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メールマガジン 2011.11.4 Vol.525

┌───┐絆 がんばろう日本!
│\_/│JIMIN News Packet=3
└───┘2011.11.4 Vol.525


■谷垣 禎一総裁 街頭演説会のお知らせ(11/5・宮城県)

 県民のみなさんが全力で復興・再生に取り組んでいる宮城県で谷垣禎一総裁が
 街頭演説会を行います。
 第3次補正予算案と復興財源確保法案などの早期成立を求めるわが党の考え方を
 谷垣総裁が直接みなさんにお示しします。ぜひお越し下さい!

  【スケジュール】
  
   ◆10:15~  栗原市築館・旧宮城交通跡地
           (栗原市築館伊豆1-7-26 築館総合支所西側)
   ◆11:45~  塩釜市・JR仙石線本塩釜駅前
           (塩釜市海岸通14周辺)
   ◆12:35~  利府町・イオン利府店西側車道
           (利府町利府八幡崎周辺)
   ◆16:15~  東二番丁・藤崎ファーストタワー前
           (青葉区一番町3-1 旧佐々重ビル前)
   ◆17:00~  フォーラス前
           (青葉区・広瀬通り一番町角)

***INDEX********************************************************************
 ★今週のNEWSラインナップ★
 
  【1】TPP APECでの交渉参加表明反対を取りまとめ
      [外交・経済連携調査会・TPP検討小委員会合同会議]
【2】第177臨時国会 谷垣禎一総裁 代表質問<全文>
  【3】谷垣禎一総裁の代表質問に対する野田総理の答弁<全文>
  【4】野田総理の答弁について~谷垣禎一総裁ぶら下がり会見から~   
   
 ★NEWSクローズアップ★
   田野瀬良太郎幹事長代行に聞く「政権奪還後の姿明確に」   
 ★政策トピックス★ 平成23年度第3次補正予算 正すべきポイント
 ★JIMINインフォメーション★ タイ・トルコ災害支援募金ほか

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 【1】TPP APECでの交渉参加表明反対を取りまとめ
     [外交・経済連携調査会・TPP検討小委員会合同会議] 
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環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加をめぐり、連日議論を重ねていた
外交・経済連携調査会とTPP検討小委員会は4日、合同で会議を開き、
12日から開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での
参加表明に反対する見解を取りまとめました。

           <TPPについての考え方>

                           平成23年11月4日
                           自由民主党政務調査会
                           外交・経済連携調査会


◆政府・与党では、昨年秋に菅総理が唐突に「平成の開国」のスローガンのもと、
 交渉参加を打ち出した。また、野田政権においても、今月12日からのAPECを
 目前に政府・与党は大慌てで意見集約に努めているが、明からに前のめりの感が
 ある。現時点でも交渉で協議されている事項が何なのか、わが国のメリット・
 デメリット・リスクが何か、いかなる対策を検討しているのかが、国民に示され 
 ないままである。

◆TPPについては、政府内の各省の試算がバラバラであることや、政府が正確な
 情報を出さないため、国民的議論が全く熟していない段階である。特に「聖域なき
 関税ゼロ」が前提であるとされているにもかかわらず、これにどう対処するのか
 不明確である。現段階では、政府の情報収集および国民に対する説明は決定的に
 不足している。

◆このような状況下では、APECにおいて交渉参加の表明をすることには反対
 である。

◆わが党は自由貿易の推進を対外通商政策の柱とし、様々なEPA/FTA、
 地域協定のメリット、デメリットを検討し、メリットの大きなものについては
 積極的に推進すると共に、これによって打撃を受ける分野については必要な国境
 措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じてきた。
 今後とも、この考え方のもと、本調査会でわが国のとるべき戦略について精力的に
 構築していく。

============================================================================
 【2】第177臨時国会 谷垣禎一総裁 代表質問<全文>      
============================================================================
【1】はじめに

私は自由民主党・無所属の会を代表して、先般の野田総理の所信表明演説、安住財務
大臣の財政演説について質問いたします。
冒頭、東日本大震災ならびに相次ぐ台風の被害によって、不自由かつ不安な日々を
お過ごしの皆様に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、地域における復旧・復
興に向けて、自民党は引き続き総力を挙げてまいることをここに約束いたします。
また、先般のタイ王国大規模洪水およびトルコ共和国大地震災害に対して、
政府においては最大限の支援策を講じることを強く求めます。
さらには、歴史的な円高の影響によって、多くの企業が厳しい経営を強いられていま
す。政府は本日、市場介入を行いましたが、引き続き市場に対して断固たる姿勢を
示すよう求めます。
さて、政権交代よりはや2年の歳月が過ぎ、その間、民主党政権において3代目の
総理に至りました。わが自民党も小泉総理で総選挙を行い、その後3人の総理が
替わったことは、公平に述べておかねばなりません。
しかし、その際に野田総理、あなたは「与党のトップが交代する際には、民意を問う
べきである」と言われたことを憶えておられるでしょうか。今もその意見は変わり
ませんか。
この2年間、民主党内の絶え間ない内紛、統治能力の欠如によって国政の著しい停滞
を招き、内政・外交にわたって多大なる国益の損失をもたらしました。
これを「民主主義のコスト」として安易に片付けてしまうことは、到底許されません。
国際社会においては、来年の主要国における権力の移行期を控えつつ、欧米諸国の
財政リスクが顕在化し、他国を顧みるゆとりもなくひたすら自らの国益を追求して
鎬を削りあう情勢にあります。
一方、国内に目を向ければ、少子高齢化は急速にその進行の度を深め、経済の高成長、
それに拠って立つ財政の分配を期待する経済社会システムはもはや昔日のものと
なりました。そのうえに、この大震災がわれわれを襲ったわけです。
これらを踏まえれば、民主党の政権担当能力を磨くための授業料を支払う余裕が
残されていないことは、国際情勢からも国民の懐具合からも明らかです。
また、民主党政権におけるマニフェスト施策の実現が進まないどころか後退、違背を
繰り返すことによって、国民との契約違反の状態が続いています。
野田総理はその不履行の要因として、景気後退による税収減、ねじれ国会、東日本
大震災の3つを挙げています。
しかし、これらは全て、無駄を排除して財源を確保することで施策を実施するという
マニフェストの基本構造に対しては何ら関係がありません。
どれが無駄の削減額を左右しえたのでしょうか。震災前の昨年末に野田財務大臣の
もとで編成された平成23年度予算において、16.8兆円と言っていたマニフェス
トの実行額が僅か3.6兆円にとどまっていたことこそ、その構造的欠陥の明らかな
証左です。
国民は先の総選挙で票という代金を支払ったものの、約束された商品を受け取れない
ままとなっています。嘘をついて奪い取った政権はそのままに、誠実な履行をする
ことができないのであれば、根強い政治不信を払拭することもできず、国民は
コストをひたすら払い続けるのみです。
これらの厳然たる事実を、政権運営にあたる野田総理においては十二分に認識すべ
きと考えますが如何でしょうか。

