自民党政策集 J-ファイル2010(マニフェスト)

仕事を創り、地域を支え、安全安心な暮らしを守る
―「手当より仕事」―
生活の原点は「雇用」であり、その有無が地域を大きく左右します。
仕事を守るだけでなく"創る"ことにより、活力と独自性、安全な地域で暮らせる安心社会を実現します。

72 農林水産業の多面的機能を評価した「日本型直接支払い」の創設

 「多面的機能新法」の制定により、国土保全や集落機能の維持など農林水産業や農山漁村のコミュニティが果たしている多面的機能を正当に評価し、日本型直接支払いの仕組みを法制化します。その中で、農業における中山間地域直接支払いや農地・水・環境保全向上対策、林業における森林整備地域活動支援、水産業における離島漁業再生支援などの仕組みを抜本的に充実・強化します。
 また、地域やNPOなどが参加して農業、加工、介護など「地域社会を維持する事業」に取り組む地域マネジメント法人の育成を推進します。

73 「経営所得安定制度」で夢と希望と誇りを持てる農業を実現

 農家が望んでいるのは「戸別所得補償」という名の一過性のバラマキではなく、「再生産可能な適正価格」と「安定した所得」の両方です。全国一律ではなく、地域の自主的な努力を踏まえ、コメに加え麦・大豆、畜産、野菜・果樹など複合的に取り組む農家や法人、集落営農など多様な担い手の経営全体を支え、流した汗が所得増大につながる「経営所得安定制度」をつくります。
 また、社会性、持続性、経済性のある「集落営農の強化」を農業農村活性化に向けた最重要課題と位置づけるとともに、「JAこそ地域の担い手」との認識に立ち、協同の精神に基づき、その機能を十分に発揮するための政策を強力に推進します。

74 国産農林水産物の消費と輸出を倍増
      ―「平成の農地改革」で攻めの農業を実現

 食料安全保障や食の安全・安心、循環型社会実現のため、「売り手によし、買い手によし、世間によし」の地産地消や農商工連携を強力に推進し、国産の消費を倍増します。輸出予算を戦略的に拡充するとともに、コメ、肉、果樹、水産物等を海外へ積極的に売り込むため、全国的な品目別の輸出振興組織を設立します。
 また、利用重視へと抜本改正した農地法による「平成の農地改革」を強力に実行し、農地集積加速化や農地フル活用、水田汎用化など土地改良事業の復元等により競争力ある"攻めの農業"を実現します。WTO、FTA等の交渉に当たっては、「多様な農業の共存」を交渉の理念とし、わが国の立場を損なうことがないよう戦略的に取り組みます。

地産地消 地域生産地域消費の略語で、地域で生産された農産物や水産物をその地域で消費すること。
農商工連携 農林水産業者と商工業者がそれぞれの有する経営資源を互いに持ち寄り、新商品・新サービスの開発等に取り組むこと。この取り組みは2007年11月から動き始め、農林水産省と経済産業省が共同で支援している。
水田汎用化 通常の肥培管理で麦・大豆等の畑作物を栽培できるよう、水田に排水路や暗きょを整備して水はけを良くすること。

75 都市農業の保全

 子どもからお年寄りまで、都市に住む方々に新鮮で安全な食料と快適な生活環境を提供している都市農業の継続と農地保全が図られるよう、今後の都市計画制度見直しの中で法律、税制などの整備と振興施策を充実します。

76 大豆・麦対策の充実・強化

 みそ・しょうゆ・とうふの材料となる大豆、めん用小麦などは日本人の食生活に欠かせない食料でありながら、その大半を輸入に頼っています。使い勝手がよく地域の自主性を生かした「産地づくり交付金」の復活強化など、畑作、水田転作の両方で政策を総動員し、大豆等の増産に向けた取り組みを強力に推進します。

77 野菜の経営安定対策の充実・強化

 安全・安心で多様な国産野菜を届ける生産・加工・流通・販売・消費のシステムをつくります。そのために、現行の価格安定制度の見直しを行い、需給と価格の安定を図り、多様な野菜農家の経営を支える経営安定制度をつくります。さらに、規模拡大した産地や専業的な経営体については、それぞれの作物の特性を踏まえた所得安定対策を講じます。

78 果樹の経営安定対策の充実・強化

 高品質な果実の生産に向けた基盤整備や収入補償を含めた改植対策を強化するとともに、果汁等加工仕向けの制度を充実し、需給と価格の安定対策を強化します。また、加入率の低い共済制度を加入しやすく充実したものにし、多様な果樹農家の経営を支える経営安定対策をつくります。

79 てん菜、サトウキビ等甘味資源対策の充実・強化

 てん菜による輪作体系の推進や離島における基幹作物であるサトウキビ、でんぷん原料用かんしょ・ばれいしょについて、経営と所得を確保する現行制度の維持・強化を図ります。

80 お茶、花き対策の充実・強化

 「茶業振興法」の制定により、生産基盤の整備、需要に応じた生産の振興、加工流通販売体制の整備、消費の拡大、輸出の促進に取り組みます。需要の増加が見込まれる花きの新品種開発や生産・流通・消費の振興を図ります。

81 畜産・酪農対策の充実

 畜産・酪農の経営安定を図るため、畜種別・地域別・経営体ごとの特性に対応した、現場の声に即した畜産・酪農対策を確立します。その際、わが国の畜産・酪農分野の最大の課題である飼料自給率の向上のため、飼料国産化のためのコントラクターへの助成や廃棄される食品の再利用による「都市農場」の実現、輸入飼料の使用を抑制する助成の仕組みの導入などの対策の実現も図ります。BSE、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚コレラなどの発生予防や原因究明に全力を尽くすとともに、特に、初動対応の遅れにより蔓延を招いた口蹄疫について、わが党が中心になってまとめた「口蹄疫対策特別措置法」の完全実施を進め、経営再建のために万全の措置を講じます。

82 "攻めの農業"の新たな展開

 "攻めの農業"の新たな展開として、国内で生産できない農作物などについて、海外の農場における日本仕向けの農業生産の増大を図るため、海外の農地の確保や海外で農業に従事する若者への財政支援を行います。また、中山間地域などを含め、再生可能エネルギーを活用した植物工場の普及促進に向けた財政支援など、国内外における科学技術の最大限の利活用を図ります。

