番をつけていくのかということは、政府与党で、よくお話をして、順番を間違えないようにしていかなければなりません。集団的自衛権のみが、安保法制懇の答申の成果物ではありませんので、その中で、例えば領域警備にいたしましても、あるいは、恒久法にいたしましても、いろいろな議論というものを内包しているものですので、それがあっさりと上がるというようなものだとは、関わってきた者の一人として、到底思えないのであります。ですから、安保法制懇で、どのような議論がなされ、いつの時期に、どのような内容のものが出てくるかということと密接に関連するものですので、今国会において、集団的自衛権について、一定の方向性が示されるかどうか、今の時点で確たることは申し上げにくいのです。
北海道新聞の森です。いわば9条の解釈、必要最小限度の戦力のところで、その憲法解釈と集団的自衛権の行使をめぐって、解釈の変更が必要かどうかについて閣議決定を伴うかについて、幹事長のご所見をお聞かせください。
それはわかりません。第一義的に内閣がお決めになることです。わが党の整理では、自衛権の行使は必要最小限度にとどまるべきことということが憲法解釈であるということがありまして、その中に、集団的自衛権が入ってくるということですから、解釈そのものは変わらないという立場を、わが党としてはとっております。「いやいや、そうではなくて、必要最小限度というものが解釈なのだが、集団的自衛権はそこに入らないということがセットで解釈なのだ」ということになれば、それは解釈変更ということになります。その点、当然、政府と与党の考え方がピタッと一致をしているということが、常に、常にあるわけではありませんので、そこをどうするかも詰めていかねばならない課題です。
北海道新聞の森です。集団的自衛権の行使をめぐって、党内で改めてもう一度、議論をやるということはあり得るのですか。
それは、政府がどう考えるかということであって、それが総理大臣なり、官房長官なりが発言したということで解釈が変わるというものもあれば、「いやいや、それは閣議決定を要するのだ」という考え方もあれば、「いやいや、それは法律というものにしなければいけないのだ」という考え方もあれば、それはいろいろな考え方があります。まず、政府としてどのように考えるか、その考え方が醸成される過程において、与党とも当然調整をしていかなければなりませんし、それはわが党だけではないと思っております。
朝日新聞の三輪です。先日、アカデメイアの講演の中でも、海上警備行動、治安出動から防衛出動までの間があまりにすき間が大き過ぎる、ここの間の法整備が必要だとおっしゃっていましたが、もう少し具体的に、自衛隊法の改正や別の法整備が必要なのか、幹事長のご所見をお聞かせください。

これは党内で国防部会を中心にきちんと詰めることですから、幹事長として、ここで断定的なことを申し上げるべきだとは思っておりません。ただ、海上警備行動にいたしましても、治安出動にいたしましても、それは政府として、これは警察権であるという整理をいたしております。ここは、私自身はそうかなと今までも思っているのですが、領空侵犯対処も警察権という位置付けになっております。そうしますと、警察権ですから、護衛艦が出ようが、戦車が走ろうが、それは、あくまで事象としてそういうものなのであって、本質は警察権である。そういうことになれば、当然、警察官職務執行法というものが適用されるものである。警察官職務執行法第7条但し書きにおいて、危害射撃の要件というのは極めて厳格になっております。正当防衛、緊急避難、あるいは凶悪なる罪ということで限定をされているわけであって、そうすると、それでなければ危害射撃はできませんというお話になれば、わが国の主権の中核たる領海や、あるいは領土というものがわが国よりも外の勢力によって脅かされた場合に、その法益侵害というものを排除するのに、十分なものなのだろうかというお話です。そうすると、警察権の次は防衛出動とボーンと飛ぶわけで、防衛出動の発動要件というものが急迫不正の武力攻撃ということになっておりますから、急迫する武力攻撃というものが加えられない限り防衛出動というものは下令されない。そうすると、急迫不正の武力攻撃によらざる対応によって、領海、領土というものが侵害された場合に警察権では対応ができません。しかし、それは、防衛出動の要件を満たしませんということになれば、そこの部分どうするのですかという、これは価値観を交えて申し上げているわけではなくて、そこの部分をどうしますかということに答えを出さなければいけないということです。

朝日新聞の三輪です。それは、方法としては、自衛隊法を改正すれば終わりだという話ではなく、いろいろと法整備が具体的に必要になってくるということでしょうか。

いや、これは、日本国憲法の問題なのかと言えば、「国際紛争を解決する手段としてはということになっているわけであって、これは従来、「国際紛争を解決する手段としては」というのはどういう意味かといえば、侵略戦争はしないが、自衛権の行使としての武力の行使はできる。「国際紛争を解決する手段としては」というのを不戦条約以来そういうものであるというふうに、これはもう確定した物事の考え方です。ですから、そこの部分で、憲法にどこか抵触をするとか、領域警備なる概念を立てた場合に、憲法に抵触する問題であるとは承知しておりません。

東京新聞の宮尾です。特定秘密保護法に対する国会の関与議論について、今、国会中に何らかの提案を出すお考えはあるのか、どのような方針かお聞かせください。

これは、去る臨時国会において、いくつかの党の間で、そのような方向性、すなわち、自民党、公明党、みんな、維新まで入って、各党の間でそういうことだという合意がなされております。そのことの意味は非常に大きいものだと思います。そして、院の派遣という形で、中谷元・議員を団長とするアメリカへの視察が行われ、口頭でのご報告はいただいておりますが、その報告というものがかなり精緻な形で出ると思います。そうしますと、予算が上がった段階で、さらに行政の恣意性というものを防ぐために、何らかの形の国会の関与というものが、法律という形になって出てくるということは十分考えられると思います。
ただ、これは、当然、立法府が介入するという形態のものですから、立法府において、どのようにするかを決することですので、党内において報告を受け、それを国会法という形になるのか、どういう形になるのか、その技術的な詰めというものはこれから行われるものです。