【2】平成23年度第3次補正予算案・復興財源確保法案等

さて、平成23年度第3次補正予算案と東日本大震災に係る復興財源の確保の
あり方について、わが党の基本的考え方を申し述べつつ、政府・与党の考え方を
質してまいります。
はじめに明らかにしておきますが、わが自民党は7月8日には総額17兆円の震災
対策を公表しており、その財源のうち歳出削減や税外収入で賄えない分について
復興債を発行することとし、その信認を担保するために、所得税、法人税等の
付加税により償還の道筋を明確にすべきといち早く表明しております。
わが国財政事情は深刻さを極めており、東日本大震災からの復旧・復興対策経費が
巨額に上る中で、いかに財政規律を確保するかという基本的認識において政府・
与党と違いはありません。
しかし、今回の政府・与党の3次補正予算案と復興財源確保法案は、わが党の
取りまとめから3ヶ月半以上遅れているうえ、その間、内容についてよほど詰めが
進んでいるのかと思いきや、国民の皆様に負担を求めるにしては、随分粗っぽい
いい加減な案を出してきたとの印象です。
国民の皆様に負担を求めるためには、丁寧な説明と合理的な制度設計が必要です。
政府・与党の案は、その双方の要素に欠けており、運び方も案の内容も
稚拙そのものです。このような政府・与党が、今後、消費税で更に大きな国民
負担をお願いすることに取り組むというのであれば、その資質からして大いに
疑問を抱かざるを得ません。このことを、質問を通じて明らかにしてまいる所存
です。
わが党は第1に、現在の政府・与党案の復興債の償還期間が10年とされている
のは、短すぎると考えており、その大幅な延長を求めております。
理由としてはまず、千年に一度という大震災の復旧・復興経費に係る財源調達を
現世代の負担によってのみ賄うとすれば、現世代が前後の世代と比較して大震災が
あったばかりに過重な負担を強いられることになり、不公平と言わざるを得ません。
特に復興による受益を後世代が享受することを踏まえれば、世代をまたいで負担を
分かち合う必要があります。
しかも、復旧・復興経費の内容を見れば、3次補正で計上されている全国防災対策
費などは全国で行われるハード事業であり、中身において通常の建設公債発行対象
経費と明確に区別が可能なものとは到底思えず、復興債及びその償還財源としての
税制措置で賄わなければならない理由が分かりません。
また、われわれは、単に長く償還期間を延ばせと申し上げているつもりは
ありません。わが国財政に対する市場の信認を高めるうえで大事なことは、償還の
道筋をしっかりと付けることであって、償還期間を徒に短くすることでは
ありません。政府・与党はこの点を混同しています。
さらには、わが国財政の今後の課題を見据えれば、徒に短く設定することには
疑義があります。わが国は基礎的財政収支の黒字化などの財政健全化目標を設定
しており、その達成に向けて消費税を含む税制抜本改革は避けられません。
目先の性急な復興財源確保のみに囚われず、マクロの財政健全化の取組みとの関係
にも配意し、償還期間を長くとることでその負担を薄いものにしておく必要が
あります。
そこで総理に質問いたします。一つ一つお答えください。
まず、3次補正予算に係る東日本大震災復興経費11兆7335億円のうち公債発行
対象経費とそれ以外は幾らずつか。言いかえれば、この部分について今回のような
異例の対応でなく、通常の公債の追加発行による対応をとった場合、建設公債、
特例公債はそれぞれ幾らとなったのか、伺います。
そのうえで、それらについて建設公債等によらず、あえて復興債及びその償還財源の
確保のための税制措置というスキームに依ることとした理由を改めて伺います。
次いで、政府・与党案では、復興債の償還期間は通常の60年償還ルールに対して
10年と大幅な短縮がなされたことについて、如何なる理由付けがなされているのか
お答えください。
更には、そこまで償還期間に差を設けるからには、債券の発行で賄われる事業の
性質についても明確な差が認められるのでしょうか。
例えば、全国防災対策経費の定義は何か、単なる公共事業が紛れていることはない
のか、両者を区別する基準は何でしょうか。
さらに伺いますが、消費税の取扱いなどを含めて今後の財政健全化への取組みが
具体的に固まっていない中で、短い償還期間を設定して単年度あたりの国民負担を
大きなものにしてしまうことが、今後の取組みへの足枷となるのではないでしょうか。
これらに対する答弁を踏まえたうえで、改めて償還期間の大幅延長を求めている
わが党の見解に対するお答えをいただきたいと存じます。
第2に、わが党は23年度予算における子ども手当の減額措置に伴って特例公債を
減額することを求めています。これは、民主党のマニフェスト施策を目の敵にして、
その歳出削減に見合う特例公債減額を立てることであえて辱めに遭わせようと
しているわけではありません。
子ども手当の見直しの要因を震災に求めることが筋違いだと申し上げているわけ
です。
そもそも、特例公債発行額を極力圧縮するというのが財政運営の基本ルールであり、
特例公債の発行によって全体の予算が賄われている以上、歳出の削減を行う一方で
建設公債発行対象経費の増額が行われた場合、特例公債を減額して建設公債に
振り替えるのが補正予算の通例であるはずです。
なぜ今般はそのような対応をとらないのでしょうか。政府・与党が、マニフェスト
政策については特例公債に頼らず財源をきちんと確保したという建前と、
復興債と建設公債を同時発行しないことにこだわるあまりに、特例公債発行の減額に
努めるという財政運営の基本ルールを蔑ろにしてしまっているのが今回の対応では
ないかと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
そして、このような対応を今後も踏襲していくとなると、24年度以降の当初予算に
ついても、復興財源となる歳出削減分について、その見合いとなる復興経費に幾ら
公債発行対象経費があっても、特例公債発行額を減額しない措置をとり続けるに
ことになりかねませんが、それで宜しいのでしょうか。
本来圧縮できるはずの相当規模の特例公債発行額が毎年度圧縮できないということ
になってしまいますが、そのことは財政運営として妥当なのか、あわせてご回答
願います。
以上を踏まえたうえで、改めて今般の3次補正予算、さらには24年度予算以降に
おける子ども手当の歳出削減分を特例公債減額に充てることを求めます。
第3に、われわれは復旧・復興経費を管理する特別会計の創設を求めています。
今回の政府・与党の復興財源確保のスキームがあまりにいい加減で、国民にとって
受益と負担の対応関係が見えにくいものであることを踏まえると、
特別会計の創設はいよいよ必要となります。
それにより、復興経費は新たな特別会計で管理されることとなるため、その他の
経費との差別化が進み、単なる通常の公共事業関係費が全国防災対策費として
復興経費に紛れ込んでくるようなことも防がれていくと考えられ、B型肝炎対策との
区分も明確になります。税財源が確保されている復興事業の進捗度合いが明確になり、
今後、国民からも更なる税制上の措置が必要な状況にあるのかどうかということが
見えやすくなります。
復興を名目に講じられた税制措置による増収分が他の事業に費消されることなく、
必ず被災地向け歳出に充てられることが明確になることで、国民の納税意識も
高まるものと考えます。政府・与党は今回の復興財源確保のスキームについて
よくよく居住まいを正したうえで、国民に増税の理解を求めていくべきです。
特別会計設置に関する野田総理の見解を改めて伺います。
復興財源としての税外収入・歳出削減を巡っては、前原政調会長と政府側とで、
増税額を巡って行ったり来たりのやり取りが続くという混迷振りを見せつけましたが、
相変わらず取扱いがすっきりしません。
関連してお尋ねしますが、国家公務員給与特例法案による国家公務員給与の
引下げ分は復興財源にカウントされている一方、24年度予算などで連動して
行われる地方公務員給与に係る地財措置、更には義務教育国庫負担金や独立行政法人
運営費交付金の見直しなどによって生み出される財源については、復興財源に使うの
ではなく財政再建に使うとの報道もあり、現段階では復興財源としてはカウント
されていないようです。
しかし、やはり公的部門全体で捻出する復興財源として整理することが適切で
あり、今後復興経費の増加が確実な中で、これ以上税負担を増やさないために
用いるべきと考えますが如何でしょうか。

【3】社会保障・税一体改革

社会保障・税一体改革について伺います。

先般、五十嵐財務副大臣が2015年度までの消費税率の10%への引上げは
2段階に分けて行い、その第1段階目は再来年秋の衆院任期満了後に行う旨を
示唆しましたが、本来、財政や経済の状況を踏まえ決せられるべき消費税率の
引上げのタイミングがそれらとはおよそ関係ない政治日程との関係で決まると
いうのはいかにもナンセンスであり、いかにマニフェストとの関係で民主党が
消費増税の検討を行うことが破綻を来しているかの表れです。
そもそも、あなた方が法案提出の拠り所としている、消費税を含む税制抜本改革の
規定を含む平成21年度税制改正法に、民主党は反対されたのではありませんか。
先の総選挙におけるマニフェストには、消費税について一言の言及もありません
でした。
当時の鳩山代表は「消費税は20年間上げない」ことを公然と述べておられました。
社会保障・税一体改革は必要な政策ではありますが、ここでもまた国民に対して
言行不一致な行動をとろうとするあなた方は、票を投じた有権者にどう説明するので
しょうか。
また、平成21年度税制改正法附則第104条との関係で今年度内に具体的な
法案提出ということになれば、年内にはその概要を固める必要がありますが、
議論の時間があまりに不足しています。
6月に「成案」をとりまとめて以降、社会保障機能強化の進め方等、具体的な検討が
進んでいるようには聞こえてきません。
複数税率など逆進性対策をどうするのかといった受益と負担の関係もまったく
見えないまま、年末までの2ヶ月ですべてを決めてしまうことには相当無理が
伴います。
このように無理に無理を重ね、国民に言ったことと違う政策を押し通そうとする
あなた方の社会保障・税一体改革への取組みの前途は多難と考えますが、
野田総理としては、この窮屈な日程の中で具体的なスケジュールをどのように進めて
いこうとされているのか具体的にお示しいただくとともに、改めてご決意を伺います。

