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国会

第201会国会における野上浩太郎幹事長代行代表質問

2020年1月24日

野上浩太郎幹事長

自由民主党の野上 浩太郎です。
私は、自由民主党・国民の声を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説について質問いたします。
今から13世紀ほど前、天平18年、大伴家持が国守として越中・富山の地に赴任しました。そして、美しい自然のなかで家持は数多くの優れた歌を詠み、万葉集に残しました。
元号「令和」は、この日本最古の歌集である「万葉集」から引用されたものです。新元号の発表は、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書「万葉集」の素晴らしさを再認識する機会ともなりました。
「令和」という元号には、「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい」という願いが込められています。
「この新しい時代の入り口に立ち、我々参議院自民党は、国民一人一人が感じている漠然とした不安や懸念を拾い上げ、寄り添い、向き合っていく。」
この決意の下、昨年10月から「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」を立ち上げて、まずは地域の医師不足、独居高齢者・孤独死、地域の消滅・崩壊という3つの不安を中心に、有識者や現場の第一線で努力しておられる方々の話を伺ってきました。
「自分の身の回りに医者がいない。」「このまま一人で生きていかざるをえなくなるのではないか。」「住み慣れた地域で生活できなくなるのではないか。」
ヒアリングや現場の視察を通じて、厳しい状況に対して懸命に取り組む方々の姿を目の当たりにし、大きな勇気を頂いた反面、漠然とした、しかし深く広がる不安の声が中央の政策中枢、特に中央省庁の政策立案・執行に伝わりづらくなっているのではないかとも感じました。
昨年末、政府が取りまとめた全世代型社会保障改革の中間報告では、この問題意識が取り上げられ、更に世論調査等を通じて、国民の持つ不安の実態把握に努めるとされています。我々の思いをしっかりと受け止めていただいたところであります。
その上で、政治が自らの姿勢で主導し、行政がその組織の力をフルに生かして現場に赴き、不安を抱える人の声に耳を傾け、新たな政策づくりの礎とするといった地道で真摯な姿勢こそが今、最も求められていると考えています。それはすなわち、政治の原点でもあります。
「全ての政策に、地域の声を」
この信念の下、所属全議員の力を結集して、地元の山奥に分け入り、津々浦々に足を運び、不安の声を自分自身の目や耳で集め続けてまいります。同時に、政府においても地方や現場の不安の声が政策に十分に反映される仕組みの再構築が必要だと考えています。この点について、安倍総理のご見解をお尋ねしたいと思います。

次に、まず、危機管理に関する質問として、新型肺炎について伺います。
中国武漢で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が増加し、死者も出ています。人から人への感染も確認されています。新型肺炎の感染拡大を防ぐために政府を挙げて万全を期すべきですが、総理の方針をお聞かせください。

さて、本年は、待ちに待ったオリンピック・パラリンピックイヤーです。全国各地で育ち、力をつけてきた日本代表選手が大活躍し、昨年のラグビーワールドカップ同様、それぞれの地方に元気と勇気、そして誇りを与えてくれるものと期待しています。例えば、バスケットボールの八村塁選手や馬場雄大選手を通じて、彼らの出身地である富山県も内外のマスコミ等での報道で注目を浴びることが多くなりました。
世界中からたくさんの選手、観光客がやってきます。今年の訪日外国人客数の目標は4千万人。これだけの方々が、わが国の魅力や地方の文化、景観、食材などを直接、目にし、味わい、素晴らしさを世界に発信します。地方創生にとって絶好のチャンスです。
このような視点を持って、「日本の美」総合プロジェクト懇談会の座長、津川雅彦さんから構想を頂いた「日本博」。
「世界の関心が集まる東京オリンピック・パラリンピック、2020年に全国各地で日本の美を体感できる日本博を是非開催したい。」と津川さんは繰り返し、熱くおっしゃっておられました。
総理は、この構想を受け、推進会議議長として具体化に邁進され、私も補佐役として取り組みを進めました。外国人観光客の拡大等も見据えて、日本の文化芸術の振興を図り、多様かつ普遍的な魅力を発信する史上最大規模のプロジェクト、「日本博」を通じて、日本各地の文化の素晴らしさを再認識し、世界に発信することにより地方創生に大きな効果がもたらされます。
先般、津川さんと親交が深かった黒柳徹子さんが広報大使に任命されましたが、政府には、これまで以上に「日本博」の広報戦略に力を入れていただきたいと思います。
また、オリンピック・パラリンピックに参加する国や地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る「ホストタウン」もどんどん盛り上がってきています。昨年末で登録している自治体数は500に迫る勢いです。選手や関係者との交流を通じて、2020年を越えた末永いつながりを固める絶好の機会となります。
そこで、日本博やホストタウンなど、オリンピック・パラリンピックの開催が、外国人観光客の増加と地方への来訪といった観光の拡大を通じて、地方創生の力強いエンジンとなるような取組みを一層、強力に進めていくべきと考えています。この点についての総理のご所見はいかがでしょうか、お聞かせください。

