自民党政策集 J-ファイル2010(マニフェスト)

世界をリードする「教育立国日本」を創造します
子どもたちに世界トップレベルの学力と規範意識、そして日本に誇りが持てる教育再生、一人の落ちこぼれも出さない教育を行います。
理念なきバラマキ、日教組の偏向教育丸呑みなど、国民の間に不安が広がる民主党政権の教育政策に対し、「教育再生」の流れを止めることなく、「人間力」を高めるための教育を推進します。

212 世界トップレベルの学力と規範意識を兼ね備えた教育

 「教育基本法」に基づき、「教育振興基本計画」「新学習指導要領」を確実に実施するため、OECD諸国並み(5%)の公財政教育支出を目指します。全国学力・学習状況調査を悉皆(しっかい)調査に戻し、全ての子どもの課題把握、学校・教職員の指導改善に生かします。さらに土曜授業を復活させます。
 国旗・国歌を尊重し、わが国の将来を担う主権者を育成する教育を推進します。過激な性教育やジェンダーフリー教育、自虐史観偏向教育等は行わせません。道徳教育や市民教育、消費者教育等の推進を図るため、新科目「公共」を設置します。中学・高校でボランティア活動やインターンシップを必修化し、公共心や社会性を涵養します。農山漁村地域での体験学習等を推進します。

ジェンダーフリー教育 男らしさや女らしさなど性差を否定したり、伝統文化を否定する教育。

213 激動の時代に対応する、新たな教育改革

 世界トップレベルの教育立国とするため、幼児教育の無償化、小学校5・6年生への教科担当制の導入、義務教育化を含めた高等学校の理念・あり方の検討等、現行の六・三・三・四制の是非について検討し、新時代に対応した「平成の学制大改革」を行います。
 「高校卒業検定試験」等の実施を図り、確実に学力を身に付けさせます。併せて、大学全入時代の大学入試のあり方そのものを検討します。例えば、東京大学において、現行の入学試験とともに、世界のリーダーたる人材の養成を前提とした入学試験を行います。一度社会に出てからも、学び直しができるよう、社会人が再び大学で学べるシステムを導入し、キャリアアップの機会保障と再チャレンジを促進します。

214 安心して、夢の持てる教育を受けられる社会の実現

 質の高い教育ときめ細かい指導を行うために、教職員定数を改善します。教育の地域間格差が生じないよう、教育の正常化を図ったうえで、義務教育のあり方について検討します。「安全配慮義務」の周知徹底を図る等、いじめ問題に全力で取り組みます。17万人を超える不登校者、6万5千人を超える高校中退者を出さないための教育を実現します。
 真に公助が必要な児童・生徒が安心して高校、大学、専修・各種学校に通えるよう、新たな就学援助制度や給付型奨学金の創設、特に私学における低所得者の授業料無償化等を行い、家庭の経済状況に関わらず、志ある子どもたちの夢を徹底支援します。

給付型奨学金 返済義務のない奨学金。

215 公私間格差の是正・私学助成の拡充

 公教育において私学が果たしてきた重要性に鑑み、私学の建学の精神を尊重しつつ、「私立学校振興助成法」の目的の完全実現(教育条件の維持・向上、修学上の経済的負担の軽減、経営の健全性向上)のため、公私間格差の解消を図るとともに、私学助成を大幅に拡充します。

216 教育の政治的中立を確保するための「新教育三法」

 「教育公務員特例法」違反者に罰則規定を設け、教職員組合(日教組等)の政治的中立確保及び、選挙活動・強制カンパ等の違法活動を防止します。教職員組合の収支報告を義務付け、公金を原資とした資金の透明化を図るとともに、違法活動団体は、「地方公務員法」に定める人事委員会の登録団体から除外します。「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法」の徹底を図り、教育委員会等に必要な調査を義務付けるための法改正を行います。
 さらに、北海道や山梨、神奈川の教職員組合がおこした政治資金規正法違反事件等を徹底的に究明し、教育の政治的中立・正常化に関する国民的な議論を喚起します。

217 教師の質を高め、頑張る教師を応援

 メリハリある給与形態の確立や優秀教員認定、及び教員が子どもたちに没頭できる教育システムを構築し、真に頑張っている教師を徹底的に応援します。教員人事への教職員組合等の介入を排し、教育委員会の責任のもと、バランスのとれた教員配置を実現します。
 教職員の資質向上と教育水準の維持・向上のため、教員免許更新制度の運用面での課題を是正し、実効ある制度設計を行います。一方、指導力不足教員は教壇に立たせません。