【4】TPP

過去2代にわたる民主党政権によってわが国の外交の基盤は大きく揺らぎ、
今やその失地回復にのみ汲々とせざるをえないのが現状です。
普天間基地移設問題についても、その迷走によって米国との信頼関係を大きく損ねた
ために、政府・与党はそのツケをなりふり構わず返そうとしているかのように
見受けられます。
TPP交渉への参加をめぐっても同様です。そもそも、日米関係において日々の情報
交換や意見調整等が円滑になされていれば、このような切迫した事態に陥っては
いなかったはずです。
また、国益に関わる重要事項にも関わらず、政府が情報を提供しないため、
参加の可否を判断するための国民的議論が全く熟しておりません。それに加え、
藤村官房長官や前原政調会長は、交渉途中の離脱の可能性を明言されていますが、
入口から逃げ腰の国を相手に、他の参加予定国が真剣に向き合うことはありえません。
これまでの経緯から昨今の騒動まで、極めて稚拙な取り運びとなっていることに
ついて、民主党ならびに野田政権の責任は極めて重いものと考えますが、
その点について総理の見解を伺います。
いずれにせよ、わが国は世界にモノを売って自国で賄いきれないエネルギーを買って
成り立っている以上、自由貿易体制を志向せざるをえず、その中で国内産業にも
十分な目配りをする。その際、不断の外交努力で自らの国益を主張し、他国の譲歩を
可能な限り引き出すとともに、国内産業に対しては、不安と弊害を払拭すべく、
財源に裏付けられた対策を適切に講じていくことが、わが国の基本戦略ではないで
しょうか。
前者は先ほど指摘しましたが、後者についてもその対策が不十分なものと考えます。
民主党政権は農家の戸別所得補償制度を推進していますが、これは基本的には価格差
補填の仕組みです。従って、関税障壁が除かれて市場価格が払底しても、
これより高い生産価格との価格差を補填することでTPPへの一定の対応策には
なります。
しかし、価格差が拡大していけば、それを埋めていくための巨額の財源を要します。
TPPで輸出企業に、戸別所得補償で農家にもいい顔をし、その結果財源はないと
なれば、まさにあの詐欺マニフェストと同じことです。
そもそも、財源が限られた中では、頑張って競争力を発揮できる農家には担い手と
して支援するとともに、農業の多面的機能の観点からも直接支払いを中心として
支えていくといった政策目的に応じた農業政策こそが求められるものと考えます。
その見極めもないままばらまくのみでは、財源は枯渇して結局は農業を守ることも
できず、民主党が50%とまで掲げた食料自給率はみるみる低下し、農村は荒廃し
過疎化が進む一方となります。
政府においては積極的に情報を開示し、今後の確たる展望を示すことで国民の議論に
供するよう強く求めます。APECも差し迫っていますが、TPPがもたらす
メリット、デメリットは具体的に何か、TPP交渉に参加するのか否か、
野田総理の明確な答弁を求めます。

【5】国家公務員給与特例法案

野田総理が早期成立の意欲を示している国家公務員給与特例法案について伺います。
わが党は、国家公務員の給与引下げ自体に反対しているわけではありません。
協約締結権とセットであることを問題視するとともに、人事院勧告を実施した
うえで、さらに深掘りすべきと考えています。
これによって地方公務員等を含め、より大きな削減が実現できるわけです。
さて、本法律案は、その策定過程で自治労、日教組が大宗を占める職員団体と交渉を
行った結果まとまったものと承知しており、官が身を切るという一見改革的で
ありながら組合配慮ありきの法律案であるとすれば、働きアリの税金に白アリが
たかる構図が総理の足元で始まっているということとなりかねません。
その点に関してまずは協約締結権の付与を行う国家公務員制度改革関連4法案との
関係を確認します。
給与特例法案が仮に協約締結権の付与と交換条件になっているとしたら、
本法案は組合天国への誘い水であるということになり、論外です。
連合などはホームページで10月11日の政府とのトップ会談における「国家公務員
制度改革関連法案と国家公務員給与特例法案を同時期に成立をめざすという基本
姿勢は変わっていない。」という関係閣僚の答弁を成果として喧伝していますが、
これは事実でしょうか。
4法案とのセットを組合と取引しているとすれば、復興財源捻出を装いながら、
実際は協約締結権の取得対価としての手垢にまみれた引下げ法案であることになり、
われわれとしては審議にも値しないということになります。この答弁をした閣僚を
明らかにしていただくとともに、事実であるとすれば撤回を求めます。
事実でないとすれば、この答弁を否定し、4法案の処理とは完全に切り離す旨を
この場で明言してください。
重ねてお尋ねします。政府は、閣議決定において国家公務員給与特例法案は人事院
勧告の趣旨を内包しているとして人事院勧告不実施を決めましたが、人勧の趣旨は
労働基本権の制約の代償に尽きるといっても過言ではありません。
給与特例法案は、人勧どおりの▲0.23%ではなく▲7.8%にまで労働者の
給与を一段と大幅に引き下げるわけですが、これのどこがどうしてその趣旨を含む
ことになるのでしょうか。
含んでいないとすれば虚偽の閣議決定であったということになりますし、
人勧無視の憲法違反ということになります。含んでいることになれば、それこそ
4法案とは連動しないものであることが明らかになるので、4法案の棚上げを
求めます。この点の確認をお願いします。
なお、内包しているという閣議決定がそのとおりであれば、独立行政法人、義務教育
国庫負担金を始め、国家公務員給与の改定に伴う公的部門の人件費に関する扱いは、
人勧の際とまったく同様でなければ閣議決定が偽りとなることを申し添えます。
いずれにしても、内包云々という苦しい説明をしていますが、政府には、人勧を
実施したうえで給与特例法案も成立させる選択肢もあったのに、
わざわざダイレクトに人勧を不実施にする理由がどこにあったのでしょう、
是非ご教示ください。
人勧不実施を高らかに謳う背景に、よもや人勧制度の廃止、協約締結権の付与に
向けて、人勧不実施の実績を作りたいという何らかの政治的思惑はなかったのか、
あわせて伺います。
国民の皆様には、各種の組合が政府に対して人勧不実施を申し入れているという
事実を申し添え、組合依存という民主党の実態をよく見極めていただくとともに、
保守政治家を自認する野田総理におかれては、是非、組合との取引によって国政が
壟断されることがないよう衷心からご忠告申し上げます。
何かおっしゃりたいことがあれば反論していただいて結構です。

