ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

稲田朋美 政務調査会長 記者会見

平成27年7月30日(木)15:45~
於:党本部記者会見場

冒頭発言

本日開催されました政調審議会の概要をご報告いたします。お手元の案件表の通り、3件を了承いたしました。
私からは以上です。
質問どうぞ。

質疑応答

読売新聞の福田です。先日、慰安婦問題を議論していた、「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」で、官邸に提言書を出されたということですが、その際のやりとりとか、あとは取りまとめができたことについて受け止めをお願いします。
この特命委員会は、朝日新聞の吉田証言が虚偽であった、ということを認められたことを受けて、慰安婦問題についていま世界で広められている、20万人の若い女性を強制連行して、性奴隷にして、殺害したという、まさしく犯罪国家などという、そういういわれなき非難に対しては断固と反論をする。そういう論点整理において、取りまとめでは、ひとつは、慰安婦制度自体は女性の人権や、尊厳に対する重大な侵害であるということを前提として、しかし、いわれのない非難に対しては断固反論しましょう。その上で、日本の今までの平和な歩みであったり、また、今後の日本が目指していく、民主的で、人権を尊重し、法の支配が貫徹された、道義を大切にする文化国家という将来像も含めて、提言をまとめました。
有識者のヒアリング等々を含めて、バランスというか、非常にしっかりとしたとりまとめになったと思います。慰安婦問題に関する年表もつけて、それから各国での決議ですとか、慰安婦碑の内容についてもきちんと書いていますので、そういう事実関係についての取りまとめにもなっていると思います。
総理の所にお持ちをして、総理も、「事実関係と違うことに関してはやはりきちんと反論すべきだ」と言及されました。クマラスワミ報告書はよく引用されていますけれども、その中にもう日本人の常識からは考えられない、首を切り落として茹でて食べるとか、針の中に転がすとか、そういう非常に荒唐無稽というような事実が書かれていることについて、総理も言及されていました。やはり、いわれなき非難、間違っていることについては、きちんと反論したうえで、日本がどんな国を目指すかという、未来志向の点が重要だということをお話しになっておられました。 その上で、この提言はやはり英文にもして、そして「発信の仕方は難しいですね」とよく言われるのですけれども、きちんと誤解がないように、それぞれの国会議員であったり、あと県議会議員も含めて、また報道に対しても含めて、世界でちゃんと発信していくことが、すごく重要だと思います。
読売新聞の福田です。慰安婦が終わった後も、GHQ政策についても議論を行う予定と伺っているのですけれども、議論の進捗状況を教えていただけますか。
まず、特命委員会の提言をまとめるということは、非常に重要だと思っています。あとGHQに関係なく、私は、いわゆる戦争に関わる東京裁判で認定された事実関係を、きちんと日本人自身が検証して、反省すべきことを反省して、将来に活かしていくことが、必ずしもできていないと思います。また、占領期間のことに関しても、きちんと総括をするための党としての機関というのは、作るべきだというふうに考えております。ただ、その構想ですとか、人選ですとか、時期ですとかについて具体的に考えているわけではありません。
北海道新聞の宮口です。この週末にも、TPPの交渉がまとまるのではないか、と言われているのですけれども、まとまった際に、今度の夏の参院選における影響とか、支持率への影響とか、その辺のお考えを教えてください。
ご承知の通り、野党時代に私も、TPPには反対の議連の幹事長をしておりましたが、何を守るのかということを党の中でまとめて、それが国会での決議にもなりました。そして、甘利大臣とフロマンさんとの間等々で、かなり大きな交渉が続けられていて、今大変な大詰めに来ております。特に農業県、わたくしの県も米どころですが、いろんな影響が考えられるわけです。けれども、その結果を踏まえて、きちんと対策を打つ、ということをやらなければならないというふうに思います。