218 安全・安心な学校環境の構築

 民主党政権は高校授業料無償化の財源確保のため、学校耐震化・老朽化の予算を3分の1以下に削減しましたが、わが党はこれを厳しく追及し、政府に予備費の使用を決定させました。学校の耐震化・老朽化(築30年以上が約5割)対策を強力に推進し、100%実施します。
 また、わが党主導で、無認可共済となっていたPTA等の共済制度を確立するための「PTA・青少年教育団体共済法」が成立しました。今後とも、安全・安心な学校環境の構築に取り組みます。

219 幼児教育の充実・強化と幼児教育の無償化

 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものです。全ての子どもに質の高い幼児教育を保障するとともに、国公私立の幼稚園・保育所・認定こども園を通じ、全ての3歳から小学校就学までの幼児教育を無償化します。
 就学前の多様化する教育・保育ニーズに柔軟に対応するため、幼稚園・保育所・認定こども園の教育機能の充実・強化を図ります。

220 読解力を高める国語教育

 国語科は各教科等の学習の基盤であり、小・中・高等学校を通じて国語教育の一層の充実を図ること、特に、読解力、知識・技能の活用等、思考力・判断力・表現力の育成を重視することが必要です。そのため、国語科の授業について、「子どもの言語能力を育てる授業」へと改善し、具体的には、OECD/PISA調査の読解力の育成のため、子どもが「聴いて→考えて→つなぐ」学習を展開します。

221 外国語活動を含めた外国語教育の充実

 「教育振興基本計画」で外国語教育の充実が掲げられており、「新学習指導要領」が小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から完全実施されるにもかかわらず、政府行政刷新会議「事業仕分け」が「英語教育改革総合プラン」を廃止と判定した結果、予算が前年度比マイナス74.3%と、大幅に削減されました。
 しかし、例えば「英語ノート」は、特に外国語指導助手(ALT)等がいない町村部で活用されており、「英語ノートがなければ平成23年度からの外国語活動が実施できない」等の意見が現場には強くあります。わが党は、今後とも外国語活動を含めた外国語教育の充実を図ります。

222 理数教育及び才能教育の大幅な充実・強化

 次世代を担う理数好きな子どもを増やすため、体験活動や実験教室の充実、理工学部の学生や企業関係者等の外部人材の活用、さらには理数教育に携わる教員の指導力向上等、初等中等教育段階での理数教育を大幅に充実します。「事業仕分け」で「理科支援員等配置事業」が「廃止」とされましたが、わが党は事業の継続実施や設備整備の支援を今後とも推進します。
 将来、世界のリーダーとなるような明確な目的意識を持つ子どもの育成に向けて、優れた資質を伸ばし、育てる才能教育を強化します。「スーパーサイエンスハイスクール」を一層拡充するとともに、国際科学オリンピックに参加する児童生徒数の大幅な増加を促進し、国際的な交流機会を拡大します。

スーパーサイエンスハイスクール 文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度。

223 真に外国人との友好を築く日本語教育

 外国人の子どもが公立学校に通っても、日本語が分からない等の理由により授業についていけず、不就学になる者が多いとの指摘があり、日本語指導員の配置等、学習者の日本語能力に応じたきめ細かな受入体制を構築します。
 外国人の大人に対する日本語教育は、体制が十分に整備されているとは言えません。外国人に対する日本語教育の質と量を十分に確保するためには、日本語を学習する機会の拡充が必要であり、「生活者としての外国人のための日本語教育事業」等を継続的に実施・充実させます。わが党は、民主党のように単に外国人にもお金を出せば良いという施策ではなく、真に外国人との友好を育むための環境整備を行います。

224 一人ひとりを大切にし、充分に力を伸ばす特別支援教育

 養護教諭の複数化の充実、特別支援教育コーディネーターの機能強化、高等学校への支援員の配置、発達障害のある児童生徒の実態調査の検討、ICT等の技術を活用した教材等の研究、指導内容・方法の工夫改善、障害のある生徒に配慮した高校入試の実施、中・高連携による進路指導の充実、特別支援学校等と産業界との連携による実践的指導の実施、障害者就労支援コーディネーターの配置、国立大学法人附属学校における特別支援教育の推進・充実等に重点的に取り組み、発達障害を含む障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育を推進します。

特別支援教育コーディネーター 各学校において、教育的支援に携わる人・機関を連絡調整するキーパーソンで、校内または福祉・医療機関などの関係機関との間の連絡調整役、保護者に対する学校の相談の窓口の役割を担う者。すべての盲・聾・養護学校及び小・中学校において指名し、校務分掌に明確に位置づけることが求められている。