【6】選挙制度改革・1票の格差是正

次に、選挙制度改革と1票の格差是正について伺います。
先般、衆議院の選挙制度について各党の協議会がスタートしました。
わが党も具体的な提案を行い、積極的に参画してまいります。
私は、既に衆議院議員の任期が2年を切っており、まずは当面の対応として、
衆議院の小選挙区における1票の格差が憲法違反と判断されている状態を一刻も早く
解消すべきと考えます。
そのためには、現在、最高裁判決を受けてストップしているいわゆる「区割審」の
審議を早急に再開することが、不可欠の第一歩となります。
今国会でその前提となる条件をクリアする必要があると考えますが、野田総理は、
どのような条件が整えば審議を再開できると理解しているのか伺います。
また、区割審が直ちに調査審議を進めたとしても、来年2月25日の期限までに
審議を終えて勧告を行うことが困難な場合、勧告期限の延長期間は必要最小限の
ものとすべきです。
早期の解散を避ける意図を持って、わざと長く延長しているといった疑念を国民に
抱かれるようなことがあってはなりません。延長は最小限の期間とし、勧告が
出たら速やかに区割を改定する法律を成立させる。かつ、その公布から施行までの間、
すなわち周知期間は10年前と同様の1ヶ月とすべきであると考えます。
この点についての野田総理の見解を確認します。
1票の格差是正のための区割の改定は、先ほど述べた手順で行けば、次期通常国会の
うちに実現し、憲法に違反しない制度で国民に信を問うことが可能となります。
なお、それまでの間においても、今の民主党政権の状態では、即刻解散総選挙を行う
以外に日本を救う道がないという状況を迎えることも十分考えられます。
その場合には、私は、現行制度の下での解散総選挙も必要だと考えています。
区割審の審議や法改正の途上である場合でも、解散権は常に制約されないと理解して
おりますが、この解散権の解釈について、野田総理の見解をここで明確にお示し
ください。
なお、最高裁判決から1年を経過しても国会が法改正の道筋をつけられないことは、
国会の権威にかかわる重大問題であると重ねて申し上げておきます。

【7】政治資金問題

本日は多々政策課題について伺いましたが、政策を実現するにあたっては何より
その主体となる為政者の資質が問われます。
「クリーンな政治」を標榜する民主党において、野田総理をはじめ鳩山元総理、
菅前総理、小沢元代表、前原政調会長などの幹部が、相次いで政治資金問題を
引き起こしているまま、その説明責任も十分に果たされてきていないことは、
その資質の欠如の表れと言えます。
われわれはこの問題を徒に復旧・復興の議論の妨げとするつもりはありませんが、
政党間の信頼関係を構築し、議論を円滑に進めるための環境整備に意を砕くことは
与党の務めです。これに関して2つ伺います。
まず、野田総理ご自身の外国人及び脱税関係企業からの献金問題について、
今国会において説明責任を必ず果たしていただくよう求めます。
9月3日に「調査する。結果が出たら報告する。」と述べてから途中経過の報告も
公表のメドも示さないままに2ヶ月が経ちます。
また、小沢元代表に対し、国民から選ばれた公人として証人喚問に応じ、国会に
おいてその説明責任を果たすよう民主党代表として指導力を発揮するのかどうか、
総理は誠実かつ明確にお答えください。

【8】おわりに

先の臨時国会において私は野田総理に対し保守政治家としての理念を問い、
民主党の理念のあらわれである綱領の有無について伺いましたが、いずれも
明確な回答を得られませんでした。政権発足後しばらくは野田3原則、「余計なことは
言わない・やらない、派手なことをしない、突出しない」との安全運転等のおかげか、
大きな混乱はもたらされませんでした。
しかし、これは何の政策も進められなかったわけであり、言わば停滞です。
結局は、理念なき総理、綱領なき政党において、大局的な政策判断のものさしを欠く
以上、内政・外交にわたる重要課題を乗り越えていくことはできません。
それに加え何より、マニフェストの破綻とかつて自らが批判した信を受けないままの
総理たらい回しによって、この政権には、主権者たる国民に対して正統性を欠いて
いることは明らかです。被災地で延期されていた地方選挙も11月20日には全て
実施されるとともに、復旧・復興の補正予算も3次を数えるに至りました。
にもかかわらず、復興を理由に被災地を含む全国民との契約違反の状態は、
放置されたままにあります。
国民との契約違反の十字架を背負い、国民からの信という権威の裏付けもないが
ゆえに、確たる政策体系は構築できず、その場を取り繕うことのみが、野田政権の
許容範囲に過ぎません。
従って、今後一気に押し寄せるであろう政治的かつ政策的な矛盾によって、これまで
同様もしくはそれ以上の政治的混乱がもたらされることは不可避であり、
早晩行き詰ることは必至です。
この混乱を回避し、国政の停滞を打開するためには、解散総選挙によって国民との
再契約を行って信を受け、大事にあたるための政権の基礎体力を回復することが
求められます。それを欠いたままで、マニフェスト違反の消費税や普天間問題、
TPPや選挙制度改革といった重要課題を全て乗り越えられるとお考えでしょうか。
これらの課題を総合的に組み立て、実現していくためには、「政治の力」を要する
わけであり、各省が行政の発想で描く絵のとおりには決して事は進みません。
何を為すこともなかった2代にわたる「亡国の宰相」の轍を踏まない為にも、
賢明なる回答を野田総理に心から期待し、私の質問を終わります。

[10月31日 衆議院本会議場]

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 【3】谷垣禎一総裁の代表質問に対する野田総理の答弁<全文>   
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■まず、民意を問うということについてのお尋ねがございました。
わが国の目の前には、震災からの復興、原発事故の収束、経済金融危機への対応と
いう、乗り越えなくてはならない危機が存在をしています。
政府、与野党を超えて克服することが国民の願いであると認識をしています。
民意を問うことは大切であり、その考えは不変ですが、まずは、政府、国会、
全政党が、大震災からの復興、原発事故の収束、経済金融危機からの脱却という
共通目標のもとで協力することを国民の大多数が望まれていると理解をしております。
自由民主党谷垣総裁におかれましては、この間、建設的なご意見をいだたき、また
国会審議を初め多大なご協力をいただいておりますことを感謝申し上げますとともに、
引き続きのご理解、ご協力を切にお願いをいたします。

■続いて、マニフェストについてのご質問をいただきました。
ご指摘については、党の前執行部が8月に取りまとめたマニフェストの中間検証で
指摘されているものであり、私も、基本的に同様の認識を持っております。
私としては、中間検証が指摘している経済状況の変化、ねじれ国会、東日本大震災、
マニフェスト作成時の検討、検証が不十分という点について、いずれもが
マニフェスト実現のハードルとなっていることは事実であると考えております。
ただし、検討、検証の不十分は率直に認めなければならないと考えており、
これは民主党自身の責任であり、そのことから、中間検証でも、真摯に反省しなけれ
ばならないとしております。
中間検証でも述べているとおり、政権交代の結果、高校授業料無料化を初め、
多くの政策が実現されている一方で、残念ながら、いまだ実現できていない政策が
あることも事実でございます。
マニフェストについては、経済財政状況の変化と3党合意を踏まえながら、政策の
優先順位、政策選択に基づき、今後も一つでも多くの政策が実現できるよう努力を
していきたいと考えています。

■続いて、公債発行対象経費及び復興財源のスキームについてのお尋ねがございまし
た。与野党の合意により成立した復興基本法において、東日本大震災からの復興に
必要な資金を確保するため、つなぎ財源として復興債を発行することとしており、
また、これをその他の公債、つまり建設公債や特例公債と区分して管理するとともに
あらかじめ償還の道筋を明らかにすることとされております。
このように、東日本大震災からの復興費用は建設公債によって賄われていないため、
3次補正予算において計上された東日本大震災関係経費についても、公債発行対象
経費を区分していませんが、お尋ねでございますので、通常の予算における基準を
機会的に当てはめますと、おおむね4兆円程度が通常の予算における公債発行対象
経費と共通した性質の経費と考えられます。
従いまして、通常の公債発行による対応をとった場合、おおむね4兆円程度が建設
公債、残余の額が特例公債と考えられます。
復興債の償還財源について考える際には、国家の信用が厳しく問われている歴史的な
事態が進行している国際情勢のもと、わが国財政をめぐる厳しい状況、国債の信認の
確保についても十分に配慮する必要があります。
こうした考え方を念頭に、歳出削減や税外収入の確保に最大限努めるとともに、
それでもなお足らざる部分については、基幹税である所得税や法人税の付加税などに
より、今を生きる国民の皆さまに一定のご負担をお願いすることとしております。