日経新聞の高野です。政権の支持率について伺いたいのですけれども、各社世論調査では、やっぱり今質問にもありましたけれども、TPPであるとか、原発とか、他の課題もあるかと思いますが、どういうふうに向き合っていくのでしょうか。
TPPに関しても、それから原発に関しても、日本の経済政策、外交政策、農業政策、それからエネルギー政策と、非常に大きな課題です。平和安全法制もそうですけれども。しかし一方で、避けて通れない課題でもあるし、こうした課題を乗り越えることによって、それは日本の国益に資する部分もすごくあると思います。ピンチをチャンスに変えられるものもありますよね。TPPなどもそうですし。なので、そういうところを一つ一つ、きちんと真面目に、政治家がというか、政策を作成もし、皆さんに説明もし、きちんと対策も打つ。奇をてらったような対策じゃないですけれども、真面目に課題を解決していくっていうことに尽きるのかなと。そして、安倍政権になってから経済の指標はかなり良くなっております。さらに良くなっている指標を、地方の全国津々浦々の皆さん方が、きちんと実感できるようにしていくっていうところまで、政策を打ってというか、ちゃんと具体化していくっていうことが重要ですし、また、この良い時だからこそ、選挙には不利かも分かりませんけれども、社会保障改革にも取り組んでいくという、総合的にいくつも大きな課題を解決していく姿を、何度も説明していくことに尽きるのかなと思います。
NHKの田村です。先ほど会長がおっしゃったTPPへの対策についてですけれども、具体的に現時点でどういった対策が必要だとお考えか、ということと、あわせて予算という意味で、助成の必要性についてどうでしょうか。
まだTPPは妥結したわけではないので、今の段階でどういう対策ということは具体的には言えませんけれども、妥結をして、そしてそれに対する対策は今でも農林部会等でもいろいろと考えております。また必要であれば、その農水産品の事情が変化したということであれば、補正予算を考えることを含めて、いずれにしてもやはり妥結した後だと思います。
フジテレビの和田です。私、初めて自民党で担当させていただいた政調会長は確か藤尾正行さんの頃で、伊東正義先生という時代になったのですが、それからおそらく25,6人の政調会長、実力者とみられる方、それと森さん、麻生さん、橋本龍太郎さんあたりは総理になられて、まさに大役だと思っているのですが。そういう中で、ひと月またいで9月になりますと、新総裁が決まって、おそらく党の人事も、あるいは閣僚の人事も、という流れになっていくのだと思います。そうした中、政調会長を相手に生意気な話で恐縮ですが、岩盤規制といわれていた農業改革もまとめられて、骨太の時も細腕どころか剛腕をかなり発揮されていましたし、正直なところ、政調会長は「はまり役」だと私自身は感じているのですが、政調会長ご自身はどうお考えになっているかというのが一点。もう一つ、継続案件ではなく、これから政調会長として新しい案件としては何を最重要課題として進めていきたいのか、この二点を。
「はまり役」と、いいことをおっしゃっていただいたのですけれども、そう思っていない方もたくさんいると思います。政調会長はもっといろんな調整をすべきで、そんな自分の言いたいこと、やりたいことをどんどん勝手にやっているという批判をされている方も、多分いらっしゃると思いますので、賛否両論なんじゃないでしょうか。
フジテレビの和田です。前の大臣職と政調会長職は、比較というとおかしいのですが、どういう違いがあるのでしょうか。
大臣の時は、かなり一言一言制約があるというか、非常に気を遣って発言をしないといけません、やはり内閣の政策は。むしろ、ちょっと党に戻ってきたほうが自由に発言できるな、というふうに思います。あと、今おっしゃったように、何に取り組みたいかということでは、政調の中での組織を作るということが、皆さんに相談してですけれども、できます。そういうのが、やりがいがあると思っています。
何に取り組みたいかということに関しては、(政調会長に)なってからも「規制改革推進委員会」であったり、「経済好循環実現委員会」、それから「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」、「財政再建に関する特命委員会」というふうに、今の目下の課題に対応する形で、委員会なども作ってきました。あと、苦労してまとめていただいた「経済好循環の実現に向けて~『横串と団子』~」の中では、例えば外国人労働者の問題についても議論するということを提言しています。そういった提言に合わせた形で、きちんと政調の中で、議論ができていく体制を作る必要があるというふうに思います。
