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記者会見

谷垣幹事長ぶら下がり (平成28年熊本地震対策本部 現地視察後)

平成28年4月30日(土)
於:熊本空港

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日は自民党の視察団として熊本県を伺うことができました。まず最初に県庁に参りまして、蒲島知事から最近のいろいろな問題点等々をうかがいました。それから政府の災害対策本部が県庁に今、おりますので、酒井政務官はじめ政府から来ている方々も多少激励をさせていただいた次第です。その次に益城町に参りまして、西村町長からいろいろお話を伺いました。震度7の地震を二回も経験された一番、震源地でご苦労もおありだと思いました。特に役場が今、使えなくなって、避難をしておられるわけですが、役場として使いながら同時にあそこで被災者の方も避難しておられる。大変ストレスのたまる形だなということを感じた次第です。そのあと阿蘇に参りまして、阿蘇大橋の崩壊の現場、それから南阿蘇村の南阿蘇村の京大の地震研究所の下の土砂の崩壊等々を拝見させていただきました。阿蘇大橋のところでは、行方不明者の捜索を今も一生懸命やっておりましたが、当初の捜索、救助、それからライフラインの確保というのは、今のような行方不明者の捜索もまだございますが、ほぼ目鼻がついてきたのかなという感じはいたします。
しかし今後は、益城町のところで拝見したように、避難をしておられる方がまだ安心して今後の生活を展望できるところまではいっておりません。さしあたって、被災者の仮設住宅等々を少しでも早く造って、とりあえずそれなりの安定した生活を始めていただくということが一つ大きな課題なのかなという気がいたしました。しかし今後は、ごみとかがれきの処理というような問題は、非常に大きな問題になってくると思います。そしてそれから先、産業の再生等々をどうしていくのかという大きな課題もございまして、そういったことを視野に入れながらいろいろな策を立てていかなければいけない、こういう段階になってきているのかなと思いました。
発災してから半月余り経つわけですが、被災者の方々もそろそろ疲労が限界に近いところまで来ておられるのではないか。それから、県庁、市役所、町役場の職員の方々も同時に被災者でいらっしゃるなかで、やはりこういうときに頼りになるのは行政だということで非常に気合を入れて頑張っておられるわけですが、その方たちも相当疲労が溜まっておられるのではないかと感じた次第です。私どもは熊本県あるいは熊本県の市町村等々と密接に連絡を取り合いまして、さしあたって激甚災害指定の閣議決定もできましたし、それから今、補正予算も組む作業にあたっているところでございますので、それを一日も早く成立させていくということが肝要かなと思いますが、熊本県の市町村はいろいろ財政事情も、なかなか財政基盤の弱いところもおありですので、そういうところにどういう手当をしていくかというようなことで相当な工夫がこれから必要な段階なのではないか、こんなことを感じた次第です。私からはさしあたって以上です。