■次に、復興債の償還期間の合理性と事業の性質に関するご質問をいただきました。
復興債の償還期間については、次の世代に負担を先送りせず、今を生きる世代全体で
連帯して負担を分かち合うとの復興の基本方針における考え方に立って、復興期間と
同じ10年間としております。
これは、少子高齢化、人口減により、将来世代への負担が増加していく中、
将来世代へのさらなる負担の先送りは避けるべきであろうという考え方や、税金の
使途がはっきりと実感できる間に税制措置を行う方が、理解をしていただきやすい
のではないかという考え方に基づくものであります。
復興基本法では、復興に必要な資金を確保するために復興債を発行することと
されており、復興の基本方針において掲げられた、真に復興に資する施策を復興債の
対象となる経費として予算に計上することとしています。
例えば、全国防災対策費については、復興基本法第2条において、地震その他の
天災地変による災害の防止効果が高く、何人も将来にわたって安心して暮らすことの
できる安全な地域づくりを進めるための施策が、復興に向けて推進されるべき施策の
一つとして掲げられていることから、全国的に緊急に実施する必要性が高く、
即効性のある防災、減災事業については、復興施策に含めることとしております。

■単年度当たりの国民負担についてのご質問をいただきました。
復旧復興のための時限的な税制措置については、歳出削減や税外収入をできる限り
活用することで、全体の負担を抑制するとともに、所得税付加税については、
たばこ税や23年度税制改正を活用することで、その負担を抑制し、また、法人付加
税については、平成23年度税制改正とセットで実施することで、企業経営にとって
過大な負担となることを回避しています。
また、復興のための歳出については、短期間に集中的な投資が行われること、
社会保障・税一体改革については、社会保障の安定強化と財政健全化とを同時に
達成することで、国民生活の安定や雇用、消費の拡大につながると考えられること
なども含めて、考慮していく必要があるものと考えております。

■償還期間の大幅延長を求めている自民党の見解についてのご質問をいただきました。
長い償還期間を設定すれば、若い世代は負担をし続ける一方、高齢世代は短い期間
しか負担を負わないこととなります。例えば、きょう生まれた子供一人の背中には、
既に700万円を超える借金があります。長い償還期間は、こうした若い世代に、
われわれの世代がさらに負担を先送りすることにほかなりません。
こうした認識に基づき、復興債の復興期間については、先ほど申し上げましたとおり、
今を生きる世代全体で、連帯して負担を分かち合うという基本的な考え方を踏まえて
期間を設定しておりますが、野党のご意見も真摯にお伺いをしながら、柔軟に対応
してまいりたいと考えております。

■特例公債発行の減額という財政運営の基本ルール、それに従えば、特例公債を
減額して建設公債に振りかえるべきではないか、さらに、復興財源となる歳出削減分
の、24年度以降の予算を含めた取り扱いについてのお尋ねでございます。
谷垣総裁も、財務大臣の重責を3年間にわたって務めてこられましたので、その
ご指摘のとおり、特例公債に極力頼らない財政運営を心がけることが大変重要である
ことについては、私も認識を同じくするところでございます。
その上で、今回ご提案申しあげている復興債は、本日、これまでの答弁でも
申し上げてきたとおり、与野党の合意により成立した復興基本法において規定された
ものであり、建設公債や特例公債と区分して管理するとともに、あらかじめ償還の
道筋を明らかにすることとしているものであります。
その財源である時限的な税制措置について、全体の負担を抑制するため、最大限、
歳出削減や税外収入の確保に努めることが重要であります。
こうした観点から、与野党合意がなされたような特定の歳出見直しに係る削減分に
ついても、優先度の高い復興事業に振り向けることとしており、24年度予算以降に
おいても同様の方針でございます。

■子ども手当の歳出削減分についてのご質問をいただきました。
この子ども手当の歳出削減は、先ほどご答弁申し上げた、与野党合意がなされた
特定の歳出見直しに係る削減であります。
従って、歳出削減分を震災からの復興という優先度の高い歳出への振り替えに充て、
時限的な税制措置の幅を一定程度縮小することとしており、今般の3次補正予算、
さらには24年度予算以降についても、こうした方針にのっとって対応してまいり
たいと考えております。

■特別会計についてのお尋ねがございました。
復興基本法及び復興の基本方針における区分管理及び資金の流れの透明化の要請を
踏まえ、政府としては、3次補正の一般会計等において、復旧復興関連であることと
いたしております。
特別会計については、財政法上、特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入
歳出と区分して経理する必要がある場合に認められており、復興予算を経理するため
の特別会計の設置は、区分管理及び資金の流れの透明化の要請にこたえる一つの方法
と考えられます。
24年度からの特別会計の設置について御党よりご提案があったと承知をしており、
政府といたしましても、協議の経過を見守りつつ、区分管理及び資金の流れの
透明化にしっかりと努めてまいりたいと考えております。

■国家公務員給与引き下げ法案に伴う公的部門の人件費見直しと、復興財源の関係に
ついてのご質問をいただきました。
地方公務員や独立行政法人の役職員の給与など、公的部門全体での取り組みについて
は、先般の公務員の給与改定に関する閣議決定に掲げた各般の措置を講ずる必要が
あると考えています。
その上で、復興対策に係る地方財政措置については、諸般の状況を総合的に勘案し
つつ、震災対応における国と地方との協力関係を整理して、今後の予算編成作業に
おいて検討し、適切に対処してまいります。
これらの措置により捻出される財源の取り扱いについては、わが国の厳しい財政状況
と、東日本大震災という未曾有の国難に対処するという法案の趣旨等を勘案して
まいります。
いずれにせよ、まずは、現在国会提出中の給与臨時特例法案の早期成立を期して
まいります。

■消費税率の引き上げ時期等についてのご質問をいただきました。
社会保障・税一体改革成案においては、「社会保障給付の規模に見合った安定財源の
確保に向け、まずは、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで
引き上げ、当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保する。」とされています。
また、経済との関係においては、成案において、税制抜本改革の実施は経済状況の
好転が条件であることを明文化し、その実施過程においても、予期せざる経済変動が
生じた際には、柔軟に対応する仕組みとすることとしております。
いずれにせよ、具体的な税率の引き上げ時期等については、今後、政府・与党内の
議論及び与野党協議等を踏まえ、改革の具体化を図る中で決定したいと考えており、
実施をする前には、総選挙で民意を問うべきものと考えております。

■社会保障・税一体改革のスケジュールと、改革への決意についてのお尋ねを
いただきました。
社会保障・税一体改革については、本年6月に決定した成案を早急に具体化するため
8月に公表したスケジュールに沿って着実に検討を進めているところであります。
具体的には、社会保障改革については関係審議会等において検討を進めており、
年内に各分野の具体的な改革案を取りまとめ、平成24年以降、順次関連法案を
提出することとしています。
また、消費税を含む税制抜本改革の具体的な内容については、税制調査会等において
本年度中の法案提出に向けて検討を進めることとしています。
一体改革は、若い世代を含め、国民が将来に不安を持たないようにするため、
わが国にとって決して先送りできない喫緊の課題であります。
わが内閣として、与党とも連携をとりながら一体改革を進めてまいりますので、
各党各会派におかれましても政策協議にご参加いただくよう、お願いを申し上げます。

■TPPと国民的議論に関するご質問をいただきました。
TPP協定については、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってきていますが
特に米国との間では、多層的かつ広範なチャンネルを通じて緊密に行ってきている
ところであります。
その結果得られた情報については、国民の理解を深めるため、TPPに関連する
疑問に答える資料を準備するなど、可能な限り説明に努めてきており、今後とも、
説明や情報提供にしっかりと努めてまいります。
なお、一般論としては、交渉の中で国益を最大限追求することは当然のことであり、
国益に合致するよう、全力を尽くして交渉に臨むべきものであると考えています。