225 受験一辺倒でない多様な選択肢を持つ教育

 普通高校以外に、最先端の職業教育を行う専門高校を設置する等、受験一辺倒でない、多様性・専門性のある選択ができるようにします。
 専門学校の果たしてきた実績に基づき、職業教育に特化した新しい高等教育機関を創設し、「学校教育法」上の地位についても検討します。現状の専修学校各種学校の存在意義を十分認識して、他の学校群との制度的格差の解消を目指し、財政的支援や教育内容の充実に向けての公的支援等を図ります。

226 高等教育政策・大学政策の積極的な推進

 東大・京大等に民間企業型ガバナンスを導入すること等により「民営化」、「スーパー・ユニバーシティ化」を図り、私学も含め5年後までに世界の大学ランキングの10位以内に3校、30位以内に5校以上入ることを目指します。大学を国際標準である9月入学とし、高校卒業後の3ヵ月間は社会体験ボランティア活動期間とします。
 「高等教育庁」の検討等、公正かつ抜本的な高等教育・大学振興策を策定・推進します。私立大学の収入の約8割は学生納付金であり受益者負担が重く、国公私立大学の設置形態論・経費の受益者負担論の見直し等を行い、財政支出の仕組みを再構築します。地域共創(大学と地方・地域社会、産業の連携)運動を積極的に推進します。

227 大学の基盤的経費の確保

 わが国の基礎科学の中核を担っているのは、多様な人材が集い、教育活動や研究活動を行っている大学ですが、近年、その安定的な教育研究活動を支える基盤的経費(国立大学法人運営費交付金及び施設整備費補助金、私学助成)が大幅な減少傾向にあります。
 これにより、教員数の維持や施設・設備の管理・運用等で、多大な困難が生じていると指摘されていることから、わが国の基礎科学を強化する観点により、これらの基盤的経費を十分に確保します。

228 大学院教育の抜本改革

 大学院について、研究活動のみならず教育活動を一層重視し、体系的かつ集中的な人材育成の取組みを強化するとともに、社会の多様な場で活躍する人材を育成・確保するため、産業界や優れた人材育成の取組みを行っている公的研究機関等との密接な連携・協力を推進し、大学院における教育活動を強化します。
 世界をリードする大学院の形成を促進するとともに、世界水準にある大学院の層に厚みを持たせるため、世界最先端の優れた教育研究活動を行う大学や特定分野で質の高い教育研究活動を行う大学等に対する重点的支援を強化します。教育研究活動の「たこつぼ化」を排除するため、学問分野別に細分化されて設けられている学協会の改革を促進します。

229 沖縄振興の推進と沖縄科学技術大学院大学の実現

 厳しい経済・社会状況を踏まえ、沖縄振興計画に基づき、自立型経済の構築を目指します。沖縄の魅力・優位性を活かし、観光や情報通信産業を始めとする各種産業の一層の振興、人材育成、雇用の創出などの取組みを進めるとともに、県土の均衡ある発展に向け、離島の活性化、基地跡地利用の促進を図り、さらに重点的・戦略的な社会資本整備等を進めます。また、世界最高水準の教育研究を目指し、沖縄科学技術大学院大学の平成24年度までの開校に向け、「沖縄科学技術大学院大学学園法」に基づき準備を着実に進めます。これにより、沖縄の自立的発展及び世界の科学技術の発展に寄与していきます。

230 博士課程学生に対する支援強化及び若手研究者の活躍促進

 入学金や授業料免除の対象拡大、給付型奨学金の創設、ティーチング・アシスタント及びリサーチ・アシスタントの充実など博士課程学生への経済支援を抜本的に拡充し、学生全員が安心して学べる環境を整備します。
 単なる任期付ではない若手研究者のポストを大幅に増やすとともに、キャリアパスを多様化するため、産業界の研究職や知的財産管理等の研究支援に携わる専門職等での活躍を促進します。公的研究機関等における、ポスドク等を対象とした専門人材育成の取組みを支援し、活躍機会を拡大します。若手研究者が自立して研究に専念できるようにするための新たな研究資金制度として、当該研究者の名前を冠した「冠プロジェクト」を創設します。