83 食の安全・安心、食育の推進、都市と農山漁村の共生・対流

 生産履歴の確認が可能なトレーサビリティの対象を拡大するとともに、食品表示の義務づけの拡大と厳格化を進めます。食に対する感謝の念を育み、自ら食を選択できる能力を身につけるための食育を国民運動として展開します。また、都市と農山漁村の住民が共に行き交う共生・対流を強力に推進します。

84 鳥獣被害対策の強化

 全国で拡大している鳥獣被害に対し、2年前に制定した「鳥獣被害防止法」を活用し、鳥獣の種類や地域の特性に応じて自治体が行う有効な対策を強力に支援します。また、有害鳥獣に関する知識や捕獲方法などの普及に努めます。

85 国産木材の利用促進と、「直接支払い制度」の創設

 地球温暖化防止に大きく貢献する森林・林業を国家戦略として位置づけ、「森は国民全体で守る」ことを基本に、国産木材の自給率を大幅に向上させるため木材利用を促進します。
 木造建築基準の見直し、瓦やイ草などの国産材料を使った安らぎのある和風住宅の普及、間伐や路網整備における森林所有者の負担軽減、緑の雇用や森林組合の充実・強化、財源確保のための森林環境税の創設、農地並みの相続税納税猶予制度の創設、違法伐採対策などに取り組むとともに、厳しい環境下におかれている森林経営を将来にわたり持続可能なものとするための直接支払い制度をつくります。

86 漁師になろう!漁業者の所得を確保

 漁済制度及び積立ぷらすを、意欲ある漁業者は誰でも加入することができ、自然災害などにも影響されない、魅力ある儲かる経営ができる使い勝手のよい制度にするため、加入要件と掛金補助のあり方など要件を抜本的に見直し、漁業者が安心して漁業に取り組める所得を確保できる経営体を実現します。
 漁業経営の一層の健全化に向けて取り組む漁業者が、必要とする資金を迅速かつ円滑に融通できるよう融資制度を改正するとともに、保証制度についても無担保・無保証人でも活用できる制度を拡充し、漁業者のセーフティーネットを構築します。

87 漁船漁業の再編と老朽化した漁船の代船建造を応援

 漁船漁業の生産構造を資源管理と経営が整合するよう再編を行い、老朽化した漁船には省力・省エネなどエコにも配慮した近代的な操業効率性に優れ、安全、居住性に配慮した代船建造ができる手厚い支援策を講じ、担い手や新規就業者も安心して意欲を持って参入できる漁業の確立を図り、漁業を漁業者と新規就業者が誇りを持って従事できる成長産業にします。

88 技術に合った漁船の規制の見直しの促進

 漁船の規格や従事者の資格などの規制については、造船技術や操船、通信、位置の確定など漁船の航海に必要な機器の技術革新や技術向上により、安全な航行、操業が可能となっている現状を踏まえた見直しを行い、現在の技術水準に見合った規制緩和を積極的に進めます。
 漁業になくてはならない漁船の動力についても、省力・省エネ型漁業への改革支援並びに漁業用新エネルギー開発の推進を支援します。

89 燃油や養殖餌料などの価格変動に漁業者と共同で国が責任

 投機や国際的需要に左右され価格変動する燃油、養殖餌料の価格高騰に脅かされることのない安定した漁業経営の確立を目指し、漁業経営セーフティ―ネット制度を柔軟に発動し、漁業者が過重な負担なく操業できる自己負担の上限基準を設定し、国主導で真に安定した漁業経営ができる制度へ見直します。漁業経営の安定のための漁業用A重油・軽油の免税・還付措置は今後も継続します。

90 消費者も安心できる衛生に配慮した多様な水産物流通システムを構築

 消費者の食への多様なニーズと水産資源の維持管理や安全への関心の高まりに応えるべく、水産エコラベルの普及と水産物のブランド化を進め、誇りと意欲をもって漁業経営を継続できる浜値となるよう、漁業者が魚の値決めに関与できる仕組みを工夫します。併せて外食産業や消費者団体などとも連携し、産地と消費地をつなぐ直接取引を含む多様な流通経路を構築し、未利用魚の活用、養殖技術の開発、産地からの水産物に関する情報の発信、消費者・実需者などの水産物への要望に迅速に対応できる体制を整備します。

91 HACCPシステムの導入・普及などを支援し水産物輸出を促進

 生産から加工・流通に至るまでEUなど輸入に高い安全性を求めている国への輸出にも応えるため、HACCPシステムの導入・普及や当該システムに応じた加工・流通施設整備を積極的に支援するとともに、輸出に伴う検査・手続きを簡素化し、地域と水産業の振興、魚価の安定にも資する水産物輸出を促進します。

HACCPシステム 食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード;Hazard)を分析しそれを最も効率よく管理できる部分(CCP;必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法。

92 水産物の消費拡大と地産地消を推進

 学校給食などの食材として水産物供給をはじめとした地産地消の取組みや教育現場での体験漁業の導入など、子ども時代から魚に親しむ食生活へ向けた取組みを進めます。併せて外食産業や地域に密着した水産加工業と連携した取り組みを支援し、消費者へ新鮮で安全な国産水産物の安定供給ができる生産から消費に至る一貫流通経路(サプライチェーン)を構築し、漁獲不漁時における消費地への供給不足の対応を図り、漁獲時期が集中した時には魚価下落が生じないよう需給調整事業などを柔軟に発動できる制度へ拡充し、水産物消費拡大に取り組む水産加工業者に対しても原料確保、加工技術開発、販路の拡大・促進など意欲的な経営ができるよう支援します。

93 水産物流通の重要な拠点である卸売市場等の機能を強化

 生産者と消費者を結ぶ重要な拠点である卸売市場の機能強化を図り、消費者との直接対面による最前線での販売を営む水産物小売商等に今後も安定した経営環境の下で水産物消費拡大に取り組んでいただくよう、一貫流通経路(サプライチェーン)構築にあたっては、物流、情報流に関わる施設整備、高度衛生管理基盤の整備、安定経営対策などへの支援を強化します。