■TPP及び農業政策についてのご質問もございました。
世界経済の成長を取り込み、産業空洞化を防止していくためには、国と国との
結びつきを経済面で強化する経済連携の取り組みは欠かせません。
これに伴う影響について勘案し、また、わが国にとっての国益を追求しながら、
より幅広い国々と高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めてまいります。
TPPについては、8月15日に閣議決定した政策推進の全体像にあるような
広範な視点を踏まえ、協定への交渉参加について、引き続きしっかりと議論をし、
できるだけ早期に結論を出したいと考えています。
農業については、高齢化の進展等、その再生は待ったなしの課題であり、
TPP協定交渉への参加判断いかんにかかわらず、進めていくべき課題であります。
このような認識のもと、10月25日、わが国の食と農林漁業の再生のための
基本方針・行動計画を、私を本部長とする食と農林漁業の再生推進本部で
決定いたしました。
21世紀の成長産業となり得る農林漁業の再生に向けて、次世代を担う農林漁業者が
安心して取り組めるよう、この基本方針・行動計画を政府全体の責任を持って
着実に実行してまいります。
なお、戸別所得補償制度は、農業が食料の安定供給や多面的機能の維持という
重要な役割を担っていることを評価し、意欲ある農業者が農業を持続できる環境を
整えることを目的とする政策であります。
さきの基本方針・行動計画においても、戸別所得補償制度を適切に推進することと
されており、引き続き取り組みを進めてまいります。

■TPPに関する情報開示、参加判断についてのご質問をいただきました。
TPPについては、先ほども申し上げたとおり、随時、関係国との間で情報収集や
協議を行ってきています。
その結果得られた情報については、国益を確保する観点からさまざまな検討、分析を
行うとともに、国民の理解を深めるため、可能な限り説明に努めてきており、
関係団体への説明も順次行ってきているところであります。
今後とも、説明や情報提供にしっかりと努めていく考えでございます。
TPPについては、世界の成長エンジンであるアジア太平洋地域の成長力を
取り込むことができるなどのメリットがあります。他方、農業再生との両立を図る
ことなど、課題もございます。
いずれにせよ、TPP協定への交渉参加については、引き続きしっかりと議論し、
できる限り早い時期に結論を出したいと考えております。

■給与臨時特例法案と国家公務員制度改革関連4法案との関係についてご質問を
いただきました。
給与臨時特例法案と国家公務員制度改革関連4法案は、同時期に提出した大変重要な
法案ですので、いずれもできるだけ早く成立させていただきたいと考えています。
ご質問の連合との会談での総務大臣の答弁も、そのような趣旨であったと理解を
しています。

■給与臨時特例法案と人事院勧告等との関係についてのご質問もいただきました。
労働基本権が制約されている現行制度においては、人事院勧告制度を尊重することが
基本であるとの考えのもと、今般の人事院勧告の取り扱いについて真摯に検討を
行いました。
その結果、未曾有の危機的状況に対処するため、既に提出している給与臨時特例
法案が、今般の人事院勧告による給与水準の引き下げ幅と比べ厳しい給与減額措置を
講じようとするものであり、総体的に見れば、その他の人事院勧告の趣旨も
内包しているものと評価できることなどを総合的に勘案し、本年の人事院勧告を
実施するための法案は提出しないこととしたものであり、人勘不実施の実績を
つくりたいという何らかの政治的思惑があったとのご指摘は当たりません。
いずれにせよ、政府としては、給与臨時特例法案の早期成立に向け、最大限の努力を
行ってまいります。
一方、国家公務員制度改革関連4法案は、効率的で質の高い行政サービスを
実現させるためのものであり、できるだけ早く成立させていただきたいと考えて
おります。
なお、今般の閣議決定においては、国家公務員以外の公的部門の人件費についても
各般の措置を講ずることとしています。

■続いて、人勧について引き続きご質問がございました。
ご案内のとおり、政府は、大震災復興の財源を確保するためにさまざまな歳出削減
努力に努めており、その一環として、国家公務員給与についても平均7.8%削減を
臨時的に実施する法案を提出し、その早期成立をお願いしております。
一方で、今年の人事院勧告は、国家公務員給与について0.2%の削減を勧告して
おり、7.8%の削減とはかけ離れた内容となっております。
従って、政府として、国会に提出をしている給与法改正案の一刻も早い成立を
お願いするとともに、それを待たずに、まず総理、閣僚等の報酬の自主返納を
実施させていただきます。
政府の方針は、労働団体からの要請に基づくものではなく、労働団体が政府方針に
ご理解をいただいているものと認識をしております。
谷垣総裁におかれましては、ぜひこの趣旨をご理解いただきまして、法案成立に
ご協力をいただきますようにお願いを申し上げます。

■1票の格差是正についてお尋ねがございました。
この国会において、憲法違反の状態となっている1票の格差を是正するための措置を
図ることや、定数の削減と選挙制度のあり方についても、与野党の議論が進むことを
強く期待をしています。
いわゆる区割り審の審議再開については、各県1議席別枠を定めた区割り審設置法
第3条2項の廃止、また格差是正のための区割りの方針について設置法の改正が
必要であり、また勧告期限の延長も現実に必要と認識しております。
なお、勧告期限の延長期間や周知期間の問題は、今後の各党の協議いかんであると
考えます。
国会の不作為が最高裁によって指摘されている中で、違憲状態からの脱却に向けて、
御党の細田先生の試案もあり、民主党も案をご提案し、各党間の協議が開始されて
いると理解をしております。
今国会中に法改正が実現することを強く期待をしております。
なお、解散権についての解釈は不変であり、憲法に定められたとおりと理解をして
おりますが、まず震災復興、原発事故収束、そして現実に危機的な状況にある経済と
金融の危機への対応を的確かつ迅速に進めなくてはならないと考えております。

■政治とカネの問題についてのご質問をいただきました。
ご指摘の、外国籍の方からの寄附問題については、誠実に対応したいと考え、
専門家によるご協力をいただき、時間はかかりましたが調査をしてまいりました。
国会でお取り上げいただいた問題ですので、国会の質疑の中でお答えをしていきたい
と考えておりました。
調査の結果、私の資金管理団体において、過去に寄附をいただいていた方2名が
外国籍であった事実が判明し、今月26日に全額を返金いたしました。
なお、1名の方は、平成18年を最後に、7年間で合計26万1千円、もう1名の
方からは、平成15年を最後に、間は飛びますが、3年で合計21万円の寄附が
ございました。
この寄附は日本人名での寄附であり、団体の会計担当者も、外国籍の方とは知らず、
気がつきませんでした。私自身も、お二人が外国籍であることは全く存じ上げません
でした。大変申し訳なく思っており、ご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび
申し上げます。
今後、返金した事実については政治資金収支報告書に記載するとともに、専門家の
ご指導をいただき、このようなことのないよう十分注意をしていきたいと考えて
おります。
なお、脱税企業からの献金というご指摘に関しては、税務に関する事実関係を承知
しておりませんでしたことは、既に国会でお答えしたとおりでございます。
小沢議員の国会招致の問題については、各党会派でご議論をいただきたいと
考えますが、既に本人の公判も始まっており、説明責任については本人が法廷に
おいて果たすものと考えております。現時点においては、裁判を冷静に果たすものと
考えております。

[10月31日 衆議院本会議場]

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 【4】野田総理の答弁について~谷垣禎一総裁ぶら下がり会見から~
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■私が自分の代表質問で狙いとしたものは、要するに、今、野田さんが政権につかれ
て、安全運転なんですが、いろいろな課題に直面しているわけです。
当面は、復興財源をどうするかということであり、それから、そろそろ社会保障と
税をどうしていくか、特に税の問題をどうしていくか、特に消費税の問題が
もうじき浮上してまいります。
それから、普天間の問題、TPPの問題、いずれも小手先では解決できない、
政治の力量と言いますか、単に政策論の中身の詰めというだけでなくて、
対外交渉の力も問われるし、あるいは国民・有権者に対する説得、あるいは反対論者
もたくさんいるでしょうから、そういう人たちに対する説得ということもあるでしょ
う。そういうあらゆる意味での政治の力量が問われる問題がこれから目白押しなわけ
です。単に安全運転というだけでは、解決することは不可能である。