質疑応答

question
熊本日日新聞です。補正予算について、その総額に関してはいろいろなお話が出ていますが、幹事長としてはどの程度必要だとお考えですか。
answer
これはまだ今、作っている最中で、まだこのくらいというのは、私のところに報告が来ているわけではありません。いずれにせよ、5月13日(金)に閣議決定という予定で作業をしておりますし、それから野党の方々ともこの間、安倍総理が各党党首と党首会談をしていただきまして、各党皆、この補正予算については協力を惜しまないということでございました。そういう大変ありがたいことでございますが、5月16日(月)、17日(火)で衆参の審議をやろうということで大体野党の方々も賛同していただきましたので、サミットが始まるまでには補正予算を成立させることができると思っております。
question
熊本日日新聞です。熊本県あるいは市町村からも激甚災害指定にプラスアルファの何らかの財政負担軽減措置を政府に求める動きもございますが、それについて幹事長はどのようにお考えですか。
answer
激甚災害指定も、これは当然、必要なことです。今のお話も、類似の自然災害というか大災害を何回かここのところ経験いたしました。阪神淡路大震災もありましたし、東日本大震災もありましたし、あるいは新潟県中越地震もあったということで、かなりいろいろなところに手当てができていることはできているのですね。ただそういう手当ができていても、今すぐこれについてどうやったら予算がつけられるかというか国の裏打ちができるかというのは必ずしも十分でないものがございます。本日伺ったなかでは、これから家屋、完全に全壊したものはもちろんとしまして、半壊とかあるいは「使えないこともないのだがもう老人だけで暮らしているから」というようなお家もあると思います。そういったものにどういった手当てができるのか。それから、挙げると難しいものはきりがないわけですが、例えばいろいろな集落のなかでそれぞれ神社仏閣というか、村の神社が心の絆のよりどころというようなところがありますが、そういうところの再建をどうしていくのか。それから例えば民間病院等々、公立の医療施設はいろいろな手があると思いますが、民間病院はどうしていくのかなど、これから工夫をしなければならないものがたくさんあると思います。それにはまずは実情を把握して、今までの仕組みで対応できるのかどうか、これを十分検討して、もし対応できるのならそういうものでまずは、法律をつくっていたりしますと時間がかかりますので、今までの仕組みのなかで、解釈でできるものがあればできるだけそれでやっていく。ですからさしあたっては、特別交付税等々をどう活用していくかということは、今のような問題をにらんで真剣に詰めていかなければならないのだろうと思います。ただ我々もどういうニーズがあるのかまだ十分把握していないところがありますので、県や市町村とよく連携を取って、遺漏のないように、できるだけのことはしたいと思っています。
question
朝日新聞の笹川です。昨日は安倍総理が熊本県・大分県を視察されましたが、熊本県の地元の商店街の店主の方からの要望として、消費増税の延期を求める声がありました。被災地を実際ご覧になって、消費増税の判断に被災地の状況をどの程度考えていく必要があるとお考えでしょうか。
answer
経済は生き物ですし、これだけの大きな災害になりますと、全体として日本経済全体がどういう負荷を負っているのか、こういうこともよく考えなければならないと思います。しかし他方、これはもう今更申し上げるまでもありませんが、消費税を前回上げましたときに、介護、年金、医療だけではなくて子育て支援等にも使っていただくということで、いろいろな施策を検討しております。これも必要なことでございます。ですから、そういう全体を判断しなければならないので、今の時点で軽率に結論を出すことはまだできないということです。
question
共同通信の小笠原です。弊社の今週末の世論調査で、安倍政権の地震対応を評価するかの問いに「評価する」「どちらかと言えば評価する」が合わせて64.5%、「どちらかと言えば評価しない」「評価しない」が合わせて31.7%となっています。幹事長はこれについてどのように受け止められますか。
answer
これも幸か不幸かと申し上げるべきだと思いますが、今まで、最近も何回か経験しておりますので、そういう経験の蓄積があると私は思います。ですから、例えば阪神淡路大震災の頃に比べますとずいぶんスピードは速くなってきたと思いますし、また問題点等もかなり分析をされている。それから、先ほど申し上げましたが、こういう震災が起こったときにどこまで国がバックアップできるかというような仕組みもずいぶんできあがっているなと思います。そういうことからしまして、私も、諸外国と比べましても、これだけの災害が起きたときに非常に敏速な対応が全体としてはできているのではないかなと思っております。熊本県でもすでに、仮設住宅の建設というものをはじめ着手されたわけですが、これも今までの災害に比べますと、これだけ早く被災者住宅の施工というか建設に着手できたというのは、今までと比べると相当スピードが速いのではないかと思っています。ただ、災害はそれぞれ一つ一つ、まったく前と同じというわけではありませんので、やはりなかなか想定しなかった事情というのもある。特に熊本県の場合は、震度7という大きな地震をわずか一両日というか数日のうちに経験して、そのことが対応や被害を深刻にしているところがあります。ですからまだまだ我々は気を緩めることはできませんが、全力を挙げてやらなければならないと思います。
question
産経新聞です。心のよりどころというお話がありましたが、熊本県民にとっての心のよりどころとして熊本城が挙げられます。熊本城の復旧について党として何かできることはございますか。
answer
これはいろいろご要望も、知事からもお話がありましたし、経済界からも、特にオリンピックの前の年にラグビーワールドカップが行われる、そのときにはやはり熊本のシンボルとして復興させたいというお話がございました。ただ聞いてみますと、技術的になかなかそう簡単な、つまり近代的な技術を持った一流建設会社が請け負えば一瞬にしてできるというようなものではなく、やはりああいう石垣などをきちんと復旧していくためにはそれなりの伝統的な工法も踏まえなければならないということのようでございますから、どうやったら早くできるかというのは我々も真剣に考えなければいけないですが、なかなか難しいなということも意識しながらやらなければいけないと思います。

(※以下、ぶら下がり終了後のQAのため音源不完全)

answer
・・・選挙に響くと思います。こういうとき一番いけないのは、何か人気を取ったり選挙に勝てるために災害対策をやろうなどという色気を出すことは厳に慎むべきだと思います。しかし万全に被災者の生活再建をどうしていくか、あるいは熊本経済、やはり相当なダメージがあったと思いますから、それをどのように復興していくか、これは真剣にあたる必要があります。
question
ダブル選挙が遠のいたという話もありますが。
answer
割合皆さん敏感で、すぐ選挙とおっしゃるのですが、私は実際に頭の回転が鈍いものですから、まずは災害対応の方に頭がいって、それとダブル選挙の関係まで頭が十分整理できておりません。