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党大会

平成23年 谷垣 禎一 総裁 挨拶

自民党総裁の谷垣禎一です。全国それぞれの地域からご参集いただいたお元気なお顔にお目にかかって、わたしはたいへん心強く感じております。
昨年の参議院選挙では、皆様と力をあわせて闘った結果、わが党は勝利を得ることができました。ありがとうございました。
わたしたちの奮闘の結果、与党は参議院で過半数を割ることになりました。そこで露わになったのは、民主党政権の内政外交両面におけるあまりの未熟さ、無能力無責任でありました。加えて、政権内の見るにたえない権力抗争が続きました。このままでは、われらの愛する日本国、日本国民の未来がつぶされてしまいます。いま、国民の多くがそんな底知れない不安に駆られていることでしょう。
私は、今年の目標として、民主党政権をぜひとも解散総選挙に追い込んで、一刻もはやい政権奪還、新しい自民党政権樹立に向けて頑張ることを、まず宣言したいと思います。その実現こそが「日本再生」を果たすための、最も早く、正しい道筋なのです。
それとともに、4月の統一地方選は必ず勝利しなければなりません。民主党が口先だけのマニフェスト政党だったことが明らかになったのと比べて、わが党はやはり、わが国でたったひとつ、地域の草の根に根差して、人々の暮らしを守る国民政党であります。昨年来の地方選挙の相次ぐ勝利は、その証でありました。地域の人々の期待は「いっぺん民主党」から「やっぱり自民党」に変わりつつあります。わたしたちは地域の人々の声に真摯に耳を傾ける誠実な政党であり続けたい。新たな気持ちで頑張って、地方を元気にしたいと思っています。ぜひぜひ、統一地方選挙で勝利すべく、団結して頑張りましょう。

わたしたち自民党は、一昨年8月の総選挙で敗れ下野してから、かつての政治姿勢、政治手法の深刻な反省から再出発しました。
わたしたちの先輩が築いた自民党政権は、敗戦の焦土から経済大国をつくりあげ、日米同盟のもとで平和を維持して、さらには国際貢献に努めてきました。わたしたちの先輩が知恵を絞り、苦心を重ねて克ち得た日本の繁栄でありました。これはわたしたちの誇りとするところであります。
しかし、その半面、与党の座に安住して緊張感を失ってしまったことも確かでありました。政と官のなれあい、業界団体とのもたれあい、公益ではなく私益の政治ではないかと国民の皆様からご批判をいただいた面もありました。さらには自民党戦国史ともいわれた権力闘争に明け暮れたことも偽らざる歴史でありました。
政権投げ出しかと疑われる混乱した事態もありました。国民の皆様が自民党に冷水を浴びせたのもゆえないことではありませんでした。
だが、いま、私たち自民党はそんな歴史ときっぱりと決別しております。
わたしたちは、まずわが党の政治理念、新しい綱領づくりから出発しました。自由と民主、その揺るぎない理念のもと、新しい時代に対応して常に進歩を求める保守政党であることを宣言しました。護るべきものを護り、秩序のなかに進歩を求める、自助自立を基本としながら、共助、公助で支えあう、言いかえれば、努力するものが報われること、そしてハンディを背負った方々はみんなで支えあう、そんな温かい絆のある社会をつくることを改めて確かめ合いました。
昨年の参議院選挙では、公募等による新人の立候補者がこれらの綱領理念をまっすぐに訴えて見事に当選をはたしてくれたのは頼もしい限りでした。
自民党の悪弊のように言われてきた「政治とカネ」の問題も、いまや民主党のオハコになってしまいました。わたしたちは「政治とカネ」にけじめをつけました。もはや派閥の権力抗争もありません。党の執行部も着実に若返って、老壮青の力を結集できるようになりました。「自民党新生」、それがわたしの総裁として目指すべき大目標でした。
むろん、そうした努力が実を結び、もう一度自民党に政権を担当してほしいと国民のみなさまが思ってくださるには、まだまだ努力を重ね実績を築いてさらに信頼をいただかなければなりません。さらに開かれた体制の構築や次代を担う人材の育成など、わたし自身も不退転の決意で党改革に取り組みます。しかしながら、一昨年の総選挙でいただいた自民党へのご批判はそんななまやさしいものではありませんでした。真摯な反省と着実な再生への努力を抜きにして、すぐに政権に戻りたいという腰の浮いた姿勢では、国民の支持は得られません。自民党はしっかり野党の役割を果たしながら新しい力を蓄えて、政権奪還へ向けて勝負すべきときに勝負します。今年は、その勝負のときがいよいよやってきました。