オリンピック・パラリンピックの開催に関連してもう一点伺います。
これまでも、選手村で提供される食事等について、農業生産の環境的、経済的及び社会的な持続性に向けた取組みやその基準である「農業生産工程管理」・GAP認証に向けた対応が進められてきました。大会に十分に供給できる出荷量が確保される見通しです。
復興五輪という観点からも、被災地の安全でおいしい多くの食材が使われることで、農林水産品への風評被害払拭に向けた大きなメッセージになります。
同時に、わが国を訪れる選手やお客様に向けた日本の農林水産物を如何に売り込んでいくか、という戦略的な実行が大切です。一昨年12月にはTPP、昨年2月から日EU・EPA、そして本年1月1日から日米貿易協定が発効し、わが国の農林水産品輸出の環境は大きく改善されています。
そこで、このチャンスを最大限に生かして、復興五輪という位置付けの下、風評被害の払拭とともに、日本の農林水産物や食品の輸出、更には和食文化の素晴らしさについての発信をどのように進めていくのか、その方針を総理に伺います。

デジタル革新やイノベーションが最大限に活用される第5の新たな社会、ソサエティ5.0では、地域が直面する課題や不安の解消に資するという期待がありますが、この前提となる技術の基盤の一つが5Gです。
しかし、米国や中国などでは、すでに5Gの商用サービスが開始され、日本は大きく後塵を拝しており、安全保障上の観点からも、また、わが国の国際競争力の確保の上からも深刻な問題です。5G基地局やローカル5Gの整備、5G対応の関連機器開発といった5G情報通信インフラの構築や技術強化を急がなければなりません。
また、5Gを活用したサービスをどのように普及、展開させていくかという視点も重要です。オンライン診療や遠隔医療、独居老人の状況を遠隔で把握し、必要な介護を迅速に提供するサービス、公共交通機関の利便性に不安を抱える地域での自動運転、加えて、生徒一人に一台のIT端末を揃えることにより、どこでも能力に応じた遠隔授業なども可能となります。またローカル5Gにより、スマート農業やスマートファクトリー、建設機械の遠隔操作やドローンを使ったインフラ管理など様々な分野で今、地域で直面している人手不足や高齢化などの課題が解決される可能性が高まります。5Gのサービス開始時期では海外に先行されましたが、5Gを活用する段階では、競争力のある新たなサービスや産業の強化で日本の強みを発揮できる可能性があります。
そこで、5Gにおいて世界に後れを取っている要因をどのように分析し、5G情報通信インフラの構築や技術強化の巻き返しを図るのか。更には5Gのその先にあるポスト5Gに向けた開発競争への対応を進めていくお考えでしょうか。併せて、地域課題の解消や産業用途への5G活用の先導的な事業を集中的、重点的に行い、成果を幅広く横展開させる取組みなどを通じた5Gの活用の拡大をどのように加速させるべきとお考えでしょうか。総理のご見解を伺います。

さて、本年4月から中小企業にも残業時間の罰則付き上限規制が、来年4月からは同一労働同一賃金の原則が適用されます。いよいよ中小企業においても働き方改革が本格的に始動します。人手不足が厳しい状況の中で、働き方改革を根付かせるためにも、生産性向上を含めた様々な課題を解決していかなければなりません。
そこで、私は官房副長官在任中、中小企業・小規模事業者の活力向上のための施策について官邸で関係省庁を横断的に取りまとめる会議を主催し、取引条件の改善、最低賃金引き上げへの対応、生産性向上、長時間労働の是正、人手不足等、中小企業・小規模事業者が抱える諸課題の実態の把握と対応策の検討を進めてきました。また、大企業の残業削減のしわ寄せが、下請け企業の長時間労働につながっているという指摘等を受けて、大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者へのしわ寄せ防止のための総合対策が策定されました。今回、国会に提出された補正予算案では、中小企業の生産性を継続的に支援するために複数年で使える中小企業生産性革命推進事業を進めることとなっています。
環境の変化が本年4月に迫り、まさに、これからが本番となります。中小企業経営者が不安を感じることなく、生産性向上などに前向きに取り組むことができるよう、関係各省においては、足を現地に運び、各地の事情をしっかりとつかんで、中小企業・小規模事業者の皆様の声に真正面から応えるかたちで、各省一体となって引き続き全力で対応していくことが不可欠と考えますが、総理のご見解をお聞かせください。

