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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会後)

平成27年10月13日(火) 10:03~10:23
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

人事が新しくなりまして、幹事長室の体制も新しくなりました。本日は、幹事長代理の棚橋泰文先生、それから特命担当副幹事長ということで下村博文先生、筆頭副幹事長ということで松本純先生に陪席をしていただくことになりまして、この体制で臨みますのでよろしくお願い申し上げます。
本日の役員会ですが、安倍総裁からは新しい執行部体制がスタートして、経済再生、地方創生、一億総活躍社会など、政府・与党一丸となって政権運営に臨んでいきたい。また、TPPが大筋合意したことを受けて、政府において総合対策本部を設置した。経済再生、地方創生に連結させていきたい。特に農業については、意欲ある生産者が安心して再生産に取り組めるようにしていく必要があり、政府・与党力を合わせて万全の対策を講じていきたい。それから、一億総活躍社会は、GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロを掲げているが、構造的に改革を行っていかないと実現できないので腰を据えて取り組んでいきたいということでした。
高村副総裁からは、政府・与党一体となって前に進めていきたいということでありました。
私(谷垣幹事長)からは、人事案件について、幹事長室は先ほど申し上げたとおりでございますが、政調会長代行、政調会長代理、国対委員長代理、筆頭副委員長、この人事となるのでよろしくお願いしたいということを申し上げました。また先般、平沼赳夫先生と園田博之先生から復党願が出されまして、県連からも復党要望があったことを受けまして、党紀委員会に復党審査要請を行いまして、審査の結果2名の復党が了承されたということをご報告いたしました。そして政府の方も人事が固まりまして、第三次安倍改造内閣が本格的にスタートしたわけでありますが、政府においては緊張感を持って山積する課題に全力で取り組んでいただくとともに、与党としてもしっかり支えていきたいのでよろしくお願いするということを申し上げました。
小此木国対委員長代理からは、与野党国対委員長会談のご報告、臨時国会を開けということと、国会で閉会中審査をせよということですが、臨時国会についてはまた官邸の意向もよく聞かなければいけないということと、閉会中審査につきましてはこれからまたご相談をしながらということであります。また災害対策特別委員会の視察について、それから平沼、園田両先生の復党で今、会派は291名だというご報告がございました。
吉田参議院国対委員長からは、予算委員会の閉会中審査について、いろいろな状況を見て対応したいということでございました。
溝手参議院議員会長からは、参議院人事は今週、調整していきたい。16日(金)に議員総会を開くということでした。
伊達参議院幹事長からも同趣旨でございます。
茂木選対委員長からは、参議院選挙の公認候補擁立の状況、また大阪府知事選について推薦申請があったので手続きを進めるということでございます。
稲田政務調査会長からは、新体制の下で政調の人事を進めていきたいということでした。
二階総務会長からは、総務会の進め方について、時に重大な案件だが極めて短い時間で審査をしなければならないことがしばしばあるので、その辺の審査のあり方等もまたいろいろ相談していこうというご主旨でございました。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。役員会のなかで、幹事長からもありましたが、与党としてしっかり支える党内の体制について、時期的な目処とどういう方針で人事を固めていかれるかということについてお聞かせください。
時期は今、ちょうど海外に出張しておられる方がものすごく多いので、ご出張中にどんどん決めていくというのも難しいところが正直言うとございますが、そういうことも見ながら、あまりいつまでもやればいいというわけではありませんので、「できるだけ早く」という以上のことはちょっと今、申し上げにくいのです。それから、あとはやはり、平凡ですが、適材適所ということで、結局のところ例えば国会も、もちろん国対もそうですが、それぞれの重要委員会の例えば筆頭理事というのはやはりそれなりの見識と力のある方でないとなかなか国会がうまく回らないということがございますし、それから政調ももちろんいろいろな案件を抱えておられる。もちろん幹事長室も司令塔としての機能は力のある方にいていただかないとできない、ということでございますので、やはり適材適所でいく、それで党全体で政府を支えていきたいということに尽きると思います。