例えば内閣人事局。大臣時代に内閣人事局を作って、初めて機構・定員という、霞が関全体の人材の戦略を練る場ができて、機構・定員の計画も今年2年目になったのですけれども、そういった全体的な、そういう人材戦略を、党の中でも縦割りではなくて、議論をすることが必要なんじゃないかな、と思っています。
フジテレビの和田です。それはどこの場でやるということですか。
今はちょっとそういう場はないですね。だから、そういう全体を向いた形の人材戦略っていうのも、党側でもバックアップしていくことが必要なんじゃないかと思っています。今後、ということですね。
京都新聞の相見と申します。話題が変わって恐縮なのですけれども、会長が座長を務めておられる与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの、敦賀以西の委員会のメンバーのことに関してなのですけれども。高木毅委員長が、当初思っていたメンバーの案よりも、滋賀の議員とかも入れまして、メンバーを決めたということをおっしゃっているんですが。今、具体的に8月上旬とおっしゃっているんですが。このことを、座長は報告を受けられているのかということと、了承されたのかどうかということをお願いします。
メンバーの件に関しては、敦賀以西については整備計画において、敦賀以西小浜付近を通って大阪に至る、ということが計画の中で決まっております。そういう意味から、当初、高木委員長がその沿線の議員で議論すべきだ、ということをおっしゃっておられました。しかし、ご承知の通りその後、様々な敦賀以西についての議論もありますし、多くの立場の人の意見を聞いて、公正に議論を進めていくというのがすごく重要だと思います。こういう国家的な非常に財源のかかるプロジェクトですから。そういうことで、高木委員長ともお話をして、滋賀のメンバーも入れていただくことにもなりましたし、時期的なことについては8月の上旬ということで、ご相談をして決めました。
京都新聞の相見です。最終的には高木委員長から報告があって、案については了承されたということですか。
はい、そうです。ご報告というか、一緒に決めました、相談をして。
時事通信の栗原です。礒崎陽輔総理補佐官が、法的安定性は関係ないという発言について、自民党内からも懸念するような声も出ているのですが、これについて政調会長のお考えをお願いします。
私もその講演を聞いていないので、報道で出されていることしか前提にはしていないのですけれども、法的な安定性は必要です。当然ですよね。法的安定性、特に憲法に関する分野において、法的安定性は必要だと私は認識をしております。その上で、礒崎補佐官がおっしゃりたかったのは、やはりその必要性であるとか、国民の生命、それから平和を守るために、それ以外の法整備で足らざる部分を、どうやって埋めていくかということを、政治家は考えるべきだということをおっしゃりたかったのだと思います。
NHKの田村です。関連して、補佐官の発言をめぐって来週以降の、参議院・我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の日程が、なかなか決まらない状況になっています。こういう発言が出て、大事な法案の審議に影響が出ていることについてどう思われますか。
この法案は非常に重要な法案ですよね。そして衆議院においてもかなり議論をしてきました。参議院では、必要性であったり、なぜ今の法整備で難しいのか。そして民主党も、例えば政策責任者の細野さんなんかは、今の個別的自衛権でカバーできない部分もあって、それは周辺事態法の改正でやるんだということをおっしゃっているんですね。維新は対案を出しています。きちんと対案を出していただいて、どんな場合における、日本の平和の守り方ということを、議論をすべきだと思います。
産経新聞の清宮です。関連して、野党側は特別委員会で礒崎補佐官を参考人招致すべきだ、ということをおっしゃっているのですけれども、会長ご自身のお考えとしては、どのように説明責任を果たすべきだと思われますか。
法的安定性に関する説明は、きちんと果たすべきだと思いますが、どの場でということは、私からはコメントは控えます。