■私は、それぞれ一つの中身だけではなくて、それに対する総理の覚悟、それから
そういうものを運んでいく場合には、政治の場合には、手順、プロセス、いわゆる
段取りをどうつけていくか。
つまりそういう全体のプロデュース作業と言いますか、演出作業が必要なわけ
ですが、そういうこれからの課題に向けての野田政権の全体の展望を問うて、
そういうことをきちっと詰めていけば、背景に、2年前の選挙のマニフェストは
一体何だったのか(ということがあります)。そのマニフェストというものは、
大きな意味で国民との契約関係を裏切るものである以上、必然的に国民の信を
問い直して、要するにもう一回問い直して、体制を立て直していかない限り、
これらの問題を解決していくのは不可能であるということを明らかにしようと
いう意図でした。

■それに対して、野田総理の答弁は、実は時間も非常に早く終わってしまった。
ある意味では、安全運転と言えるかもしれません。あまり食い足りる中身でも
なかった。
例えば、3次補正で、私どもは区分管理をしっかりして、そして、復興財源に
しても、その後に消費税が控えていることを考えると、いっぺんにそこに負担が
集中するということではなかなかできないのではないかという観点から、
償還期間をどのくらいにするのかを問うたわけですが、従前の主張の繰り返しで、
若干与野党協議の推移を見ながら、というのもあったと思いますが、
極めて私どもからすると、物足りない内容であった。
このような力技を十分解決していくだけの展望と言いますか、覚悟というものが
残念ながら、十分に我々としては評価できないということではないかと思います。
予算委員会等で詰めていかなければならないと思います。

[10月31日 衆院第24控室]

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            ★NEWSクローズアップ★  
       田野瀬良太郎幹事長代行に聞く「政権奪還後の姿明確に」
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党役員改選に伴い「幹事長代行」が新設され、田野瀬良太郎衆院議員が就任しました。
これまで総務会長、幹事長代理として谷垣禎一総裁を補佐してきた田野瀬幹事長代行。
今後、政権奪還に向けた党改革に加え、衆院選挙制度に関する各党協議会の
メンバーとして、衆院の「一票の格差」是正が急務となる。
これらの課題にどう対応していくのか―。田野瀬幹事長代行に聞きました。

■党改革、「1票の格差」是正に全力

―幹事長代行の果たす役割は何ですか。

【田野瀬幹事長代行】
幹事長代行を新設したのは、石原伸晃幹事長を補佐する体制を強化するためです。
幹事長代行に加え、幹事長代理を3人に増員、副幹事長を16人とし、それぞれの
役割分担を明確にしました。
そのなかで幹事長代行の職務ですが、石原幹事長の多忙時に、来客対応などの党務を
代行することが基本です。また今後、選挙制度改革はじめ各党協議が増えてくる
ことが予想されます。カウンターパートである公明党の斉藤鉄夫幹事長代行、
民主党の樽床伸二幹事長代行の窓口役を務めると共に、与野党幹事長会談に至る
までの前捌き的な役割を担っていかなければなりません。

―政権交代以降、わが党はどう変わってきましたか。

【田野瀬幹事長代行】
政権交代後、わが党議員は、反省すべきは反省し、改革に取り組む意識が
強くなったと感じています。また、どうすれば政権奪還をできるのかという戦略的
発想が強くなっています。
例えば、政権交代直後から、各議員が議論を積み重ね、ものすごいエネルギーで
新綱領を策定しました。本格的な政権公約の作成過程でも、こうした意識で議論を
していくことが重要だと思います。

―政権奪還のために今何が必要ですか。

【田野瀬幹事長代行】
政権与党時代に比べ、マスコミのわが党に対する報道量は大幅に減少しました。
それだけに、わが党をアピールする発信力が必要です。
自民党は政権交代後こう変わった。そして、政権を奪還すれば、このような日本を
つくるのだということを明確に発信しなければなりません。
そこでポイントとなるのは、総裁、幹事長、総務会長、政調会長、国対委員長の
定例記者会見のほか、党役員や各議員のテレビ出演です。そこでの発言内容は
極めて重要となりますので、幹事長のもとにある報道局を中心に、党役員や
出演議員と緊密に連携していきます。

■戦略的に野田政権と対峙

―今国会をどう位置付け、野田政権とどのように対峙していく考えですか。

【田野瀬幹事長代行】
今国会は、来年の通常国会で野田政権を解散・総選挙に追い込むための前哨戦です。
もちろん、東日本大震災の復旧・復興対策を盛り込んだ平成23年度第3次補正
予算には全面的に協力し、早期成立させなければなりません。
しかし、3次補正成立後は、野田政権に対しては是々非々の姿勢で臨み、戦略的に
野田政権と対峙する方針です。
政策面では、民主党政権は、予算の組み替えで出てくるとした16.8兆円の財源を
捻出できず、「子ども手当」などの「バラマキ4K」は廃止、見直しされることと
なり、マニフェスト違反が明らかとなりました。
いかにマニフェストが絵に描いた餅であったかということを浮き彫りにして
いかなければなりません。
それから、野田佳彦総理は、「適材適所」だと述べていますが、鳩山、菅両政権に
続き、すでに閣僚が数々の失言を行うなど野田政権の顔ぶれを見れば非常に危うい
ものがあります。国会論戦を通じ、不適格な閣僚をあぶり出していきます。

■各党と粘り強く協議

― 一方で、衆院の「一票の格差」是正が急がれます。

【田野瀬幹事長代行】
今年3月の最高裁判決では、一昨年の総選挙を「違憲状態」とし、各都道府県に
1議席を配分する「1人別枠方式」の廃止を求めています。「一票の格差」是正に
向け、10月19日から始まった各党協議会の議論を加速させなければなりません。
わが党は、細田博之党・政治制度改革実行本部長のもとで、小選挙区300議席を
295議席にする「0増5減」、比例代表を30議席削減する改革案を取りまとめ
ました。わが党は、同案を基本に各党協議会の議論を進めていきます。
次のステップとしては、国会議員の定数削減です。わが党は昨年の参院選公約で
衆参両院の国会議員722人を3年後に1割削減の650人に、6年後には
3割削減の500人とする改革案を示しました。公約の実現に最大限の努力を
していかなければなりません。ただ、「一票の格差」是正や、国会議員の定数削減は
各党の考えに大きな違いがありますので、粘り強く協議していく方針です。

[機関紙「自由民主」2484号より掲載]

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              ★政策トピックス★
        平成23年度第3次補正予算 正すべきポイント
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■はじめに

【これまでのわが党の対応】

東日本大震災発生直後から、我々は、震災対応に万全を期すため「緊急法整備チーム」
や「復興基本法等の検討に関する特命委員会」、「原発事故被害に関する特命委員会」
などを設置し、真剣な議論の末、577項目にも及ぶ政策提言を行った。
また、本来、法案を矢継ぎ早に提出し施策の迅速な執行を図るべき政府が、
あまりにも遅い対応に終始していることから、わが党は、「東日本大震災復興基本法」
をはじめ復興関連法案(33本)の早期成立を促し、「ガレキ処理法」や「二重ローン
救済法」など議員提案(12本)を積極的に行った。
さらに、我々は平成23年度当初予算については、子ども手当をはじめバラマキ4K
予算などの計上を理由に反対したが、復旧・復興の関連予算であった第1次補正予算、
第2次補正予算については、「復旧・復興を最優先」との考えの下、全面的に協力を
行ってきた。我々は、この間、対応の遅い政府・民主党を常にリードしてきたところ
である。
 
【復旧復興の遅れは政府の責任】

政府の震災対応が、あまりに遅く、その規模があまりに小さいことは、平成23年度
第1次補正予算(約4兆円、発災後52日後成立)と第2次補正予算(約2兆円、
発災後136日後成立)を見ても明らかである。
ガレキ処理や道路・鉄道等の生活インフラの復旧などが遅れ、結局、震災から
8ヶ月を迎えようとする今日に至っても、被災者の生活再建、被災地の復興への
展望が開けない状況が続いている。
こうした現状を早急に打破するために、我々は、1次補正成立後にも本格的な復旧・
復興予算を早期に編成すべきと「震災後の経済戦略に関する特命委員会」を発足させ、
7月8日には17兆円規模の第2次補正予算案を提案した。
しかし、結果として政府の第2次補正予算は小規模(2兆円)にとどまり、
民主党の代表選挙などを経て、我々の提案から遅れること実に4ヶ月、やっと第3次
補正予算の提出に至った。
被災地の現状がほとんど改善されない大きな原因は、予算の編成・執行が大幅に遅れ、
具体的な復旧・復興の道筋が示されないことにあり、政府の責任は極めて大きい。