一昨年の西日本豪雨等を踏まえ、政府においては、平成30年度からの約3年間で概ね事業規模7兆円を目途とする「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を取りまとめ、政府・与党は一体となって、強力に推進し、成果を上げてきました。しかし、地球温暖化に伴う気候変動の影響等により、自然災害は、過去に例を見ない強さやパターンでわが国を襲い、被害の規模は拡大しています。
自然災害の脅威が新たな段階に入ってきた今、治山・治水対策による災害リスクの軽減、道路や送電線・給水管・通信網等ライフライン確保のために、抜本的な防災・減災対策を更に強力に進めていく必要があります。
これに加え、昨年夏に公表された、国土交通省や地方自治体等によるインフラ老朽化点検では、全国では橋梁約6万9000か所、トンネル約4400か所など計8万か所近くが、5年以内の修繕が必要と判定されており、この対策も待ったなしです。
激甚化、頻発化する自然災害から、国民の命と生活を守り、誰もが安心して暮らすことができる故郷を創り上げる。この決意の下、「3か年緊急対策」が終了する令和3年度以降も、中長期的な視点を持って対策をしっかりと進めていくことが不可欠です。また、民間企業も、中長期的な見通しがあって初めて、人材を雇用し、生産性向上等のために設備投資計画を実施することが出来ます。
そこで、新たな自然災害の脅威に備えるため、治水・治山や水道・電力・通信などのライフライン確保、インフラ老朽化対策などを含めた抜本的かつ総合的な対策として、複数年度にわたり集中的かつ安定的な財政措置を盛り込んだ中長期的な投資財政計画を策定する必要があると考えますが、総理のご見解をお聞かせください。

昨年10月、台風19号により千曲川の堤防が決壊し、新幹線車両センターが浸水しました。120両の新幹線車両が水没し、すべて廃車となり、大きな損害となりました。
不通となった北陸新幹線で直通運転が再開されるには2週間弱の時間を要し、北陸や信州の観光や産業・経済活動は大きな影響を受けました。航空会社は臨時便や機材の大型化で対応しましたが、新幹線の輸送力をカバーするには限界があります。北陸新幹線が関西まで全線開業していれば代替交通路が確保でき、これほど大きな影響をもたらすことはありませんでした。
自然災害が激甚化、頻発化する傾向にある中、北陸新幹線をはじめとして全国の整備新幹線についてリダンダンシー・多重化の視点を持って、早期に整備を進めていくべきと考えます。この点について、総理のご見解をお聞かせください。

保護主義が台頭し、対立が強調される世界の状況において、日本が主導し、粘り強く一致点を見いだしていく外交。そのベースにあるのは、総理が個性豊かな各国首脳と強い信頼関係を築いていることにあると、官房副長官として身近に見ていたからこそ断言できます。
G20大阪サミットで非常に印象的なシーンがあります。首脳宣言の取りまとめで、気候変動の問題で各国間の対立が埋まらず、事務方が徹夜で調整しても進展しなかったという状況になりました。焦りとあきらめが会議場に漂う中、安倍総理はトランプ米国大統領の隣の席に行ってサシで話し込むなど、各国首脳を回って調整し、ようやく取りまとめることができました。どの首脳とも本音で話ができる安倍総理ならではの場面であると思います。
中東情勢においても、この外交力が発揮されることが期待されています。昨年6月には、安倍総理は福田赳夫総理以来41年ぶりにイランを訪問し、ハメネイ最高指導者、ローハニ大統領と会談しました。友好的な雰囲気の中にも緊張感を感じる会談でしたが、ハメネイ最高指導者からは「核兵器を製造も、保有も、使用もしない、その意図はない、するべきではない」、ローハニ大統領からは「緊張緩和に向けた日本の取組みを歓迎するとともに、イランとしても紛争は望んでいない」との発言があり、昨年12月にはローハニ大統領が訪日し、相互訪問が実現しました。
その後、年を越え、米国とイランの間は更に緊張感が高まっており、予断を許しませんが、日本は、この両国とも強い友好関係を持ち、信頼関係を深めてきた数少ない国です。また、日本関係船舶の安全確保に不可欠な情報収集のための中東地域への海上自衛隊の派遣は極めて重要です。
今回の総理の中東訪問は、この派遣への理解や支援表明を得、また、まさに緊張感高まる中、情勢の安定化に向けた連携を確認した、時宜を得たものであったと考えています。
そこで、今回の中東訪問の成果も踏まえて、わが国は、どのような形で、米国とイランの関係改善、ひいては中東情勢の安定に向けて努力していくべきとお考えでしょうか、総理にお伺いします。

