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国会

第198回国会における二階俊博幹事長代表質問

2019年1月30日

二階俊博幹事長

自由民主党の二階 俊博です。私は、自由民主党を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説に対し、質問いたします。

平成という一つの時代が間もなく終わりを告げ、今まさに新しい時代の幕開けが目前に迫っています。私自身、昭和58年の初当選以来、平成のはじめから今日に至るまで、継続して国政に参画させて頂きました。私は子供の頃、戦争を経験し、疎開先の小学校で終戦を迎えました。その後、日本全体が食料の乏しい苦難の時代を乗り越え、戦後の目覚ましい復興と発展を経験しながら、政治家の歩みを続けて参りました。そして、今、平成最後の国会が開会されるにあたり、改めて、苦難の時代を生き抜かれた先人の皆様に感謝の気持ちを捧げたいと思います。平成の時代が、戦争の無い平和な時代であったことに対し、与野党を超えて、この議場に集う国会議員全員で、その尊さを改めて噛みしめながら、質問に入らせて頂きます。

平成の始まりは、まさに新しい時代の幕開けでありました。国際情勢は、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように、東西冷戦体制が終焉を迎え、国内では、株価が約3万9千円の史上最高値をつけ、いわゆるバブル景気の真っただ中にありました。しかし、間もなくバブルは崩壊し、日本経済は「失われた20年」と言われる経済の低迷期に入りました。第2次安倍内閣は未曽有の長期デフレに正面から挑み、これを脱却するために、アベノミクスを果敢に展開し、まさに雇用の面でも「求職の時代から、求人の時代へ」と大きな成果を上げてきました。昨年来の米中貿易摩擦などにより、世界経済の先行きに不透明感が広がりはじめた今、アベノミクスを中心とする今後の経済政策の進め方について、安倍総理のお考えをお尋ね致します。

平成の初め、わが国は高齢化社会の到来を目前に、税・社会保障制度の大転換を迫られていました。その中で、竹下内閣により、消費税がわが国に導入されました。お互い、選挙の洗礼を受ける立場として、国民の皆様に増税をお願いするのは生易しいことではありませんでした。今思えば、竹下総理のこの英断が、今日の社会保障制度を支えていることに、国民の多くが理解するところであります。今年10月には、消費税率が10%に引き上げられる予定でありますが、この引き上げは、安倍内閣が目指す全世代型社会保障制度を実現するためにも、財政健全化を推し進める上でも、避けては通れない道であります。他方で、税率引上げに伴う経済への影響に十分留意する必要があり、前回の8%への税率引き上げの時の経験を活かし、あらゆる政策を総動員して、経済の回復基調に悪い影響を及ぼさないよう、万全の対応を図らなければなりません。消費税率の引き上げは、国民生活に、深く関わる極めて重要な問題であります。今回の税率引き上げの趣旨と駆け込み需要の反動減対策について、安倍総理から国民の皆様に向け、分かり易く、丁寧な説明をお願い致します。

また、誰もが安心して暮らすことのできる全世代型社会保障制度を構築するためには、消費税の使い道を一部変更し、幼児教育・保育の無償化と高等教育の無償化を、着実に進めていかなくてはなりません。これら政策の実現に向けた、安倍総理の決意をお伺いします。

平成の時代は自然災害との闘いの時代でもありました。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、多くの尊い命が失われました。近年では、熊本地震や西日本豪雨で今もなお、多くの方が避難生活を強いられています。私たちは、片時も被災者の皆さんのことを忘れていないことを、改めて申し上げておきたいと思います。また、世界各地でも多くの災害が発生しました。昨年9月には、インドネシアにおいて大規模な津波が発生し、2千人を超える尊い命が奪われました。昨年の全世界の自然災害による被災者は、6千万人を超えるという国連の発表もありました。各地において、いつ発生するか分からない自然災害は、平和で安心な暮らしを脅かしています。

「ひとりの命も失わない」。これが私たちの目標であります。

幾多の災害から教訓を得て、災害対応のレベルを上げてきているにもかかわらず、未だに多くの命が失われていることは、重く受け止めなければなりません。昨年、これまでの様々な災害を受けた経験を踏まえ、全160項目、総額7兆円規模の「3カ年の緊急対策」が、安倍総理指示の下、取りまとめられました。政府の、この対策を高く評価する一方で、更にもう一歩踏み込んだ国土強靱化の取組みが必要であると再認識しており、「3カ年の緊急対策」の後を見据えた対応が、今後求められていると考えております。亡くなられた多くの御霊におこたえするためにも、防災・減災、国土強靱化の努力は、たゆみなく続けなければなりません。安倍総理のご決意を伺います。