【本格復興に向けたわが党の基本姿勢】

我々は、被災地の早期の復旧復興が第一の政治課題であるとの認識を改めて掲げると
ともに、復旧・復興に対しては全面的に協力していくとの姿勢に何らの変化もない。
同時に、復興対策の「本質」を見誤らないよう政府を正していく責任を、野党として
しっかりと果たしていくものである。

■歳出面における指摘

【見えない復興の全体像】

政府は、復興の基本方針において復旧・復興対策に要する経費を平成27年度末
までの5年間の復興集中期間で19兆円程度、32年度末までの10年間で
23兆円と見込んでいる。
しかし、被災地の宮城県は今後の復興費用を12.8兆円、岩手県は8兆円が必要と
していること、さらに東京電力から求償するとしても、除染費用のみでも数兆円とも
言われる原発事故への対応などを考えると全く足りる規模ではない。
今後5年間の復興集中期間を見ても、今年度第1次、第2次、第3次補正予算を
合わせて既に15兆円を計上しており、残りの4年間での復興費用は4兆円程度と
なる。
既に来年度予算概算要求で3.5兆円が復旧・復興対策に係る経費とされており、
25年度以降分は1兆円以下となってしまう。こういう規模では本格的な復興は
到底望み得ない。

【わが党の積極的な提案】

我々は上述の通り既に7月8日に17兆円規模の対策を打ち出していたが、
政府・民主党は10月に入ってから第三次補正予算案を固めた。
我々は直ちにわが党提案のうちどれだけの項目が政府案に組み込まれているのかを
検証し、7.1兆円の予算上積み案を打ち返した。
これに対して、政府・民主党は、そのほとんどが「23年度分については第3次補正
予算までの対応で十分に措置されている」と説明し、今年度内の執行には限度がある
との言い逃れに終始している。被災地の実情を考えればさらなる上積みは不可欠で
あり、政府・民主党の対応はまさに財務官僚の言いなりであり、
後に述べる償還期間の問題ともども、まさに掛け声だけの"政治主導"である
民主党の限界を露呈した。
「早期の復旧・復興」こそが我々の究極的の目標である。復旧から本格的な復興に
向かう大事な時期である今、本格的な復興に弾みをつける施策が求められている。
我々は、17兆円の提案を基に、各府省の第3次補正予算案について足らざる項目を
積み上げた結果、上述の如く7.1兆円の補正予算の上積みを行うべきであるという
結論に至った。その内容は以下の通りである。

           【上積み分7.1兆円の主な内容】

【A】復旧・復興事業・・・・・・・・・・・・・約1.6兆円
   ・災害臨時交付金(5000億円)
   ・学校等の早期復旧・耐震化の加速(800億円)
   ・災害復旧の加速化の予算積み増し(7100億円)
   ・ヘドロ処理(4000億円)

【B】被災者の生活再建/被災地の事業再生・・・約1.5兆円
   ・きずな基金創設(3000億円)
   ・頑張れ農業・水産業復興基金の創設(6000億円)
   ・中小企業の資金繰りの拡充(3800億円)

【C】被災自治体等への支援・・・・・・・・・・約1.6兆円
 
【D】原発事故対応・・・・・・・・・・・・・・約0.8兆円(除染費用を除く)
   ・原発事故被害への仮払いを含む早急な対応(5900億円)

【E】強靭な国土づくり・・・・・・・・・・・・約0.4兆円

【F】わが国産業の基盤強化・・・・・・・・・・約1.0兆円
   ・サプライチェーンの再構築(5000億円)

【G】その他・・・・・・・・・・・・・・・・・約0.3兆円

(注)計数においては、それぞれ四捨五入により、端数において合計とは
   合致しないものがある。

【真に必要な復興予算を】

一方で、第3次補正予算案の内容を精査した結果、NPO等地域支援、相談窓口、
情報発信など同趣旨の事業が複数の府省庁に計上されているものや、本来の復興事業
とその他の事業が混在し、明らかに復旧・復興に関連性のない事項も含まれている
ことが判明している。
今後、予算委員会等の国会審議で厳しく追及していく必要がある。

■歳入面における指摘

「復興債」については、4月29日の民自公の3党合意で復興財源としてその発行が
確認されており、その後、「東日本大震災復興基本法」にも明記された。
わが党は、7月8日に "17兆円の対策案"を提示した際に、復興債の発行による
十分な財源確保を強く主張した。
しかし、政府・民主党は、財源のやりくりに汲々とし、我々の提案に耳を貸すことも
なく4ヶ月が経過した。政府が、夏の時点で復興債の発行を決断できなかったことが
本格的な復興予算編成の遅れになったことは明らかである。
やっと提出された第3次補正予算案であるが、歳入面において、大きく3つの問題が
ある。

【復興債は長期間で償還を】

第1は、復興債の償還期限の問題である。そもそも、野田総理の言う「今を生きる
世代が連帯して分かち合う」ために償還期限を10年にするという考え方には
何の根拠もなく、復興において建設される道路・橋などのインフラは、将来の世代も
利用する資産であり、建設国債の考え方を参考にし、それに準ずる長期償還と
すべきである。また、長期償還にすることによって、単年度の税負担の軽減が
図られることになる。

【「復興特別会計」の創設を】

第2は、区分管理の問題である。復興関係の予算については、特別に復興債の発行を
予定していることや、その歳出や歳入を国民に分かりやすく示す必要があることから、
他の予算と一緒に一般会計に計上せずに、「復興特別会計」を創設し、別途経理する
ことが肝要である。これによって来年度以降の一般会計の膨張も、しっかりと抑制
して行く。

【震災の前からマニフェストは破綻】

第3は、政府・民主党が、子ども手当などマニフェストが実現できない理由に、
復興財源の捻出を挙げていることであるが、これは詭弁そのものである。
マニフェストの実行は、大震災発生前の平成23年度当初予算の編成時点(昨年末)
ですでに困難となっており、ムダの削減や予算の組替えで捻出できるとしてきた
民主党の財源論が、震災前に完全に破綻していたことは明白である。
子ども手当や高速道路の無料化の廃止で得られた財源は本来、増発した赤字国債の
発行の減額に充てることが筋である。
マニフェストを実施できない理由・責任を震災に求めることは事実に反するもので
あり、被災地の方々に対しても失礼千万である。
国民との契約であるマニフェストの撤回は、重大な公約違反であり、復興対応とは
別次元で国会の審議を通じ厳しく追及していく。

■おわりに

被災者の生活は未だ安定せず、冬を間近にし、日ごとに不安が大きくなっている。
復旧・復興の予算はこの第3次補正で終わるものではない。
来年度予算編成、それ以降の復旧・復興対策にも我々は万全を期していく。
そのためには、フルスペックで機能する「復興庁」を早急に発足させなければならな
い。提出された政府の『復興庁設置法案』は、東日本大震災復興基本法に沿うもので
はなく、このような実施機能を十分に備えない復興庁では被災地の期待には
全く応えられない。真の復興につながる復興庁の創設を我々は全力で図っていく。
さらに大きな課題は、長引くデフレの状況の下、大震災の発生、さらに急激な円高と
日本経済が危機的状況に立たされていることである。我々は、「日本経済全体の回復
こそ、被災地の早期の復興につながる」との考えの下、日本全体が受けている震災の
影響を最小限にくい止め早期の回復を図るため、金融政策を含め必要な政策を着実に
実行していく覚悟である。
我々は被災地の一日も早い復旧・復興、そして日本経済の再生に向け、全力を傾注し
邁進することを改めて決意する。

[11月2日発表]

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