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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年9月4日(金) 10:33~10:44
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、平和安全法制は参議院の方で審議いただいているが引き続きよろしくお願いしたいということでした。
私(谷垣幹事長)からは、一つは、参議院で今、いろいろ連日、詰めをやっていただいている。昨日は改正マイナンバー法が成立したし、また参議院で労働者派遣法の審議も大詰めを迎えているのでよろしくお願いしたい。また平和安全法制について、昨日は修正協議もやったが、なかなか楽観できない状況のようだ。いずれにせよ、平和安全法制は参議院でしっかり結論を出していただけるよう政府・与党協力してやっていきたい。それから、8日(火)から総裁選が行われるわけだが、法案審議と総裁選のダブルトラックというのは今まで経験がないので、どちらも一生懸命やらなければいけないのですが、法案審議に影響の出ないようしっかり対応していきたいということを申しました。
松山参議院国対委員長代行からは、スケジュールについてのご説明がありました。
溝手参議院議員会長、伊達参議院幹事長からは、大詰めに来たのでしっかりやっていきたいという趣旨のお話がありました。
佐藤国対委員長からは、野党から予算委員会の集中審議の要求が出ているが、なかなか応じられないという立場だ。野党は、応じられない場合はすべての委員会の日程に応じないと言っているので粘り強く努力していきたいというお話でした。
茂木選対委員長からは、岩手県議選、酒田市長選について、勝利を目指そうということ、また6日(日)から山形市長選が始まるというお話でした。
稲田政務調査会長からは、岩手県議選に応援に行ったことについてのご報告がありました。
野田総裁選挙管理委員長からは、昨日の総裁選挙管理委員会についてのご報告がありました。