94 漁港の機能を強化し、安全で豊かな漁村づくりを促進

 地震、津波、台風などの自然災害に強く、高齢者・女性にも優しい、安全・安心に配慮した漁港の整備や施設の老朽化対策を進めるとともに、漁獲物を消費者や実需者へ自信を持って安心して出荷できるHACCPシステムなどの整備により、ブランド化、高付加価値化にも資する高度衛生管理対策などを積極的に進めます。地震、津波、台風などの災害に対し、集落排水の処理など生活環境の整った豊かで安全な漁村づくりを進めます。

95 漁場整備と種苗放流を推進し安定した水産物の供給体制を整備

 わが国周辺水域の水産資源の減少傾向を転換させるため、大規模な資源増殖を目指し、漁場整備と栽培漁業を食料安定供給のための社会的インフラ事業として位置づけ、国直轄のフロンティア漁場整備事業などと種苗放流事業を地域の実情に応じて積極的に進め、水産資源を低位水準から回復させ、安心して漁業経営ができるよう支援します。
 また、新しい技術の導入を含め、環境にも配慮した収益性を重視した多様な養殖漁業経営の展開を支援し、わが国固有の急峻な地形と豊かな河川・湖沼での漁場環境の改善や稚魚放流を行うなど、内水面漁業振興対策を進めます。

96 暫定水域及び暫定措置水域での安全操業を確保

 日本海の暫定水域と東シナ海における暫定措置水域において、わが国漁業者が日韓・日中新漁業協定に基づいた資源管理を尊重した公平で安全な操業ができるよう、政府間で交渉を行い、安全操業を確保します。

97 漁業者の責任でない経営難には国が責任

 国際条約等による規制に応じた資源管理のための漁獲制限等には、知事許可漁業等を問わず、可能な限り漁業経営への影響が最小となるような配慮を行い、漁業所得が減少する漁業者へは経営安定支援を国際減船への支援並みに行います。
 食料自給率の向上と消費者へ良質な水産物を安定供給することを求められている漁業・水産業の重要性を踏まえ、漁業者の責任でない国際的な景気変動などに伴う漁業・水産業をめぐる経営環境の悪化による過去の債務処理と健全な経営が行える財務体質へ改善する施策について、引き続き検討を行います。

98 「漁村集落直接支払制度」を創設し水産の有する多面的機能を増進

 「漁村集落直接支払制度」を創設し、漁業者による自主的な水産資源の回復への取組み支援や水産物の付加価値向上などを通じた消費者のニーズに応える安定した水産物の供給、様々な環境機能を有し多様な生物の成育空間、都市住民が潮干狩りなど海とそこに棲む生物と触れあう憩いとゆとりの場所である藻場・干潟の保全を積極的に進めるなど、環境生態系の保全など多面的機能の増進に努める活動を行う漁業者を中心とする漁村集落グループを支援します。

99 漁業・水産業への新規就業者を支援

 地方の基幹産業である漁業・水産業に新しい力を注入し活力を取り戻し、漁村が活性化できるよう、新規就業希望者への細やかな情報発信を行える体制の構築を支援し、新規就業希望者を受け入れ、安心して漁業・水産業へ参入できるよう、現場研修及び講習を行う漁業協同組合などや水産関係団体・企業など受け入れ機関の体制強化への国の支援を拡充・強化し、研修期間も実質2年間とし、希望者へは更に1年間延ばし、その間、家族も安心して暮らせるよう、住居・生活費に見合う給付費を支給します。

100 漁業・水産業の専業従事者の子弟へ「就学生活給付金」を創設

 就学への条件が不利な地域や父兄の所得の産業間格差によって、子弟の就学が困難となることがないよう、漁村で生活している漁業・水産業の専業従事者で、大学・大学院など高等教育の履修を目指している子弟のいる家庭が、無理なく子弟の就学に取り組めるよう、既存の奨学金に併せ、返済不要の就学生活給付金(仮称)を創設し、専業従事者の可処分所得及び子弟の就学地の物価水準に合わせた「就学生活給付金」を就学者に直接給付します。

101 漁村地域と近郊都市とのアクセス改善への創意工夫を支援

 地域における他業種との連携や遊休施設・設備の有効活用によって、漁村住民が安心して生活するのに必要にも関わらず、漁村地域において立ち後れている医療機関・福祉サービス施設・文化施設利用などの利便性を向上させます。都市部において減少しているものの漁村地域は豊富に有している多面的機能を発揮し、自然に恵まれた環境とのふれあいや新鮮な食材の提供など、漁村と都市の良さをお互いに補完しあえるよう、地域住民が主体の地域振興協議会や漁協などが関係機関・施設・設備などをお互いに利活用しやすいように、スクールバスなどの空き時間の利活用を行うなど地域の創意工夫による漁村と近郊都市とのアクセスの改善努力への支援を行います。

102 有害生物の駆除と被害対策の確立

 大型クラゲ、トド、ザラボヤ、グミ、カワウなど、想像を超える漁業被害を及ぼす有害生物や赤潮被害などについて、各種研究機関、わが国周辺の関係国とも密接な連携を行い、有害生物の発生メカニズムの早期解明を行い、早期の有害生物の撲滅など根本的な漁業被害発生の防止と軽減対策、有害生物発生、駆除作業に係る情報の速やかな関係漁業者への提供を行うなどの体制を整備します。

ザラボヤ 食用の「マボヤ」の仲間。
グミ ナマコの仲間。

103 国民の安全と国益を守る毅然とした水産外交

 公海などでの過激な環境保護団体等の人命にも関わる不当な妨害活動、不当な圧力による漁獲制限に対して、独立国家として断固とした対応を行い、カツオ・マグロ・鯨など回遊性水産資源の持続的利用を効果的に図れるよう、わが国がリーダーシップをとって科学的調査に基づいた国際的な資源管理や捕鯨問題にも取り組むなど、国民の安全と国益を守る毅然とした外交交渉を行い、ODAなど国際協力を通じた海外漁場開発も進めます。
 WTO交渉やEPA・FTA交渉など貿易交渉において、先達が築き上げてきた実績と誇りを守る国際ルール作りに尽力し、国益を第一に地域において重要な基幹産業である国際競争力を持てる水産業へ振興します。