NHKの瀧川です。本日、沖縄県の翁長知事が辺野古の埋め立て承認について「法律上の瑕疵がある」という理由で取り消したわけですが、この対応について幹事長はどのようにお考えか、それから政府・与党としてどう対応していくお考えでしょうか。
これは基本的に政府において適切に対応されると思います。私どもとすれば、法律的な瑕疵があるという判断は承服しがたいものがある、これは言うまでもございませんが、政府としてきちんとした手順を踏んでいかれると思います。私どもはその政府の手順をしっかりバックアップしていこうということだろうと思います。
テレビ朝日の植村です。人事について、野田税調会長の交代が報じられています。これはいつ頃を目途に決めていかれるのでしょうか。
もう手続きを進めていかなければいけない時期でございます。と申しますのは、やはり本年末までに消費税を引き上げるにあたってどういう形で軽減というか、そういうものを考えていくか等々、技術的にも複雑な詰めがありますので、早く進めていかなければならないと思います。
テレビ朝日の植村です。確認ですが、交代の方針ということですか。
はい。もうすでに報道されておりますが、宮沢洋一先生になっていただくという方向で手続きを進めていきたいと思っております。
テレビ朝日の植村です。党の税調というと山中貞則先生の時代から党が主導してきたものだと思いますが、今回、官邸主導の色が濃いのですが、その辺りいかがでしょうか。
非常に税の議論は極めて政治的な高度な判断を要する場合があると同時に、極めてある意味では技術的な性格も持っておりまして、そういう技術的な性格を無視して進めていくと、全体の税制がうまく機能しないということがあると思います。そういうことで今まである意味での専門性というものも持ってあたっていただいたということでございますが、やはり若い世代もこれから自民党で税制を考える中心の仕事をしていただかなければならないということが一つあると思います。それと同時に宮沢先生は、いわゆるインナーと言われるような形で中心となって仕事をしてきた方々がいらっしゃるわけですが、宮沢先生もそのインナーのメンバーで、この間までは閣僚でいらしたので、若干閣僚としては党税調の仕事を離れておられたと思いますが、ずっとインナーとして議論の中枢を歩んでこられた方ですし、また野田税調会長のご指導もいろいろ受けながら、この難しい局面に対応されると思います。
日本経済新聞の酒井です。軽減税率について、菅官房長官が昨日、「2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に」ということをおっしゃったのですが、幹事長の今のお考えはいかがでしょうか。
これは先ほど申し上げたように技術的側面というのがあります。技術的側面は仕組みの準備等々も十分にしていかないと、そこのところが十分捌けていないのにやると実務的な混乱が生じてしまうということがありますので、これからの議論として大事なのは、一つはやはり自公両党で十分納得の上で進んでいくということでしょうし、もう一つはそういう技術的側面で実務が混乱しないような仕組みをきちんと考え、時期等もそれと密接に関係がありますので、その議論を煮詰めてもらいたいと思っています。
日本経済新聞の酒井です。幹事長は以前、財務省が考えた還付金制度に一定の理解を示されていましたが、今回の人事を受けて、還付金制度はなかなか難しいと判断されたのでしょうか。
その辺りは、新体制、新しい顔ぶれになりますが、自公でしっかり煮詰めていただくということだと思います。
東京新聞の木谷です。先の通常国会における平和安全法制の採決について伺います。先日、参議院特別委員会の議事録が公開されまして、議事録の未定稿では「聴取不能」となっていたものが、「法案を可決すべきものと決定した」という記述が付け加えられました。野党側は、採決は認められないとして議事録の作成方法に疑問を唱えていますが、幹事長の受け止めをお願いいたします。