日本が戦後一貫して貫いてきた平和外交の道のりは、国際社会から高く評価されています。一方で、平成の安全保障政策は、湾岸危機や米国同時多発テロ、北朝鮮の核・ミサイル開発など、国際情勢の変化を前に、わが国の国際貢献のあり方が、常に問われ続けるものでありました。昨年末の新聞の世論調査において、平成の日本社会に最も良い影響を与えた政治的な出来事の第1位として、「国連平和維持活動、所謂PKO協力法」の成立があげられました。自衛隊の国際貢献が国民に広く認められ、高く評価された証でもあります。また、阪神・淡路大震災や東日本大震災での、災害派遣や災害復興で、自衛隊が国民の信頼を得ていることは、ご承知の通りであります。昨年私は、千葉県にある習志野駐屯地を訪問する機会を得ました。危機や大規模災害に備え、昼夜を分かたず、休むことなく備える自衛隊の皆さんの覚悟と真摯な姿は、日本の誇りであります。政府は、昨年12月に、「新たな防衛計画の大綱」と、「中期防衛力整備計画」を策定しました。安倍総理に、防衛力強化の必要性と防衛力のあるべき姿について、お伺い致します。

私が一貫して取り組んで参りました、防衛庁の省昇格や、平和安全法制の成立など、わが国と国際社会の平和と安定を守るための努力を進める中で、自衛隊を憲法違反だと主張し、その存在すら認めて来なかった政治勢力が、残念ながら存在していたのも事実であります。安倍総理は一昨年、自民党総裁として、憲法改正に向けた基本的考え方を、示されました。平成の時代を通じた自衛隊に対する国民の評価と憲法改正の考え方について、この際、お気持ちをお聞かせください。

安倍内閣の外交についてお尋ねいたします。私は、外交を推進する上で最も重要なことは、首脳同志の信頼関係の構築であると考えます。第二次安倍内閣発足以来、総理は78か国を訪問され、約700回もの首脳会談を重ねておられる中で、各国首脳との確固たる信頼関係を築いてこられました。国際会議で、国同士が鋭く意見対立する中にあって、安倍総理の存在感が増していることは、大いに国益に資するとともに、私たち国民にとって、誇るべきことであります。平成の時代を振り返ってみても、これほどの信頼関係を各国首脳との間に築きあげた総理大臣はおられないのではないかと考えます。日露の平和条約締結交渉は、多くの国民が交渉の行方に期待を寄せています。この問題の解決に懸ける、安倍総理の熱意には並々ならぬものがあると感じる一方で、極めて難しい交渉でもありますので、一層気を引き締めて、今後の交渉にあたっていただきたいと思います。国民は期待をしています。日中関係は双方の努力もあって、近年大きく改善して参りました。日中平和友好条約締結40周年の昨年は、李克強首相が来日し、その後の安倍総理の約7年ぶりの訪中により、首脳の相互往来が実現し、日中関係は、新たな段階に入りました。今年は、習近平国家主席の来日が予定されています。首脳往来を間断なく繰り返し、継続していくことこそ、両国にとって何よりも大切であります。この動きを大いに歓迎するとともに、様々なレベルでの重層的な交流につなげていくチャンスと捉えることも重要です。中国による日本産食品の輸入規制の緩和も進展しています。昨年は、北海道の精米工場や燻蒸施設が、新たに認定されたり、新潟産米の輸入規制が解除されるなど、輸出拡大への道を切り拓くことができました。残された規制は、科学的根拠に基づいて解除されるべきであり、引き続き、党も、積極的に交渉を前進させていきたいと考えています。最近の韓国のふるまいは、大変残念でなりません。旧朝鮮半島出身労働者問題に関する韓国大法院の判決は誠に遺憾であります。この問題は、1965年の日韓請求権協定で解決済みであり、わが国としては、到底受け入れることはできません。また、海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した事案では、客観情報を示してなお、事実を否定する態度に、日本国内から非難の声が上がっています。東アジアの安定化のためには、北朝鮮が依然保有する、核・ミサイル、そして拉致問題の解決が必要です。近隣諸国の情勢に対する安倍総理の認識をお伺いします。