以上です。

質疑応答

朝日新聞の笹川です。昨日の弊紙の朝刊に掲載していますが、最高裁判所の長官を務められた山口繁氏がインタビューに応じられて、「集団的自衛権の行使を容認する立法というのは少なくとも違憲と言わざるを得ない」とおっしゃっています。政府・与党の立場としては、違憲であるかどうかは憲法学者が言うのではなく最高裁判所が判断することだということですが、そのトップを務められた方がこの法案を違憲であるとおっしゃっていることについてどう受け止められますか。
個々の裁判官ではなくて、最高裁判所がどういう判断を今まで示してきたのか。そうなると、この問題に関しては、これは今、縷々申し上げませんが、砂川事件の判決というものの論理・論旨があるわけですね。それが憲法9条は何もできないとは言っていない、この論理も細かく申し上げるのは差し控えますが、そういう前提で我々は議論を立てているということであります。
朝日新聞の笹川です。山口氏がおっしゃっているのは、「本来であれば憲法9条を改正するのが筋である」とおっしゃっています。この法案が成立したとして、憲法9条のこれからの扱いというのは、幹事長としてはどうすべきだとお考えですか。
どうすべきかというのは、どういうことでしょうか。憲法9条を変えるべきだということですか。
朝日新聞の笹川です。変えることが必要かどうかということです。
そういう議論が起きてくればそれも必要だと思いますね。しかし、今回の平和安全法制を根拠づけるために憲法改正が必要であるとは考えておりません。
共同通信の比嘉です。山口氏には弊社のインタビューにもお答えいただきまして、大体同様の内容なのですが、今、幹事長が挙げられました砂川判決について、「それは集団的自衛権を想定したものではない」とおっしゃっています。従来言われていることですが、改めて最高裁判所の長官が、もちろん個々の裁判官ではありますが、そのようにおっしゃったということについてはどのようにお考えでしょうか。
長官を経験された方が少数意見をお書きになることもあるし、いろいろなことがございますので、一つ一つはコメントしません。
共同通信の比嘉です。山口氏がご心配になっているのは、「今回のような憲法解釈が認められた場合、今後の立法、立憲主義に影響してくるのではないか」ということで、このご懸念についてはどのようにお考えですか。
長い間やってきた解釈を変えるのにどういうルールが必要かという議論をされているのだろうと思いますね。これについてはまたいろいろ議論を煮詰めていったらいいと思います。
共同通信の比嘉です。幹事長はその心配はないとお考えでしょうか。
そうですね。むしろ今まではとにかく憲法改正というのは非常に難しいという議論、それから「するな」という議論も盛んでしたが、なかなか難しいねという議論があったことは事実ですね。今後、そういう解釈を変えていくのにどういうルールが必要かというのは議論がもう少し深まってもいいと思います。
時事通信の大沼です。この後、野党6党の党首が集まって平和安全法制の対応や内閣不信任案に関する意見交換をするということですが、今後の平和安全法制への影響や国会運営への影響についてどのようにお考えですか。
何が国会運営などに影響するのですか。
時事通信の大沼です。野党の党首が集まって意見交換することによる影響です。
野党の方々がどう対応してくるかというのは、国会運営では非常に影響があると思います。
テレビ朝日の植村です。国会日程について、一部報道で16日(水)委員会採決、17日(木)本会議採決という日程が出ていますが、そのような事実はあるのでしょうか。
その報道の内容は、私は承知しておりません。
テレビ朝日の植村です。具体的な日程というのは、18日(金)までになどとも言われていますが、今、どのような日程感をお持ちなのでしょうか。
それは今、参議院の方で詰めていただいているので、その辺は軽々に「こういう日程感だ」と私がしゃべるものではないと思います。
東京新聞の宮尾です。山形市長選について、ちょうど選挙期間が平和安全法制の審議の大詰めの時期と重なるということもあって、現地では平和安全法制、国政マターですが、これを巡る議論が非常にヒートアップしているような状況です。この選挙結果が平和安全法制の審議や採決に影響があるとお考えでしょうか。
山形市長選は13日(日)投開票日でしたね。与えるか与えないか分かりませんが、どちらかというと地方選挙ですので、国政選挙の場合とはまた若干違うのかなとは思います。そんな感じですね。
東京新聞の宮尾です。仮に野党が勝った場合、影響があり得るとお考えですか。
どうでしょうか。それは結果、結果のいろいろなありようにもよりますね。
TBSの加納です。大阪市長選について、一部報道で自民党の大阪市議の柳本顕氏を擁立する方針を自民党が固めたということですが、これについていかがですか。
それは自民党のどこが固めたのでしょうか。
TBSの加納です。「自民党」としか書いておりませんでした。
まだ大阪府連からそういうことが上がってきているわけではないので、党本部としては別に固めたわけでも何でもないと思います。大阪府連がどのようにされるのかということですね。
TBSの加納です。自民党総裁選について、野田聖子衆議院議員が、「議論の場が必要だ。総裁選で議論することが必要だ」と話されて、ご自身も意欲を感じさせるような発言をここ数日の間にされました。この発言について率直に幹事長はどのようにお感じですか。
一般論とすれば、それは間違っていない議論ではないでしょうか。
TBSの加納です。一般論を外れると、どのようにお感じでしょうか。
私はどちらかというと幹事長としてこの総裁選を、もちろん選挙管理委員長もおられますが、私もこの総裁選をきちんと管理していかなければならない立場の人間ですから、一人ひとりの候補者が決まっていない段階、意欲を示しておられる方のことにいちいち論評するのは、私の立場からは差し控えたいと思います。
日本テレビの加藤です。野党が今国会の対応を巡ってこの後集まって協議をしますが、一方で維新の党はじめ平和安全法制の修正ということも協議してきたなかで、ここにきて内閣不信任案という声も出てきている。こういった状況において、改めて野党との向き合い方について幹事長はどのようにお考えでしょうか。
私は、修正協議などには積極的に、もちろん我々と全く違う考えでは困りますが、歩み寄れるものは歩み寄るべきだと思ってまいりましたが、なかなか簡単ではない情勢、つまり内閣不信任案まで入れてというのは、どういうことになっていくのかよく分かりませんが、少なくともなかなか容易ではないなという感じは持っております。
日本テレビの加藤です。「真摯に対応していく」ということを繰り返しおっしゃっていましたが、その方針については今後も変わらずということでよろしいのでしょうか。
そうですね。
テレビ朝日の植村です。幹事長は就任されて一年になりましたが、振り返られていかがでしょうか。
いろいろなことがあったなと思います。どのように言えばいいですかね。幹事長の仕事というのはいろいろな仕事がありまして、なかなか一年間やるとくたびれる仕事だなと思いました。でも、至らぬ私がいろいろな方に支えられて、どのくらいの仕事ができているのか分かりませんが、今日まで務めることができたのはありがたかったなと思っております。
テレビ朝日の植村です。自己採点で何点くらいでしょうか。
採点というのは、自分で採点したってしょうがないですよね。私はあまりそういう自分で採点したりすることはいつもしないのです。大体成績が悪かったですから、そういうことをやると不愉快になるだけですのでね。学生時代のそういうトラウマが現在も残っています。