104 中小企業における新商品開発と新規市場開拓支援

 中小企業が大きく羽ばたくには、「売れる商品」と「商品が売れる」ことが不可欠です。「売れる商品」を開発するには、「アイデア」とそれを生み出す「人材」は言うまでもなく、「売れる!」という「目利き」ができる人が必要です。したがって、「売れる商品」を発掘できる人材と「売りたい側」がマッチングできる環境を整備します。
 一方、「売れる商品」から「商品が売れる」ためには、市場の開拓が必要であり、国内はもとより、経済発展著しいアジアを中心とした市場の開拓とその市場へのビジネスルート(販売ルート)の確立に向けた支援に取り組みます。

105 地域から「日本全国」、「世界」への販促強化・支援

 「売れそうなモノ」から消費者が求める「売れるモノ」の発掘・開発にチャレンジする地元企業や生産者等を官民あげて後押しし、各々の地域で全国的、世界的にも通じる産品作りに安心して専念できるよう応援します。その際、地理的な側面を背景とした域外・海外からのビジネス・チャレンジに柔軟に対応できるよう、規制等の壁を除去していきます。それらに加え、地方から都会、地方から世界へと飛躍する販促強化のため、BtoBサイトなどのICT技術の活用による実務のサポートや金融支援、販路・拠点等の早期整備を行います。アジアの需要を取り込むような、効率的かつ効果的な流通ルートを確立します。

BtoBサイト Business to Businessで、業者間の取引のためのwebサイト。

106 エコポイントの延長・充実

 地域産業の"成果"である地場産品を地元で消費するという「地元のモノを使おうキャンペーン」の精力的な展開を強力に進めます。その一環として、地域産品と交換可能なエコポイントについて、2011年度末まで延長し、対象についても現行のテレビ・冷蔵庫・エアコンに加えOA機器等も含め省エネに資するもの全てに付与します。

107 地域におけるICT利活用の促進

 インターネットを活用した地域の特産品の共同受注・一括販売、消費者と直結した新たな市場の創出による地場産業の活性化、地域の観光情報を集約したポータルサイトの構築、伝統文化等をはじめとする地域ならではのコンテンツの発信による観光産業の活性化などの取組みを推進し、元気な
地域社会の実現を図ります。
 地域コミュニティにICT関連技術を集中的に投資して、高齢者や児童の見守り、防災情報の配信などを実施し、役立つ先進的な情報通信システムの構築、さらにそのシステムの運用のための地域における体制づくりを支援します。

108 情報通信ネットワークの安心・安全の確保

 国民がICTを安心・安全に利用できる環境を整備するため、ネットワーク上の違法・有害情報やウィルス、迷惑メール等への対策を進め、情報セキュリティの確保に努めます。
 学校のICT環境の整備を進め、デジタル教科書の導入や青少年のICTリテラシー(読み書き能力)を向上させる活動を推進、同時に、小・中学生の段階から情報教育の普及に努め、高度ICT人材の育成を推進します。

109 格差のないICT基盤の整備(デジタルディバイドの早期解消)

 情報格差(デジタルディバイド)を放置することは、地域社会・経済の活性化や電子自治体の進展の妨げとなります。
 地理的な条件に関わらず、等しく医療や教育などのサービスを受けることができるネットワーク基盤を整備するため、政府・地方公共団体・民間事業者によるブロードバンド・ゼロ地域解消とサービスの高度化を支援します。また、高齢者・障害者を含む誰もがICTの活用を通じて社会参加できるよう、使いやすいICT技術の開発、字幕放送の普及などを促進、情報バリアフリー環境の整備を推進します。携帯電話がつながらないエリアの早期解消の実現に向けて、特に条件的に厳しい地域の整備を推進します。

110 地上デジタル放送への円滑な完全移行

 国民生活に不可欠なテレビ放送については、地上デジタル対応テレビやチューナーなどのデジタル対応受信機器の更なる普及促進を図るほか、地理的条件や建造物等により受信が困難なエリアにおける難視聴対策を推進するなど、総合的な取組みを推進し、地上デジタル放送への円滑な完全移行を実現します。

111 中小企業の技術開発の支援

 技術の進歩なくして企業の発展はありません。一方、中小企業単独での研究開発は、人材や資金面においても経営に大きな負担をかけてしまいます。そのため、県などが持っている研究所や地域にある大学が中小企業と連携、研究・開発ができる体制整備を支援します。特に、ものづくりにおいては、試作品の製作が商品化にとって重要であり、昨年の政府による事業仕分けで「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」が執行停止になりましたが、早急に復活をさせ、ものづくり産業を継続的かつ戦略的に強化します。

112 地方大学等と地域産業とのマッチング強化

 地方大学や地域の工業高校等で学んだ卒業生を地元発のオリジナル人材として地域でその能力を十二分に発揮できるよう、商工会議所・商工会等の組織機能強化に向けた抜本的な対策を講じ、「地域のヒトは地域で育てる」体制を早急に整備します。これにより、学生・企業・地域の三者が共にWINWINの関係となれるよう、産学が連携して中小企業向け新卒者支援制度の創設等の支援を行い、高度な専門人材と地域産業とのマッチングを強化します。同時に、地元からの投資を促進させることで地方の研究機関と地元企業による技術革新や研究開発等を支援できる環境を強化し、地域独自で培った技術やノウハウを地域に還元できるサイクル作りを進めます。

113 地域に「雇用」を創出する企業活動への支援

 地域の活力と独自性、そして「絆」を生む取組みを進めるべく、「地域(中小・小規模企業)購入&再投資法」(仮称)の制定を目指します。具体的には、地域の預金を地域に還元するとの地域金融機関の基本的使命を踏まえ、地域への還元について一定の指標を設定します。
 また、国及び国の出先機関、地方公共団体が公共事業の発注や物品及びサービスの調達等を行う際には、地元の中小企業の受注機会に最大限の配慮を求めます。さらに、近年進出が著しい大規模小売事業者についても、地域からの購入と地場産品の後押しを定着させます。加えて、「創業・第二創業」を徹底して促進・支援し、雇用増加に結び付けます。

