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国会

第200回臨時国会における石井準一参議院自民党幹事長代理代表質問

2019年10月9日

石井準一参議院自民党幹事長

自由民主党の石井準一です。
私は、自由民主党・国民の声を代表して、安倍総理大臣の所信表明演説について質問いたします。

令和最初の所信表明演説です。急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢といった課題に立ち向かい、新しい令和の時代の日本を創り上げる覚悟をどのように政策として実現していくのか。熟議の参議院らしく、政策についての審議を、より謙虚に、より丁寧に進めながら、しかし決めるときにはしっかり決める政治を進めていかなければならないと身が引き締まる思いです。
「令和」を手話で伝えるときには、指先を上に向けて5本の指をすぼめた片手を、胸の脇に出し、前に動かしながら指先を緩やかに開く動きになります。出典となった万葉集の歌が花の美しさをたたえていることを踏まえ、指先をゆっくりと開く動きには春先につぼみが開いて花が咲く様子を、その手を前に押し出す動きには「未来へ進んでいく」という意味を込めたとのことです。
令和に生きる私たちはその意味をしっかりとかみしめながら、わが国が進むべき未来のかたちを明らかにした上で、将来にわたり、国家・国民の繁栄、命と安全・安心な暮らしを守りつづけるために、日々議論を重ね、政策を実行していかなければなりません。

本年8月の豪雨、そして相次いでわが国を襲った台風は、各地に大きな被害と混乱をもたらしました。犠牲となられた方々に深い哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
関東地方では本年9月、直撃した台風15号により、大きな被害と混乱がもたらされました。千葉県では、過去に例を見ないほどの強風により屋根に被害を受けたケースが多発しました。しかも台風通過後も、再び激しい雨に見舞われてしまい、損害が家屋全体に及ぶ結果となってしまったり、応急措置も十分ではない状態で再度、台風襲来を受け、屋根を覆ったブルーシートが飛ばされたりするなどたいへん厳しい状況が続きました。被災された皆様方の心情は察するに余りあります。
現地での被害の実態をこの目で直に見ることで、被災された方々がいかに困窮しているかを実感し、一日も早く皆様方の生活を原状復帰させるべきだと政府に強く要請させていただきました。
同時に、現地の状況を見ると、風向きや地形、集落形態などの違いにより、被害状況が異なっていることがわかります。これまで想定していた風の強さや向きなどに備えるだけでは、これからの災害に対応できるとは限りません。被害状況などを迅速に分析し、再び被害を受けないような復旧・復興、さらには事前に災害に備えた補強や改修など先回りした防災対応が必要です。
このような視点を持って、政府においては県と連携して、被災した皆様方に寄り添った復旧・復興支援を講ずるべきだと考えますが、安倍総理の見解をお伺いします。

次に、初動体制について伺います。災害発生時や復旧・復興時、厳しい状況に直面している住民の皆様方になによりも安心を与えるのは、国や地方自治体の迅速な対応です。それゆえに、常に講じられた初動体制を振り返り、万全を期していくべきです。国と地方自治体、県と市町村の間で情報共有は十分かつ迅速に行われていたのか、県や市町村が互いに連携しながら初動体制を構築できていたのか、激甚災害の指定や生活再建のための支援措置はルールが明確化され被災者に寄り添ったものとなっていたのかなど、今回の一連の対応を踏まえて、初動対応の見直しや徹底、法律やルールの更なる明確化などが必要ではないかと、痛感しています。今回の初動対応についての見解と、これを今後にどのように活かしていくのか、総理に伺います。

今回の台風15号では強風による住宅の屋根や農業用ハウス等の被災に加え、千葉県では大規模かつ長期間にわたる停電が発生し、猛暑が続く中で被災者に追い打ちを掛けました。農作物も停電により出荷ができなくなり、農家の皆様方はもちろん消費者の皆様にも大きな影響がでました。電力会社による被害の状況把握も時間がかかり、復旧見込みが何度も後ろ倒しになるなど混乱を招きました。
大規模な停電、情報通信網の不通、さらには復旧見通しの誤算により、行政機関の間でも被害状況の共有や支援体制をどの程度まで拡大すればよいのかという判断などに時間を要しました。停電に見舞われた住民には、災害情報や避難情報がなかなか伝わらなかったことも判明しました。電気が止まるということは、情報が途絶えるということ、このことが二次災害、被害の拡大を生み、場合によっては生命の危機にもつながります。
昨年、関西を襲った平成30年台風21号による停電、そして北海道胆振東部地震で発生したブラックアウトもあり、災害により電力が失われる事態を想定した初動対応を万全にしておく必要があります。今回の停電の背景には、風速が想定を上回ったという事情があるのは確かですが、電力会社による送電施設の維持管理が後回しになり、災害に対して脆弱になっていたのではないかという声があります。また、電線地中化の遅れもあって、電柱の倒壊が相次ぎ、停電の長期化につながりました。送電施設の復旧に携わる技術職員や協力企業は足りていたのか、病院など速やかな電力復旧が必要な施設への電源車の配備計画は十分だったのか、など様々な問題が明らかになっています。
今回の台風被害や対応等を検証した上で、災害に強い送電網を維持するとともに、停電の長期化を防ぐ仕組み作りも極めて重要であると考えます。今後、同様の事態を招かないためにも、どのように対応していく考えなのか、菅原経済産業大臣に伺います。