もう一問、外交に関して伺います。
安倍総理はこれまでプーチン・ロシア大統領と27回の会談を重ね、このうち私も三年強の間、14回開催された日露首脳会談全てに同席致しました。
平成28年12月、山口県長門市で開催された日露首脳会談において、両首脳の深い信頼関係の下、平和条約問題を解決するという真摯な決意の表明とともに、北方四島において共同経済活動を行うための特別な制度に関する協議の開始に合意し、未来志向の「新しいアプローチ」が示されました。
そして、平成30年11月、シンガポールにおいて、両首脳は1956年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意し、精力的に交渉が行われています。
総理が提案した、医療や都市開発などの8項目の協力プランはプーチン大統領が進める12の国家プロジェクトのソリューションとして互いに結びつき、進化しています。すでに、200を超える民間のプロジェクトも生み出されました。
平成30年からは日露交流年、今年からは日露地域交流年です。近年、日露間ではビザが緩和されてきており、両国間の来訪客も増加傾向にあります。
北方四島での共同経済活動では、昨年10月に観光パイロットツアーが実施され、日本人観光客の方々が、初めて北方四島を訪問致しました。雄大な自然を持つ四島だけに観光の可能性が大きいことが確認されています。
ご高齢になられている元島民の方々のための人道措置についても3年連続での航空機による墓参が実現しました。
確実に幅広い分野で成果が積み重ねられ、未来志向の両国関係は深まっています。
このような状況を踏まえれば、引き続き、長門会談、シンガポール会談で示された方向性を原点として、そして静かな環境の中で平和条約交渉を進めていくことが、重要であると考えます。
また、ロシアでは、憲法改正に向けた動きや内閣総辞職を受けたミシュスチン新首相の就任といった内政上の大きな動きもあるようですが、いずれにせよ、対露関係を進展させていくことは、地域の安定と繁栄にとっても極めて重要です。
これらの情勢の中、今後、総理は、日露平和条約交渉を含む対露関係をどのような方針で進めていくつもりでしょうか、お聞かせください。

昨年夏の参議院選挙の投票率は48・80%、参院選としては2番目に低い数字になりました。特に、投票率低下が顕著なのは、自らの県から参議院選挙区選出議員を選ぶことができない、いわゆる二県合区対象県でした。
最も投票率が低かったのは徳島・高知選挙区の徳島県で40%を下回り、高知県も全国で34位という低い投票率でした。島根県、鳥取県の投票率も合区導入前はそれぞれ全国1位、全国3位でしたが、合区導入後はともに順位を下げています。
徳島県の無効票の中には『合区反対』などと書かれた票が投じられたとの報道もあります。
全国知事会など地方六団体は合区解消に向けた意見書を出しています。特に全国知事会は憲法改正による合区解消を訴えています。
新聞社説も、「合区対象県で『地方の声が国政に届きにくくなった』と不満が強いのは理解できる」といった論調が多くなっています。世論調査でも合区を解消すべきという声が多いという結果が出ています。
「政治的な意思の集約機能を長年にわたって担い、経済的、社会的、文化的にも一体的な広域地方自治体である都道府県という単位を、参議院選挙区選挙において崩していくべきではない。」という声が広がってきているのだと考えています。
そこで、人口比例原則のみが追求されることで、地方の切実な声が直接、国政に届きにくくなるという問題が明らかになっている今、これまで国民の間で馴染んできた都道府県の意義や役割を踏まえた上で、東京への一極集中と地方の人口減少に歯止めをかけるために、「それぞれが花を大きく咲かせることができる日本でありたい」という願いが込められた令和の時代に相応しい国のかたち、地方のあり方はどうあるべきとお考えでしょうか。総理のご所見をお聞かせください。

今、我々、自民党は、憲法改正の条文イメージとして、この観点を踏まえた合区解消・地方公共団体、自衛隊の明記、緊急事態対応、教育充実、の四項目を示しています。各会派、各議員の考えは様々でありますが、最終的に憲法改正をするかしないかを決める国民の皆様に対して、案を示す責任を持つのは国会だけであります。その責任を果たすよう、それぞれの考えを持ち寄って、憲法審査会で十分な議論を行っていきたいと考えています。
そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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