114 中小企業の活性化につながる人材の育成・確保

 「人材」は企業にとって命であります。しかし、中小企業においては、大企業と異なり、「人材育成・確保」というものは一企業で行うには相当に困難な場合があります。
 そのため、国や県市町村等が、地域にある高校・大学と地元中小企業との「中小企業人材」に特化したマッチング事業を行い、企業側のニーズと、そのニーズに応えられる教育・研究を高校・大学が把握できるよう環境整備を行います。特に、一中小企業が単独で行うのではなく、その地域の中小企業が「人材育成研究会」(仮称)のような機関を創設し、人材育成の専門家が行政や教育機関と連携がとれるような体制を整備していきます。

115 地域経済の活性化につながる人材の育成

 地域経済活性化のための農商工連携の促進や地域イノベーションの創出、ICTの利活用を進めていくには、煩雑な実務もさることながら、慢性的なコーディネーターやアドバイザー不足等が大きな悩みの種であり、ヒトづくりを疎かにすることはできません。むしろ、厳しい雇用状況かつ人口減少下だからこそ、地域における中長期的な発展を実現する観点から、中核を担えるような人材育成を産官学連携してセミナーを開催する等、重点的に支援します。
 また、地域における雇用のミスマッチ解消に向け、人を必要としている産業と求職者とのマッチングに向けた産業・業種・業態構造をつぶさに分析し、それに基づく雇用シフトを進めていきます。

116 資金繰りの確保・充実

 いまだ不況を脱しきれないでいる中小企業に対して、その不況から脱出できる環境を整備し、更に、将来展望につながる資金を確保するため、わが党が経済対策の一環として策定した「緊急保証」、「セーフティーネット貸付」などを強化・充実していきます。加えて、新たな公的融資の枠組みを創設し、万全を期します。
 一方、昨年の臨時国会で成立した「中小企業金融安定化法」について、その法律の運用及び効果等が中小企業にとってより良い制度となるよう、検証を行っていきます。この検証には、金融機関による「貸し渋り」、「貸しはがし」の実体も併せて監視し、中小企業金融の現状を把握し、求められる資金需要に的確に応えていきます。

117 公平・公正な取引環境の実現

 頑張る中小企業が、大企業との取引において、不当な発注・値引き、契約を余儀なくされることのないよう、公平・公正な取引環境を実現します。「下請け代金支払遅延等防止法」・「適正取引推進のためのガイドライン」の運用強化、「下請け駆け込み寺」等の相談体制の強化を行います。
 一方、大型店による地元小売業への影響(不当廉売や優越的地位の濫用)に鑑み、適正なガイドラインの運用を行います。

118 中小・小規模企業の枠組みの見直し

 現在、中小企業基本法の定める線引きにより、各種施策の対象外となったり、逆に規模拡大の壁となる等、法制度が産業構造の変化に対応できていません。そのため、中小企業基本法を改正し、伸びる力のある企業が成長にメリットを感じ、伸びようとするベンチャーを含めた中小・小規模企業や分野に資金・人材が集まりやすくします。同様に、「中小企業」と「大企業」という2つの区分に加え、「中堅企業」の位置づけを明確化し、当該企業群を発展・成長へと押し上げるきめ細かな振興策を講じます。

119 中小企業の事業再編・転換への支援

 足腰の強い経営体を作るには、企業内のムダを取り除き、新規事業を開拓する必要があります。そのため、企業内の不採算部門を除去し、新部門を創設するための専門家との相談体制の強化、資金上の支援等を可能とする体制を整備します。
 更に、全く新しい分野へ事業転換をする場合においても、短期的ではなく、中長期の展望が切り拓けるよう、事業転換から経営の安定(経営ノウハウ、商品開発等)までトータルの視点で支援できる体制を整備します。

120 防災・災害対策

 防災ニューディール(学校・住宅地・公共施設等の耐震工事)や駅等のバリアフリーの推進・ホームドアの設置等、命を守る基盤を整備します。近年の集中豪雨の増加など自然環境の変化も考慮しつつ、大規模な地震や津波、水害・土砂災害等に備え、防災・減災対策、地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備促進を進めます。このため、「地震防災対策特別措置法」の見直しによる対策の充実・強化を行うとともに「津波対策の推進に関する法律」を成立させます。また、八ッ場ダムを完成させ、一都五県の水需要を確保し、沿線地域に洪水被害を起こさせません。

121 総合的な災害応急体制の整備

 災害時要援護者の避難支援、消防等地域防災力の向上を図り、防災無線のデジタル化の推進や市町村消防の広域化の推進、緊急消防援助隊の充実・強化により、災害応急体制をハード・ソフト両面から連携させます。
 また、全国瞬時警報システム(J-ALERT)や震度情報ネットワークを整備し、消防防災ヘリコプターの24時間運用を強化するなど、災害緊急情報伝達・収集ネットワークの充実を図ります。

全国瞬時警報システム(J-ALERT) 通信衛星と市町村の同報系防災行政無線を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステム。

122 国民に約束した国の基幹ネットワークを含む道路網の整備

 高速道路会社の民営化と受益者負担の原則を堅持し、高速道路は無料化しません。高速道路のミッシングリンクを解消するとともに、新たな国費を投入することなく国民の利便性に資する割引制度を維持・拡充し、分かりやすいものに見直します。「命の道」や生活道路・通学路の安全対策など、地域生活に不可欠な道路等については、B/C(費用便益比)にとらわれることなく、積極的に整備を進めます。