これは長い間の、ああいう緊迫した採決のときどのように扱うかといういろいろな例があるわけですね。いつかもこの会見で答えましたが、ああいうときの野党の基本的な作戦は、昔で言えばまずマイクを引きちぎって「聴取不能」というところに持ち込むというのは一つの作戦としておりました。そういうなかで、ではマイクを引きちぎられたらあと一切議事は進行できないということでは困りますので、やはり最終的には委員長の判断ということになり、もちろん委員長の独自の見解というだけではいけないでしょう、いろいろな場合のいろいろなことも必要だと思いますが、そういう判断でいろいろなことを進めてきたということでございます。そういうなかでそういうような議事録が作成されたということは、経緯を考えますと、ものすごくいい方法だとは私も思いませんが、やはりああいうやや国会としては悪しき慣行のなかで物事を進めていくにはやむを得ない手法なのかと思っております。
読売新聞の天野です。税調会長人事について、本日の役員会で安倍総裁から説明はありましたか。
本日の役員会ではございません。
朝日新聞の笹川です。企業献金についてお伺いします。経団連が昨年、会員企業に政治献金の呼びかけを再開しましたが、本年もまた呼びかけをする方針だということです。安倍政権は、原発再稼働やTPPや法人税減税など大企業の求める政策に前向きですが、こういう企業献金の存在で国民の目から見て「政策をカネで買う」というように見られるという懸念はありませんでしょうか。
その辺は冷静なご議論が私は必要だと思います。今各党それぞれかなり政治活動や政党活動で政党助成金の占める割合が大きくなってきておりまして、これに関しても税金で政党活動をしていくのがいいのかというような議論があるだろうと思います。要するに私はバランスの問題で、全部税でそれぞれの政治活動を支えるというようなことは、今細かには申し上げませんが、弊害があると思います。ですからやはり企業献金というものも、これはかつての八幡製鉄政治献金事件でしたか、最高裁判所もそれは認めているわけですが、節度ある企業献金というものも健全な政治の発達のなかでは必要なのではないかと思います。
朝日新聞の笹川です。確認ですが、幹事長が今おっしゃったように、政党助成金は企業献金が癒着の温床になるということで導入されたという経緯があると思いますが、それでも企業献金というものは必要であると思いますか。
今、そうおっしゃいますが、では全部政党助成金でやるような制度になったとき、一体政治活動はどうなるかということを考えますと、過去の経緯でそういうような議論もあったことはあったでしょう。しかし、だからといって全部政党助成金でございますということになったときに、では今まで国会のなかで全然足場を持っていないような勢力はどのようにして政治活動をしていくのかという問題はありますね。だから私はバランスが必要だと、何も無限に企業献金をできるだけ貪るように集めろなどということを私は申しているわけではございません。やはりバランスというものを考えながら考えていかないといけないというのが私の考え方です。
共同通信の比嘉です。先日、ユネスコが中国の申請に基づいて南京事件に関する南京大虐殺の記録というのを世界記憶遺産に登録しました。この件に関して二階総務会長や菅官房長官から「ユネスコへの拠出金を停止ないしは削減すべきだ」という提言が出ていますが、幹事長はどのようにお考えですか。
ああいうものを議論しますときに、事実関係は何なのだという議論を抜きにしてやってしまうと往々にして問題が生ずるというのが今の議論の背景にあると思います。ですから、そういう事実関係と関係なく政治的にだけ動いていくというようなときに我々としてどう対応しなければならないかということはいろいろ、なすがままに任せるというわけにもいかないので、そのようなご議論が出てきたのだと思います。
共同通信の比嘉です。一方で南京事件に関しては日中間で犠牲者数に論争があったり、事実関係についてはかなり長い間論争が続いてきたと思うのですが、日本の意向に沿わないからといって拠出金を止めるというようなメッセージが国際社会に発されると、日本に対する信用というのも失われるのではないかという懸念があるのですが、その辺りいかがですか。
ここは先ほども申し上げたように、では全然事実関係と違うことがあたかも事実であるかのごとき受け止め方をされる場合にどのような手段を取ればいいのか、これはいろいろ考えなければいけないだろうと思いますよ。今のようなことも一つある、決め打ちで言っているわけではありませんが、今のようなことも諸外国はしばしばそういう手法を使っている国もないわけではないということでしょう。いろいろな議論を整理していく必要があると思います。