観光産業の発展は、平和の象徴であると考えております。私は平成11年の小渕内閣で運輸大臣を拝命し、ライフワークとして観光振興に取り組み、12年度当初予算で史上初めてインバウンド促進策として、3億円を計上しました。それから20年が経過し、今や、100億円を超える規模となり、訪日外国人も3千万人を突破するに至りました。平成という平和な時代に、観光がわが国の基幹産業の一つに成長したことは誠に感慨深いものがあり、来年の東京五輪と、2025年の大阪・関西万博は、更なる飛躍のチャンスであります。そして、東京や大阪に集う訪日外国人を、更に地方に呼び込むために、この際、知恵を結集し、地方創生に繋げなければなりません。二国間における相互の観光客数は、その両国間の関係と比例します。観光客がお互いの国を頻繁に行き来する関係は良好なものである一方で、関係が悪化している国は、観光客も減少する傾向にあります。世界における観光の重要性は、グローバリゼーションの時代の中で高まっています。だからこそ、世界の観光のあるべき姿を示す「観光立国・日本」を作ることが、新たな時代におけるわが国の役割であると考えますが、安倍総理のお考えを求めます。

人生百年時代を掲げる上で、国民の健康をいかに守るかということは、大変重要な問題であると認識しています。がんにかかる方は年間百万人近くおられ、患者ご本人のみならず、ご家族や、医療関係者など、大変多くの方が、この病気と日々闘って下さっています。ある日突然がんと宣告され、眠れない日々が続く肉体的・精神的負担を考えれば、政府が、患者の皆さんや、ご家族に寄り添い、手厚い支援を用意すべきことは当然であります。一方で、最先端の治療法が日進月歩で開発され、5年生存率も平均で6割を超えるようになり、今では治療をしながら社会で活躍されている方々も、多くいらっしゃいます。患者やご家族が、日常生活と治療の 両面で身近に相談できる体制の拡充と、医療関係者への支援体制が必要と考えますが、安倍総理のお考えをお聞かせください。

平成29年度の児童虐待の相談対応件数は、過去最多の13万件を超え、痛ましい事件が後を絶たない、大変深刻な状況にあります。虐待を受けながらも、死の間際にまで両親の思いに応えようとする幼い心を思うと、胸が締め付けられます。虐待によって幼い命が奪われるような事を、もう2度と繰り返してはなりません。このことは、国民みんなで誓おうではありませんか!政府は、児童相談所や、自治体の体制強化を迅速に図る必要があります。児童虐待防止に向けた、安倍総理のご決意をお伺いします。

平成30年産米から新たな米政策が始まり、米の生産と販売を、市場動向や販売実績に基づき、それぞれの産地が主体的に行うことになりました。私は昨年11月、北海道・東北の農業者の方々と、米政策について語り合う機会がありました。農家が安心して米作りを行い、安定した所得を得るためには、きめ細かな情報の提供や、水田フル活用に向けた支援が、万全に行わなければなりません。農林水産物や食品の輸出額は年々伸び、今年の目標である1兆円の達成に、あと一息のところまで来ています。新しい米政策の定着と、農林水産物や食品の輸出拡大に向けた、安倍総理の決意をお聞かせ下さい。

林業従事者の減少や高齢化によって、手入れもされず、放置されている森林の保全と育成は、全国的な課題であります。山を守らなければ、保水や山崩れ防止などの機能も果たすことはできません。林業再生には、公共建築物に国産材を利用するなど、需要を積極的に掘り起こしていくことが必要です。安倍総理に、税制を含めた林業再生への、力強い方針をお伺いします。

毎月勤労統計の不適切な調査は、国の統計の信頼を揺るがせるものであり、誠に遺憾であります。原因究明を急ぎ、国民の皆さんが不利益を被ることの無いよう、再発防止と支給策を具体的に進めて行かなくてはなりません。既に自民党は、今、雇用保険等を受給中の方に対し、3月末までに、不足分の支給開始を順次行うよう、政府に指示したところであります。基幹統計は、政策の根幹であるという職業規範と使命感を高く持ち、政府全体で、緊張感を持って間違いのない作業をすることは当然であります。この問題の解決に向けて、安倍総理の決意をお伺いします。

平成の時代は、政権交代を何度か経験した時代でもありました。特に平成21年の総選挙で自民党は大敗し、政権に返り咲くまでの3年3か月の間、国民の皆様から再び信頼を得るために、真摯に政策に取り組んで参りました。「謙虚」とはそれぞれが最も不遇であった時のことを忘れないという姿勢であります。不遇をかこつ人々への思いを忘れないという事にも通ずると考えています。様々な困難な課題を解決し、実行していくためには、政治の安定と政治家の自覚が何よりも重要であります。従って、長期政権の中で生じやすい驕りやゆるみは決してあってはなりません。

いよいよ平成最後の国会が始まりました。私たちは国民の皆様の前で、丁寧な上にも丁寧な議論を重ね、来るべき新しい時代にも、平和で安心出来る国を引き継ぎ、世界の平和と安定に、最も貢献していると自負できる国を目指さなければなりません。自由民主党は、国民の皆様にご納得頂けるよう、「真の和の政治」を進めて参ることを誓って、質問を終わります。

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