123 総合的な交通体系の整備

 「生活の足」となる地域公共交通の確保と利便性を向上させるとともに、羽田-成田間のリニア、横田の空域返還等、空港・港湾や高速道路等の基幹ネットワーク作りを着実に進め、国際競争力に資する総合的な交通体系を整備します。整備新幹線は、既着工区間について早期完成させるとともに、未着工区間(新函館-札幌間、金沢-敦賀間、諫早-長崎間)については、平成22年中の認可・着工を目指します。超電導リニア(超電導磁気浮上式鉄道)は、中央新幹線の計画の具体化を早急に図り、着工を目指します。フリーゲージトレイン(軌間可変電車)についても、その実現を目指します。
 モーダルシフトの推進やCO2削減の観点から、交通体系全般を見直します。

フリーゲージトレイン(軌間可変電車) 線路の幅(軌間)に合わせて線路上を走行可能な電車。
モーダルシフト 貨物や人の輸送手段の転換を図ること。具体的には、自動車や航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替すること。

124 世界に対して競争できる航空・空港環境を整備

 航空自由化(オープンスカイ)の一層の推進を図るとともに、空港整備勘定(空港整備特別会計)の見直しや着陸料・航燃税等を逓減し、アジア諸国や格安航空会社との競争に備えた環境を整備します。また、世界に対して競争できる航空・空港環境を整備するとともに、国民生活に必要な路線ネットワーク網を維持します。日本航空の再建については、第二の国鉄としないよう、着実な再建を図ります。

航空自由化(オープンスカイ) オープンスカイ協定とは、航空会社が二国間或いは地域内の各国において空港の発着枠、路線、便数などを決められる航空協定。

125 地方の良質な建設産業を守り「未来への投資」を実施

 現在の経済危機を乗り切るため、この3年間は積極的な財政出動を行い、日本経済と地域経済を立て直すとともに、地域の発展と安全を支える良質な建設業を守り、将来のために必要な成長基盤や安全・安心基盤である社会資本の前倒し整備を進めます。また、わが国の優れた交通システムや水ビジネス等を海外に輸出し、世界に貢献します。PFI法を改正し、地域の活性化等を行います。

126 公共工事現場における適正な賃金の確保

 建設業の健全な発展のため、公共工事現場において適正な賃金の確保を図り、建設労働者、建築職人の生活を守ります。

127 住宅の資産価値を高め、ライフステージに応じた住まい方を推進

 住宅ストックを重要な国富として位置づけ、総合的な住宅税制・融資等支援制度、規制緩和等を通じ、住宅を資産として残せる「ストック社会」を実現します。負担力の低い若年者を含めたライフステージの各段階や多様な働き方・暮らし方に応じたゆとりある住環境を獲得できるよう、長期優良住宅(200年住宅等)の供給、既存ストックの資産価値を維持増大させる耐震・省エネ・バリアフリー化などのリフォーム、住み替え・中古流通のための市場環境整備を進めます。また、少子・高齢社会に対応し、子育て世帯や高齢者等が安心して生活できるよう、子育て施設やケア施設と住宅の併設・近接を推進するとともに、安心して生活できる賃貸住宅や2世帯・3世帯住宅の供給を推進します。

128 地方の活性化と都市生活者のゆとりを実現する移住・二地域居住の推進

 住民の流動により、地方で眠っている施設・住宅・人材の有効活用を行うとともに、都市生活者が趣味志向や価値観に合わせ自分らしい生活や「シーズン・ステイ」などを実現することにより、心身ともに健康になれる社会を目指します。自転車専用道を確保し、環境と健康に良い、歩いて暮らせるコンパクトシティー作りを進めます。

シーズン・ステイ 好きな季節に一定期間居住する、短期滞在型の移住スタイル。

129 観光立国の実現

 ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化や入国審査の円滑化により「観光立国」を実現します。また、無電柱化の集中実施や景観に配慮したまちづくりなどによる魅力ある観光地の整備、休暇の取得・分散化、観光産業の育成により、観光を通じた地域活性化を進めます。旅館・ホテル等のNHK受信料の大口契約について検討を進めます。

130 総額2兆円の緊急交付金の実施

 地方公共団体が特色ある政策を速やかに実施できるよう、われわれが"政治主導"で創設した臨時交付金を復活させ、地域を守ります。当面は、地方公共団体が地域経済活性化や雇用創出に活用できる「地域経済対策緊急交付金」(1兆円)と「地域雇用創出緊急交付金」(1兆円)を実現します。

131 地方税財政の充実

 景気の急激な悪化に伴い地方財政は深刻な状況にありますが、過疎地や離島などの税源に乏しく財政力の弱い地域を含め、いずれの地域においても、福祉・医療や教育等のサービス、警察・防災などの安全・安心に関わるサービス、住民に身近な社会資本の整備など、住民が生活に必要な行政サービスを受けられるようにする必要があります。
 地方一般財源の充実・強化を図るため、平成21年度税制改正法附則と「中期プログラム」に基づき税制の抜本的改革に取り組む際には、地方消費税の充実、地方交付税の法定率の見直し、地方法人課税のあり方の見直しによる地域間税源の偏在是正などを検討します。その際、地方の固有財源について明確にします。

132 地方分権の推進策

 地方分権改革の当面の推進策として、(1)地方分権改革推進委員会の第3次勧告を踏まえ、義務付け・枠付けの見直しを実施、(2)地方公共団体の安定的な財政運営に不可欠な地方税、地方交付税等の一般財源を確保、(3)直轄事業を基幹的・広域的な事業に限定するとともに自治体との事前協議・情報開示の徹底などを基本として、直轄事業負担金制度を抜本的に見直し、(4)国の出先機関を地方分権改革推進委員会の勧告に沿って廃止・縮小を実施することとします。また、道州制の導入にあわせて、地方出先機関の一元化等を推進します。

133 分権の推進に伴う地方の機能強化

 国と地方の徹底的な議論が行えるよう、全国知事会など地方六団体の法的位置づけの明確化を図ります。また、地方分権の推進に伴い役割が拡大する地方議会を充実・強化するため、議会の諸機能を強化するとともに、政治活動との区別を踏まえたうえで、住民意思の把握などを含めた地方議会議員の職責・職務の範囲を法制化し、明確化することを目指します。

134 指定都市制度のあり方の見直し

 指定都市制度は創設から50年以上が経過し、この間、指定都市を取り巻く環境も大きく変化しています。指定都市が地域特性や実情にあわせた行政を担うことができるよう、広域自治体と指定都市のあり方などについて検討します。