停電が長期化したもう一つの原因といわれているのは、おびただしい数の倒木の発生です。倒壊した鉄塔や電信柱を復旧させようにも、倒木をどけなければ、現場に到達できない。倒木に切れたり、たるんでしまったりした架線がぶらさがっている。しかも電柱を復旧しようにも、周りの民有地の木が倒れ寄りかかっていれば権利関係の問題も想定しなければなりません。このような事態を避けるためにも、自治体と協力して倒木のおそれのある木を事前に伐採する作業を進めたり、災害時の復旧作業のために県が木の伐採と倒木の除去ができるように自治体と協定を結んでおくことが必要であります。それに加えて、土地そのものの所有者が不明なため、事前防災が妨げられ、災害時の倒木の撤去に時間を要することへの対策も必要となってきています。
併せて、倒木自体が多数発生した理由についても着目すべきです。千葉県での倒木では、「溝腐病」という病気で幹の真ん中が溝状に枯れていたこと、さらに間伐が行われていなかったため、木が密集し、風の影響を受けたことなどの要因が重なったのではないかという指摘があります。
適切な森林管理がなされていなければ、思わぬ形で自然災害がもたらす被害が拡大するということを示しています。全国の8割の自治体が管内の人工林に手入れ不足があるといわれています。今年度から自治体に配分される森林環境譲与税を活用して、しっかりと森林機能の回復、健全な森林の育成に努めていくべきです。安倍総理に、防災という観点も含めて、わが国の森林資源の状況への認識と土地の適切な管理に向けた展望を伺います。

ふるさとの美しい景色、四季の移ろいを感じる農産物など自然は私たちに大きな恩恵をもたらします。その反面、私たちは自然災害の脅威から逃れることはできません。
本年8月の長崎県から佐賀県、福岡県にかけての広い範囲で、秋雨前線の影響で線状降水帯が発生し、各地で観測史上記録的な大雨となり、大きな被害をもたらしました。
台風も従来のようなフィリピン沖で発生し、1週間近くかけて日本を襲来するパターンではなく、海水温の上昇から日本近海で急速に発達し、20時間余りで上陸するというゲリラ豪雨ならぬゲリラ台風というべき新しいタイプの台風が襲ってきます。連続したゲリラ豪雨というイメージの線状降水帯もゲリラ台風も、直前の対策に十分な時間が取れないおそれがあります。
だからこそこれまでの災害の教訓に学び、異次元の自然災害には異次元の防災対策を講じ、また異次元の災害を前提とした体制等へと不断に見直していくことが求められます。

週末には台風19号が日本列島に襲来すると言われております。政府におきましては、万全な対策で対応していただきたく、要望を申し上げる次第でございます。
国民の皆様方の生命、そして日々の生活と営みを守るために、これまでとは異なるパターン、規模の自然災害に対して、財源や技術を集中的に投入し、国土強靭化を強力に進めていくべきと考えますが、安倍総理のお考えをお聞かせください。

異常気象がもたらす自然災害が多発する中で、自衛隊の災害派遣要請も増加し、それに伴う負担も増えています。台風15号に見舞われた千葉県でも、復旧に着手する前に、再び被害を受け、しかも、厳しい暑さの中、水道も電気も通わない環境に置かれた方々に水を届け、入浴施設の設営、ブルーシートの輸送や展張など様々な支援を行っていただいた自衛隊員の皆様方には心より敬意と感謝を申し上げます。自衛隊の機能と役割がいかに不可欠なものであるかが改めてよくわかりました。
そこで、災害派遣を含め、国民の命と暮らしを守るために自衛隊の役割がいかんなく発揮できるよう、どのように環境を整備していくべきなのか、安倍総理のお考えをお伺いします。