1年有半の民主党政権がもたらした日本の危機はあまりに深刻であって、もはや座視しているわけにいきません。政治主導といいながら結局なにもできなかった、いたずらに混乱して国益を損ねたのみ、あの政権交代は何だったのでしょうか。もはや政権延命に汲々としているだけ、こう言っても過言ではありません。
なんといっても財政危機に対する取り組みは誠に空恐ろしい限りであります。民主党政権になって2年続いて、税収よりも国債発行額が大きく上回るという逆転現象です。その原因は、あきらかに4K、つまり子ども手当、高速道路無料化、高校無償化、農家の戸別所得補償、これに代表される野放図なばらまき放置予算にあります。そして何よりも、社会保障の財源として不可欠な消費税の引上げについて、菅総理はグラグラと迷走を重ねており、満身創痍になってもやり抜く覚悟があるとは思えません。ばらまくだけばらまいておいて、国民に負担をお願いするような耳の痛い話は野党と一緒に「超党派の協議でやりましょう」というのは、いかにも虫のいい話ではありませんか。そもそも、協議は我々が提案したものであります。しかし、政府・与党は案を示す責任があります。その案がマニフェスト違反となることを恐れ、案を示さずうやむやなまま責任を逃れようとするならば、これは姑息極まわりない態度であります。
民主党マニフェストがうたった予算の組み替え等で16.8兆円もねん出できるという目論見はあえなく潰れました。鳴り物入りの事業仕分けでねん出したいわゆる無駄の排除は何千億円という単位にすぎません。民主党マニフェストは政権の重みを知らない絵空事だったのです。
財源を考えなければ、どんな夢も約束できます。マニフェストのデタラメぶりが明らかになった以上、まずは民主党が天下を偽ったことを謝罪しマニフェストを撤回して、政府与党の案をきちっとつくってから与野党協議に臨むべきであります。
わが党は、社会保障の充実と財政健全化の両立を図って、消費税を含む税制抜本改革を国民に訴え、財政健全化責任法案を国会に提出しております。それによって日本の財政力を回復させ、安心で公正、豊かな福祉社会を実現することに邁進する決意であります。
財政再建とともに喫緊の課題は日本を再び経済成長のレールに乗せることであります。
国際競争に晒される企業の活力をバックアップし、それによって雇用を増やし賃金をあげて消費を伸ばしていく。中小企業にも目を配り、町工場も大切でございます、若者の新規雇用に万全を尽くすように働きかけていきたい。新たな成長戦略をつくりあげること、それは財政健全化への長期的な処方箋でもあります。
昨年来の民主党政権の外交無策は目を覆うものがありました。
尖閣諸島の問題では、民主党政権にはそもそも領土と国民を守る気概があるのかどうか、大きな大きな深刻な疑問を感じさせました。国家として毅然とした態度をとれなければ、中国から、いや世界から侮られることになります。北方領土へのロシア大統領訪問はその余波だったのでしょう。北朝鮮の挑発への対応は遅きに失しました。そして普天間をめぐる混乱で日米同盟の信頼関係を損ねたことは計り知れない悪影響があります。これらの問題は、民主党政権には、国家統治の周到さ、責任感、これが欠如していることをまざまざと示しています。
菅総理は「平成の開国」を唱えていますが、果たしてふるさとを守る農業の発展など国内対策に万全の備えができるかどうか、とうてい信頼することができません。
菅総理は、これらの失政への徹底的な反省もなく、それを覆い隠すがごとく内閣を改造、「最強の布陣」をうたって再スタートいたしました。
仙谷官房長官、馬渕国土交通大臣が参議院の問責決議をうけて更迭されたことは当然のことであります。仙谷氏は政権の中枢の自覚をわきまえずに傍らに人無きがごとくにふるまう一方、尖閣問題では決定的に国益を損ねました。にもかかわらず仙谷氏をたよりにして留任を策してぐずぐずしていた菅総理は、一国を率いるリーダーシップに改めて疑問を抱かせました。
新内閣は、民主党政権やマニフェストをあれほど否定した与謝野馨氏を経済財政の司令塔に据えました。貧すれば鈍す、菅内閣がここまで政権の信頼性を自ら貶めるならば、われわれは与野党協議においそれと応じるわけにもいかないのです。今般の動きは、総選挙で信を受けたマニフェストからの一大転換であり、国民の信を受けないままの「変質」であり、それは「変節」であることに他なりません。
小沢一郎氏の国会招致に対する姿勢も、菅総理のパフォーマンス以上のものではありません。小沢氏本人から不明朗な政治資金の真相を偽りなく語ってもらうために強制力のある証人喚問に踏み出すことをせずにお茶を濁そうというのでは、しょせんは小沢氏が拒否するところとなり、これは茶番と言うほかありません。
いずれにせよ、「有言実行」をうたった菅政権は、延命のための思い付きでぶちあげた消費税・TPP・公務員人件費等々が何一つ実現の目途がたっていない。このことからも、政権担当能力を喪失していることは明白であります。