135 道州制の推進

 民主党政権が掲げる「地域主権」は、あいまいなキャッチコピーにすぎません。わが党が目指す地方分権型国家には、住民に身近な行政は市町村、広域的な行政や市町村間の調整は道州がそれぞれ担い、国は外交・防衛など国家全体の利益に直接関わる事務に限定するという明確なビジョンがあります。道州制の導入による地方分権の推進を図るため、道州制基本法を早期に制定します。

136 地域力の創造

 少子・高齢化や人口減少が進行する中で、地域経済を活性化し、魅力あふれる地域を形成していくためには、地方における人口定住を図るとともに、地域間格差を是正することが重要です。
 このような観点から、地域医療、公共交通、産業振興など、地域の様々な政策課題について、「集約とネットワーク」の考え方により、中心市と周辺市町村の相互連携を強化する定住自立圏構想を推進します。全国の中心市を核として圏域の形成を促進するとともに、重点投資により内需を振興し、圏域全体の経済を活性化していきます。

137 地方への定住促進

 少子・高齢化や人口減少の進行が著しい地方においては、地域力の維持・強化を図るため、担い手の確保が特に重要な課題となっています。一方、都市住民の間では、地域での生活や地域社会への貢献について、ニーズの高まりがみられます。
 このため、大都市に住む意欲ある若者たちが、地方で水源保全活動や農林漁業の応援などの地域協力活動に取り組むことができる環境を整備します。また、若者たちの定住・定着に取り組む地方自治体を支援します。

138 地域を支える人材の創出

 個性豊かで誇りある地域づくりに向けて、歴史文化や気候風土といった地域資源を生かしていくのは人材の力です。
 地域の発想による独自の取組みによって魅力ある地域に生まれ変われるよう、地方交付税等による財政支援に加えて、民間アドバイザー派遣等の人材支援を推進します。
 元気なまちづくりに挑むあらゆる人材の能力を高めるため、相互交流や知識・ノウハウ習得を促進し、地域の人材力の向上を応援します。

139 高齢者の社会参画、70歳現役社会実現

 社会変化に伴う時代のニーズに的確に対応するべく、健康寿命を延ばし、働く意欲のある高齢者の方々が生涯現役として働きやすい社会の実現に向け、65歳までの雇用の着実な実現や定年延長等に加え、「70歳はつらつ現役プラン」として50歳代からの定年後のキャリア形成についてカウンセリング等の支援と教育訓練を行います。シルバー人材センターの活用に加え、高齢者の方々の起業や就職についても後押しします。更に、職域の拡大や処遇の改善に取り組む事業者に対する支援とともに、65歳以上の方を継続して雇い入れる事業者に対する助成も行います。
 働く意欲のある高齢者の方々が生涯現役として働きやすい環境を整え、「70歳現役社会―生涯現役社会」を実現します。

140 女性の就業実現

 女性への就労支援、特に子育て中の母親への支援として、再就職に積極的に取り組む企業に対する支援制度の創設、マザーズハローワーク事業の拡充等を実施するとともに、資格取得についても支援し、就業と出産・育児の両立が可能な環境を整えます。新しい家族像、家族ビジョンを踏まえ、夫婦が共に働き、共に家事を負担(協働・分担)できるワークライフバランスを推進します。大都市部を中心に保育所の拡充を図るとともに、放課後児童クラブのより一層の量的・質的向上だけでなく、待機児童が多い地域における自治体の取組みについても支援します。

141 若者の就職応援

 若者について、公的機関と大学が連携し、新規学卒就職できなかった人を孤立化させない取組みを行います。技能・技術、実践的知識を身につける職業教育の強化、年長フリーター等(25歳〜39歳)を重点とした正規雇用化の支援や新卒者支援制度の創設、産学官が連携しての人材育成等を活用します。それにより、後継者不足の業種等、人を必要としている産業への雇用システム・求職マッチングを円滑かつ強力に支援します。

142 福祉分野における働く場の拡大と処遇の改善

 福祉(医療・介護・子育て)分野において地方の方々の働く場の大幅拡大と処遇の改善を図ります。

143 テレワークの推進

 場所と時間にとらわれない柔軟な働き方を可能とするテレワークの一層の普及を推進し、地方の在住者、育児中の夫婦、高齢者・障害者等の就業機会の拡大を図ることにより、ワークライフバランスの確保や豊かな生活を実感できる社会を実現します。2015年までに、少子・高齢化のセ-フティーネット等に資する在宅型テレワーカーを倍増し、700万人とします。

テレワーク テレワーク(あるいはテレコミューティング)とは、勤労形態の一種で、情報通信機器等を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働くことができる形態。テレワークという単語は日本での造語であるが、テレワークで指している労働形態は欧米にもある。

144 地域コミュニティの連帯と再生

 弱体化した地域の絆を再生するため、町内会や自治会など地域に根ざした活動を行う団体を支援する「コミュニティ活動基本法」を制定します。また、地域や社会に貢献する活動をポイント制で評価する仕組み(有徳ポイント制度)を創ります。

145 商店街の活性化

 地域住民から商店街に寄せられる「地域コミュニティの担い手」としての期待はこれまで以上に高まっている中、経営指導や商店街で起業・新業態開発への研修等とエンジェル税制を活用しての空き店舗の有効利用や公共交通機関と連結したアーケードや駐車場・駐輪場の整備、省エネ型街路灯の設置等、商店街再生に向けた意欲的な取組みに対するソフト・ハード両面での支援を行い、高齢化や安全安心、環境等の社会課題へ配慮した街づくりと一体となった"身近で快適な"商店街づくりを進めます。駅前や中心市街地等の賑わいを取り戻すことによって、地域経済の再生だけでなく、地域のつながりを高めます。

146 消防団の充実・強化

 首都直下型地震、東海・東南海、南海地震などの大地震への対応が緊急の課題となっています。身近な地域の安全・安心を確保するため、消防団の資機材の充実・強化、消防団員の確保・自主防災組織の活性化など地域の防災力の強化を図るとともに、防災拠点となる公共施設の耐震化を促進します。