高度成長時代、わが国は海外に大量の資源を求め、それを使い、大量に生産し、消費する中で、便利な生活様式を求めてきました。しかし、日本の伝統は、私たちに「もの」を与えてくれる自然に感謝し、その「もの」を大切に使い続けるというスタイルだったのではないでしょうか。これまでにないパターンの豪雨や台風は、私たちに日本の伝統をもう一度振り返りなさいという声なき声ではないかと思います。
そして、気候変動のもたらす脅威は自然災害の頻発だけではありません。
「国連の気候変動に関する政府間パネル・IPCC」の特別報告書は、干ばつなど気候変動の激化で2050年までに穀物価格が最大23%上がる恐れがあり、食料不足や飢餓のリスクが高まると警告しています。
一方、地球温暖化に無理やり歯止めをかけようとすると、経済や市民生活に大きなダメージを与えてしまいます。各国の支持を受けることは難しくなります。環境と成長を両立させる道を見つけていかなければなりません。
本年6月に行われたG20エネルギー・環境大臣会合でわが国は「環境と成長の好循環」というコンセプトを提示し、各国との間で共有することができました。水素やカーボンリサイクルといったイノベーションによるエネルギー転換により、環境は新たなビジネスチャンスとして捉えることができますし、資金の調達も可能となります。併せて我々の行動様式を変えていく、例えばレジ袋有料化などを組み合わせることで、この好循環はより強固なものとなります。
そこで、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が来年、始まりますが、目標達成に向けて、わが国は地球温暖化対策にどのように取り組んでいくつもりなのか、安倍総理の考えをお聞かせください。

世界の海の表面には5兆個もの海洋マイクロプラスチックが漂っているといわれています。何もしなければ2050年までに海に出るプラスチックの合計は約10億トンに達し、全ての魚の重さ・約8億トンを上回るとの予測もあります。対策を直ちに進めなければなりません。
G20大阪サミットでは海洋プラスチックごみによる新たな汚染を、2050年までにゼロにする目標を導入することで一致しました。四方を海に囲まれ、海の恵みを受けてきたわが国は、G20議長国として率先して行動すべきです。全国の海岸や河川敷での一斉回収活動、漁業者の幅広い協力による海洋ごみの回収と処理の強化、微生物の力で分解されるバイオプラスチックの開発・増産など、あらゆる手段を尽くしていく必要があります。また、途上国の海洋プラスチックごみ問題にも国際貢献の一環として取り組んでいかねばなりません。
G20での成果等を踏まえ、プラスチックごみのない海を目指してどのようなアクションで、世界に貢献していくつもりでしょうか。小泉環境大臣に伺います。

激変する安全保障環境の中で、どのようにわが国とわが国国民を守っていくのか。これは国として最も求められる基本的な役割の一つです。
北朝鮮がわが国の安全保障環境にもたらす脅威、これはまったく変わっていません。軍事最優先の強行的意思と冒険的な駆け引きは健在であり、軍事的能力は著しく向上しています。これまで二度の米朝首脳会談、そして板門店でのサプライズ的な対面はあったものの、北朝鮮情勢は決して楽観できるものではありません。先週、10月2日には島根県沖、日本海上のわが国排他的経済水域内にSLBM潜水艦発射弾道ミサイルが落下しました。短距離弾道ミサイルも国連安保理決議に明確に違反した行為であります。SLBMはわが国の領海・領土はもちろん、アメリカにとっても重大な脅威を与えるものです。何としても北朝鮮に核兵器・ミサイル開発をやめさせなければなりません。
また、今週月曜日にわが国EEZ内で、退去警告中の水産庁の漁業取締船と北朝鮮漁船が衝突するという事案が発生しました。北朝鮮の違法操業に対しては引き続き毅然とした態度で臨むべきです。
そして、拉致被害者家族の高齢化が進む中、拉致問題の解決も急務です。ある拉致被害者家族の方は、新聞連載の中で「国会を見ていると、拉致事件が課題に上がることはだんだん少なくなり、嘆かわしい思いにかられます。」と述べられています。家族の皆様の声に真摯に耳を傾け、希望が叶うよう躊躇なく行動しなければなりません。家族の悲しみを我がことのように感じ、拉致問題に取り組んできた安倍総理であるからこそ思い切ったアクションができると信じています。
そこで、安倍総理は、北朝鮮による拉致問題や核・ミサイル開発に対して、どのような決意で解決に向けて取り組まれるのでしょうか。お聞かせください。