231 「留学生30万人計画」と学生・研究者の国際交流の積極的推進

 「留学生30万人計画」の2020年実現を目指し、国・地域・分野等に留意しつつ、優秀な留学生を戦略的に獲得します。
 わが国の学生や若手の研究者が内向き指向にあると指摘されており、世界で活躍する優れた人材の育成を強化するため、高校生を含む学生の留学機会を拡大するとともに、若手をはじめとする研究者の海外研鑽の義務づけや機会の大幅拡大を推進します。世界水準の教育研究活動を展開するためには、海外から優れた研究者を受け入れ、協働で研究活動に取り組むことが不可欠であり、奨学金の充実や受け入れ機関の体制整備、周辺の生活環境の整備等を推進し、優秀な留学生や海外からの研究者の受け入れを大幅に拡充します。

232 「スポーツ基本法」の制定と「スポーツ立国」の実現

 スポーツを国家戦略として推進するため、「スポーツ基本法」を制定し、スポーツ庁、スポーツ担当大臣を新設します。オリンピック等で日本人選手が活躍できるよう、国際競技力向上に向けた諸施策を推進するとともに、2020年オリンピック・パラリンピックの招致運動に取り組みます。さらに、2019年ラグビーワールドカップの成功と2022年のサッカーワールドカップの招致に全力を尽くします。
 学校における体育や運動部活動の充実、全国体力・運動能力等調査の結果の活用による子どもの体力向上の取組みを推進します。国民体育大会、総合型地域スポーツクラブ、指導者養成事業など各種スポーツ振興事業の充実を図り、国民各層のスポーツの生活化を促進します。

233 スポーツ振興体制の充実・強化

 スポーツ振興に対する一層の財源を確保するため寄付金の全額が法人税の損金算入の対象となるよう、指定寄付金のあり方について検討します。生涯スポーツの振興並びに競技力の向上を実現していくため、スポーツ関係団体・組織の一層の充実・活性化を目指し、引退後の選手の生活の保障も合わせたセカンドキャリアの活用をはじめ、優れた人材並びに財源の確保を図ります。
 なお、ゴルフについては国民スポーツ・生涯スポーツとして確立したことから、ゴルフ場利用税のあり方を検討します。

234 世界に誇るべき「文化芸術立国」の創出

 日本文化を戦略的に海外発信するため、アニメなど日本ブランドとしてのメディア芸術の振興や人材育成、制作者の待遇改善を図ります。文化交流の相手先と内容の重点化、優れた芸術の国際交流の推進、海外の日本語教育拠点の100か所への拡充等を行います。海外の美術品等のわが国における公開を促進するため、議員立法で「海外美術品等公開促進法」を制定します。
 文化芸術の創造性が産業や地域の活性化に結びつく取組みを行う「文化芸術創造都市」が全国各地に形成されるよう支援します。また、義務教育期間中に、全ての子どもが、質の高い文化芸術を最低2回(伝統文化と現代文化を各1回)は鑑賞・体験することができるようにします。

235 文化芸術活動の支援、文化財の後世への継承

 文化芸術団体の円滑な活動のため、専門的人材の育成や意欲的・先進的な活動に対してより手厚い支援を行います。寄付文化の醸成を図るための税制上の優遇措置を検討します。東京には伝統寄席演芸の鑑賞の場(国立演芸場)がありますが、関西にはないため、関西(大阪)における「国立伝統芸能演技場」(仮称)の設立について検討します。実演芸術の専門家、団体の育成及び拠点となる劇場・音楽堂等を整備するための「劇場法」の制定を目指します。
 地震や火災等の災害から文化財建造物を護るための防災対策を推進します。貴重な民俗文化財について、後世に確実に引き継いでいくため、映像記録(デジタルデータ)等の作成を推進します。

236 世界の文化が輝き、溢れ、交流する「場」の創出
         ―文化のプラットホームとしての日本―

 わが国はその歴史を通じて、常に新しい文化を取り入れ、既存の文化と融合させながら自らのものとして発展させてきました。この日本文化のもつ力を活用して、開かれた文化の国であり続けるための人づくり、世界の文化が交流する「場」を各地で展開するなど、「文化のプラットホームとしての日本」を創出する施策を推進します。

237 「科学技術・イノベーション駆動型」の国づくり

 「科学技術・イノベーション駆動型」の国づくりを目指すため、第4期科学技術基本計画で25兆円を上回る政府研究開発投資総額を目指します。
 世界をリードする新たな知の資産を絶え間なく創出し続けていくためには、研究者の自発性や独創性に基づいて行われる研究の一層強力な推進が不可欠であり、これを支える科学研究費補助金を大幅に拡充します。科学研究費補助金で生み出された研究成果等を基に、それをさらに発展・深化させ、新たな知的資産の創造やイノベーションに結びつけるため、戦略的創造研究推進事業等の競争的資金について、その多様性や連続性を確保しつつ、大幅に拡充します。同時に、全ての競争的資金について、間接経費30%を確保します。