147 地域で活動する団体やNPO法人の育成・支援

 「特定非営利活動促進法」(NPO法)の改正、認定NPO法人制度の大幅拡充・簡素化によって、誰もが参加しやすい社会活動・NPO法人などボランティア組織の育成・支援策に取り組みます。

148 離島対策の充実

 離島航路が本土における国道と同じ役割を果たしていることを踏まえ、「離島航路航空路整備法」により離島住民の交通手段(航路・空路)を確保するための国の役割を明確にし、人流・物流面での格差是正を実現します。また、高校の無い島から本土や他の島の高校に進学せざるを得ない場合に、居住費、通学費に対する財政支援を実現します。更に、離島医療対策、漂流・漂着ゴミ対策を行うとともに、地上デジタル放送への円滑な移行など情報格差の是正に取り組みます。
 奄美、小笠原、一般離島について、補助率のかさ上げ、本土と離島間の石油輸送コストの全額補助等の措置を講じます。

149 過疎地域対策の充実

 わが党の主導により、「過疎地域自立促進特別措置法」が拡充延長されました。改正法には、過疎地域の方々から要望が大きかったソフト事業への過疎債の活用を盛り込み、医師確保やコミュニティバスの活用など過疎地の実情に即した対策ができるようにしています。
 わが党は、引き続き過疎地域の現状と課題を受け止め、積極的な対策に取り組んでいきます。

150 「原子力発電施設等立地地域振興特別措置法」の拡充・延長

 安全・安心を大前提とし、原発立地地域の住民からも信頼されるよう運用に万全を期します。同時に、地域振興という観点から「原子力発電施設等立地地域振興特別措置法」の改正を行い、10年間延長させるとともに、特例措置の対象範囲拡大や対象事業の国の負担割合の引き上げなど、施策の充実を図ります。

151 消費者行政を推進し、国民の消費生活の安定を支援

 消費者庁や消費者委員会の更なる充実を図り、消費者が安全で安心して豊かな消費生活を営むことができる社会の実現、国民の誰もがアクセスしやすい「ワンストップ窓口」など人材の支援・育成、消費者相談体制・行政処分の執行体制、財政支援のあり方等も含めた地方消費者行政の抜本的な強化や資金ニーズに応える政策金融の充実を目指します。また、小額多数被害者の救済を実行するため、消費者団体訴訟制度を充実します。更に、国民の消費生活の自立を支援できるよう、情報を知る機会や環境整備を、総合的かつ一体的に推進する「消費者教育の推進に関する法律案」(仮称)を成立させます。

152 「世界一安全な国をつくる8つの宣言」による治安対策の強化

 平成20年に策定した「世界一安全な国をつくる8つの宣言」により、犯罪に強いまちづくりの推進、振り込め詐欺の撲滅、生活の安全・安心を脅かす事案への対応、凶悪犯罪への対応、サイバー空間の安全確保、組織犯罪対策の推進、銃器・薬物乱用対策の推進、テロ対策の推進、不法滞在者対策の推進、客観的証拠の収集方法の整備、死因究明体制の強化等を推進します。また、次期国会にて「地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案」を成立させ、住民パトロールなどの治安対策に邁進している方々を支援します。

153 犯罪被害者等基本計画を改定

 わが党が犯罪被害者団体・被害者支援団体とともに作り上げた犯罪被害者等基本法施行後5年が経過し、この間、犯罪被害給付制度の拡充(平成20年7月)、刑事裁判への被害者参加制度・被害者参加人のための国選弁護制度(同年12月)、損害賠償命令制度創設(同年12月)、少年審判傍聴制度創設(同年12月)など多くの施策が実施されました。しかし、犯罪被害者団体と被害者支援団体への財政的支援は不十分で、経済的支援を必要とする被害者のための基金の創設も残された大きな課題です。国民の誰もが犯罪被害者となる可能性が高まっている今、犯罪被害者の視点に立った施策の充実のため、犯罪被害者等基本計画を改定して残された課題の解決を図ります。

154 交通事故死者数を半減

 現在、年間5千人弱の交通事故死者数が、今後6年間で半分以下となるよう、飲酒運転の根絶、高齢者の交通事故対策、ITSの高度化により安全を高めるための安全運転支援システムの実現など、総合的な交通安全対策を推進します。

155 自殺対策を強化

 わが国における自殺死亡者数は、平成10年以降12年連続して3万人を超える高い水準で推移しています。このため、自殺死亡者数を今後6年間で平成21年度比30%以上減少させるため、産業医・専門医への紹介や国の専門職員の質の充実、健康診断で精神患者チェックを盛り込む等、うつ病の早期発見に向けた社会としての対策を図ります。更に、自殺を考えている人を一人でも多く救うため、鉄道駅のホームドア設置など、目に見える対策を推進します。

156 青少年健全育成の推進

 近年の青少年の非行や犯罪被害等の深刻な状況に対し、青少年を健全に育むことができるよう、「青少年健全育成基本法」の制定をはじめ有効な法整備を図るとともに、青少年を取り巻く有害社会環境の適正化のための事業者等による自主規制のあり方など総合的な施策を推進します。また、インターネット上の有害情報による犯罪被害を防止し、青少年の安全・安心なインターネット利用に向けた施策を推進します。
 一人ひとりが社会生活を円滑に営むことができるよう、地域の連携を強化し、ニート・フリーター等困難を抱える若者への支援を推進します。また、若者自立塾の整備・拡充を図ります。

157 男女共同参画・DV被害者に対する相談体制の強化

 地域、職場、家庭などあらゆる場面で、世代を超え男女ともに活躍できる社会環境づくりを推進します。また、配偶者からの暴力をはじめとする、女性に対する暴力の根絶に向けた取組みを図るため、DV被害者に対する相談体制の強化、特に婦人相談所等での夜間・土日対応の強化について推進します。

DV 「ドメスティック・バイオレンス」または「DV」とは、同居関係にある配偶者、内縁関係や、両親・子・兄弟・親戚などの家族から受ける家庭内暴力。

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