わたしたちは来るべき通常国会で、これら民主党の失政を徹底的に追及します。その手を緩めることはいたしません。これは戦う野党として当然の責務です。といって、いたずらにこぶしを振り上げ、青筋を立てて、国会審議を混乱させることはいたしません。国会の場で自民党の政策ビジョンを国民の前に堂々と示していきたいと思っています。これは責任ある野党として当然の責務です。これら2つの責務を果たすこと、しっかりとした政策論に裏打ちされた積極果敢な闘いを演じることが、とりもなおさず国民生活を守ることであり、国民からわたしたちに与えられた使命であると思います。
わたしたちは自助の精神を尊びたいと思います。そして自助の及ばない恵まれない立場にある方々には共助、公助の精神で、お互いに支えあう社会、絆のある社会をつくりあげたいと思います。
国家を背負う凛々たる気概をもって、外交を展開していかなければなりません。国民の生命と財産を守るために、わたしたちは政治の責任から決して逃げません。
来年の4月28日には、わが国が主権を回復して60年の還暦の節目を迎えます。自主独立の気概を持つことは、今まさしく求められていることでもあります。新しい自民党は、自らの足でたつということは如何なることか、このことを自らに問いかけつつ、国民とともに新しい時代を切り開いていかなければなりません。
わたしたちは今年こそ、何としてでも政権を解散に追い込み、再び政権を担当するために頑張りたいと思います。そのためには真摯で謙虚な政治姿勢を貫かなければならないことは言うまでもありません。

昨年の党大会のあいさつで、わたしは孟子の「千万人といえどもわれゆかん」という言葉を申し上げました。野に下っても自民党は自らへの誇りを失ってはいけないという意味で申し上げました。
今年、わたしは「信無くば立たず」、この論語の言葉をかみしめたいと思います。国民の信頼がなければ、国家は成り立っていきません。長きにわたった自民党政権の反省、そしてこの1年半の民主党政権の惨状、これをみるにつけて、わたしはこの言葉こそ、やはり政治の出発点であり到達点であると、このように改めて痛感しています。
虚構のマニフェストを旗印とした政権運営は行き詰まり、それに変わり得る展望も持ち合わせていない。途方に暮れて立ちすくむ今の政権がその座に居座り続けることに、何ら大義はありません。国民への嘘で政権を簒奪したことへ「けじめ」をいったん付け、新たなスタートをきることこそが、わが国の歴史を進めるうえでは必要不可欠なことなのです。
さあ、国民とともに、新しい時代の新しい自民党政権をつくるべく、お互いに力をあわせて頑張って参りましょう。わたしは先頭に立って戦い抜きます。国民はきっと私たちを見守ってくれるとこのように信じています。どうぞ宜しくお願いいたします。

以上

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