238 イノベーションの実現に向けた制度改革

 研究開発税制やエンジェル税制の対象拡充等の税制改革やベンチャー支援の充実等の制度改革、特許等の知的財産の迅速な保護及び円滑な利活用を促進するための知的財産制度の改革、イノベーションの隘路となっている規制や社会制度等の改革を強力に推進します。国際標準の獲得を目指す各国の動きが一層活発化していることから、特に、アジア諸国等との連携・協力の促進を念頭に置いて、官民協働による戦略的な国際標準化活動を抜本的に強化します。
 わが国が優れた技術を持つ水システムや原子力等の基幹インフラについて、建設から運用、人材養成への寄与までを一体システムとしてとらえ、官民協働による海外輸出・展開活動を大幅に強化します。

239 世界に冠たる研究開発拠点の形成

 イノベーションを生み出していくためには、大学や公的研究機関、産業界等が集い、協働で研究開発に取り組む「場」の構築が必要です。特に、わが国の強みを有する分野において、地域資源等も柔軟に活用しつつ、オープン・イノベーションに対応した「競争」と「協調」による世界最先端の研究開発拠点を形成します。
 わが国が世界の頭脳の獲得における中核的な地位を占めていくためには、国内のみならず海外の優れた研究者を惹きつける国際的な研究ネットワークの拠点形成が不可欠であり、「世界トップレベル研究拠点(WPI)」を大幅に拡充する等、世界水準をしのぐ優れた研究活動を行う大学や公的研究機関に対する支援を抜本的に強化します。

240 科学技術の国際活動の強化

 わが国の科学技術水準の一層の向上を図り、自然災害や感染症等、地球規模で発生する深刻な課題の解決に積極的に貢献するためには、諸外国との連携・協力を一層強化することが不可欠です。先端分野での科学技術協力やODAを活用した科学技術協力等、科学技術外交を大幅に強化します。また、優れた教育活動や研究活動を行う国内の大学と海外の大学との連携・協力を進め、外交面からも、これらの教育研究活動の積極的な活用を促進します。
 さらに、海外動向の収集・分析体制を確立するとともに、安全保障に関わる技術等の管理を強化します。一方で、国際的な核不拡散体制の強化に向けて、わが国の技術を積極的に活用し、これに貢献していきます。

241 戦略的宇宙政策が実施できる組織・体制の整備

 国としての中長期的宇宙政策の方針に沿って、利用の促進、安全保障対応、産業振興等の重要分野・重点プロジェクトへの資源配分を行う等、戦略的な宇宙政策が実施できる体制を構築するため、予算編成に権限を有するとともに、国の共通基盤として実施すべき宇宙プログラムの実施を担当する内閣府の部局を創設し、主たる政策実施機関であるJAXAを全府省の宇宙利用政策などを実施する機関としても再編成します。

JAXA 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本の航空宇宙開発政策を担う研究・開発機関である。総務省・文部科学省所管の独立行政法人で、同法人格の組織では最大規模である。2003年、日本の航空宇宙3機関、文部科学省宇宙科学研究所・航空宇宙技術研究所・宇宙開発事業団が統合されて発足。

242 G空間(地理空間情報)プロジェクトによる社会基盤インフラの構築

 衛星測位技術と電子国土基盤地図を統合活用したG空間情報(地理空間情報)は領土、領海、領空統治の基本情報となります。この様な情報を国として担保し、発信するための社会基盤インフラを構築することでわが国の外交、経済、防衛上の安全保障の確保に努めます。

243 日本の外交、防衛の向上に直結する宇宙システムの構築

 わが国事業者が強みを持つ小型の宇宙システムが新興国のニーズに応じて活用できるよう、技術協力や円借款等の経済協力ツールを活用し、トップセールスを含む官民一体の取組みにより、世界的に利用可能な地球観測システムの構築・運用を通じて、地球観測及び通信放送分野での新興国の利用促進を図ります。
 わが国のミサイル防衛に必要な高分解能かつ高頻度の偵察衛星と早期警戒衛星に必要な開発を加速し、自衛隊が利用する通信、気象観測、偵察等、様々な用途の衛星システムを開発・構築します。これらの運用を支える輸送系、新射場の整備を含む地上系、技術基盤等の維持・向上を図るため、デュアルユースの観点からの宇宙システム開発を推進します。

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