無人機による攻撃など、これまでの常識では考えられなかった安全保障上の脅威が顕在化しています。先月、サウジアラビアの石油施設2カ所が無人機などによるとみられる攻撃を受けて炎上しました。事前に緯度経度をプログラムした上で、低空を飛ぶため、レーダーで捕捉しにくいといわれています。
目に見えない脅威も近づいています。国連安全保障理事会で北朝鮮への制裁の履行状況を調査する専門家パネルでは、軍部が主導して暗号資産の不正行為を行い、サイバー攻撃なども含め最大20億ドルの資金を違法に取得しているとの報告があります。すでにライフラインを本格的にサイバー攻撃し、損害を与えうるだけの能力を有しているのではないかとの分析もあります。まさに新しいタイプの攻撃から、どのようにわが国と国民を守り抜くのかを具体的に考えていかなければならない時代になっています。
昨年末、政府が閣議決定した防衛大綱は「多次元統合防衛力の構築」を掲げていますが、極めてタイムリーな対応であると高く評価できます。今後は、この大綱に基づき、宇宙やサイバー・電磁波といった新領域に早急に対処していかなければなりません。特に電力や水道、通信といったライフラインへの攻撃に備えるためには、地方自治体や民間企業とも連携を強化する必要があります。このような観点からもライフラインへの攻撃に備えた政府全体の体制整備、そして関係機関との緊密な連携などの構築にも力を入れるべきではないでしょうか。サイバー攻撃など進化する新たな脅威から、政府全体で、国民の安全・安心を守り抜く覚悟と対策について、総理に伺います。

昨年3月東京都目黒区で発生し、5歳の女の子の尊い命が失われた児童虐待事件。本年8月にも鹿児島県出水市で4歳の女の子の尊い命が失われました。児童虐待から子どもたちを守らなければなりません。そう考えて、私ども、参議院自民党は、昨年3月の事件以来、国会質問や、街頭演説において、虐待かもと思った時に、すぐに児童相談所に通告・相談ができる「全国共通ダイヤル」イチハヤク・189についてお知らせしてきました。
昨年度、全国の児童相談所が児童虐待の相談・通報を受けて対応した件数は速報値で前年度比二割増しの15万9850件、過去最高となりました。相談・通報で命が助かったのであれば「イチハヤク」の効果はあったと見ることができます。しかし、虐待に苦しむ子どもたちが未だ多くいることを示す悲しい数字でもあります。
児童相談所や医療など関係機関からの連絡で状況を把握し、一時保護など適切な措置を取ることが望まれますが、全国的に児童相談所の人手不足がネックとなっています。児童福祉司1人当たりの虐待の相談対応件数は昨年度、全国平均で約47件にも上っています。本年6月には児童相談所の介入機能を強化する法律が成立し、総理も「躊躇なく一時保護に踏み切れるよう、大幅増員で必要な専門人材を配置する」と述べていますが、この方針の通り、早急に体制を強化していくことが大切です。そこで、児童相談所の体制強化を含め、未来ある子どもたちを虐待から救うために政府を挙げて何をすべきなのか、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

来年、いよいよ2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。56年ぶりの開催が迫り、興奮する気持ちを抑えきれません。
私のふるさと千葉県一宮町でも初めて正式競技に採用されたサーフィンの会場となることで、大いに盛り上がっています。訪れるサーファーも増加し、サーフィンを目的に移住する家族も増えています。若い世帯が移住することで、子どもたちも増えており、地域は活気づいています。
オリンピック・パラリンピックが日本にもたらす経済効果は30兆円を超えるともいわれています。この機会を最大限生かして、地方創生が大きく前進するよう、政府には全力で後押ししていただきたいとお願いを申し上げる次第であります。
また、2020東京オリンピック・パラリンピックは、日本のバリアフリー政策が、世界各国から集まる参加者、観戦者の皆様に、評価される時でもあります。
国土交通省によると、全国の一定規模以上の駅の約9割で、ホームまで段差のないルートが確保されたとのことです。しかし、バリアフリー政策は実際に使われる皆様方からの本人目線が大切です。施設を使われる皆様方が不便を感じることがないよう、きめ細やかなチェックをお願いします。
さらに、パラリンピックは障がい者と健常者が支え合う共生社会の実現や多様性の尊重を考える貴重な機会です。競技はもちろん、選手と地域住民との交流など様々なイベントを通じてパラリンピックの意義を実感して欲しいと思います。
安倍総理は今年も総理大臣公邸で「安倍総理と障がい者の集い」を開き、「来年はいよいよパラリンピック大会が東京で開催されますが、日本に、そして世界に大きな感動を与える、忘れられない大会にしたいと思っています」と語られました。そこで、安倍総理は、今回のパラリンピックがレガシーとしてわが国にどのようなものを残すことを期待されているのでしょうか、この点についてお伺いして、私の代表質問を終わります。

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