ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会後)

平成27年6月29日(月) 17:50~18:05
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員会ですが、安倍総裁からは、本日も平和安全法制の審議を進めていただいており御礼申し上げる。今後さらに緊張感を持って、政府・与党一体となって成立に向けて全力を挙げていきたいというお話でした。
高村副総裁からは、昨日のNHK日曜討論で民主党の福山幹事長代理が、「高村副総裁が砂川判決を根拠にすることに消極的になった」と発言されたが、まったく間違っているので否定しておいたというご発言がありました。
私(谷垣幹事長)からは、6月25日(木)の「文化芸術懇話会」の件につきまして、木原稔衆議院議員を1年間の党役職停止の幹事長処分をした。あと三名の衆議院議員にも口頭による厳重注意をしたということをご報告しました。国会等の政治状況をしっかり踏まえて、政府・与党として緊張感を持って行動していくのでよろしくお願いしたいということを申しました。また本日、維新の党から今後平和安全法制の維新案を提出したいというご挨拶で、維新の党がおいでになった。内容を精査しながら対応していきたいということをご報告しました。
佐藤国対委員長からは、平和安全特別委員会について7月6日(月)までの日程が決まっている。緊張感を持ってやっていきたいということでした。
吉田参議院国対委員長からは、当面の参議院の委員会日程についてご報告がありました。
溝手参議院議員会長からは、大事な時期で頑張っていくしかないのでしっかり慎重にやろうというお話でした。
茂木選対委員長からは、群馬県知事選挙についてのご報告がありました。
稲田政務調査会長からは、重要な局面なので一致団結していきたいというご発言がありました。

以上です。

質疑応答

NHKの笹川です。27日(土)の記者会見で、幹事長は「文化芸術懇話会」の問題について、「与党議員としての自覚に立っていただきたい」とおっしゃっていましたが、こういった問題が起きた原因というか背景というのは幹事長としてはどのように考えておられますか。
いろいろ考えられないことはないのです。実はこれだけの大幅な会期延長をするのにいくつか心配な点はございました。つまり、これだけ時間があるから大丈夫なのだという緩みが生ずるということを心配される向きもありまして、私もその点は注意していかなければならないと思っていたのですが、一つはやはりそういうことが出たということがあるかもしれませんね。だから、ここは本当にもう一回締めていかなければいけない。それからもう一つは、やはり若い方々が、我々も与党時代、野党時代ありましたが、そういう苦労というか、ちょっとした気の緩みが大きな失敗につながっていくということ、そしてどのように与党議員が振る舞いをしていくのか、野党になってどういうことを苦労したのか、そういうことを十分に自覚されておられない方があるのかもしれない。これは我々がやはり自民党というものはどういう党かということをもう少しよく、歴史ということになりますでしょうか、指導していく必要があるのかなと思ったりしております。あまり行き届かない分析ですがそういうことではないでしょうか。
朝日新聞の笹川です。背景の検証というか再発の防止などを党として検討していくというお考えはございますか。
党としてというか、昔でいえば当たり前の立ち居振る舞いではないかと思うのですが、それが十分伝わっていないということをどうしていくかというのはありますね。昔はやはり派閥のなかでかなりそういうことを折に触れて先輩から聞いた。今はそういう機会は少ないのかもしれませんね。私も、若手と昼飯を食べたりするということもやっておりましたが、飯を食べるだけで伝わるのかどうか、少し難しいところですが、いろいろまた手立ては講じなければいけないと思います。
テレビ朝日の千々岩です。処分は木原衆議院議員の一年間の党役職停止と、お三方については厳重注意ということでしたが、これは最終的に文書を出したのか、あるいは実際にお会いになったのか、その辺りどのようになっているのでしょうか。
もう文書は発出していると思います。それから、厳重注意の方については、これはつまり文書は特にありません。
テレビ朝日の千々岩です。木原青年局長の場合には、実際にお会いになるというやり方もあったと思うのですが、その文書というのはFAXか何かで送られたということなのでしょうか。
お届けしたということです。
時事通信の大沼です。役員会のなかで幹事長は処分に関して報告をされたと思いますが、それに対する出席者もしくは安倍総理から発言はあったのでしょうか。
ありませんでした。
共同通信の比嘉です。今回の件に関して、安倍総理の謝罪の必要性ということについて幹事長はどのようにお考えでしょうか。
これは、度々申し上げているのですが、党の問題で、もちろん党のトップは総裁でいらっしゃいますが、やはり実際の運用は私が責任者ということでございますので、私の方からああいう判断をして、昨日も申し上げましたが、謝罪の気持ちも込めてああいう処分をしたということでございます。
共同通信の比嘉です。ということは、安倍総理は特にこれから謝罪する必要はないと幹事長はお考えですか。
責任者である私がそういう行動を取っておりますから。私が責任者でないならばそういう行動をお取りになる必要があるかもしれませんが、私が党を今、お預かりしているということであります。
共同通信の比嘉です。本日、民主党の枝野幹事長が「安倍総理の鈍感な姿勢が問題である」というような発言をされているのですが、それについてはいかがですか。
本日もお話しましたが、安倍総理が鈍感であるとは私は思っておりません。
共同通信の比嘉です。それはどのような点からそのように思われるのですか。
それは、人間ですから、よくお話すればそれくらいのことは鈍感な私でも感じられるということでございます。
共同通信の比嘉です。25日(木)の「文化芸術懇話会」の翌日の平和安全特別委員会で、安倍総理は「発言をもって処分するのはいかがなものか」というような答弁をされているのですが、そういうことがあって27日(土)の処分になったのか、対応が遅かったのではないかという批判もありますがいかがですか。
こういうことはやはり、表現は難しいのですが、いろいろな出方を見るというか、ご本人がどういう判断をして行動されるかなどということをやはりそれぞれ見るということも必要ではないかと私は思います。
毎日新聞の影山です。本日、維新の党の柿沢幹事長らがお見えになって維新案について説明を受けられたと思います。今後内容を精査しながら対応していきたいということでしたが、維新側は7月3日(金)に維新としての案をまとめる予定です。今後、自民党と維新の党の協議はどのように進めていくおつもりですか。
これは時間もございますので、いつ出てくるかによってもずいぶん違うと思います。それは、まだ具体的な内容は分からない、むしろ前広にそういうことを考えているから是非提出した場合は協議をお願いしたいという、大変その意味では柿沢維新の党幹事長には丁寧な行動を取っていただいたのですが、我々もその丁寧な行動に対してやはりきちんと誠意をもってお応えしなければと思っておりますが、まだ中身も分からないしいつ出てくるかも十分分からないものですから、何ともまだ確たることは申し上げにくいということですね。そういう誠意ある行動に対しては誠意ある対応をすると、今申し上げることはそんなことですね。
毎日新聞の影山です。与党協議の際は自民党の高村副総裁が中心となってやっていましたが、維新案についても実務としては高村副総裁が中心となってお答えするということですか。
実際には高村副総裁の判断を尊重しながらということになると思いますが、ただどういうところを対応していくのか。例えば修正協議などですと現場の委員会の理事でやるというのが通常ですね。例えば政調的に発想すれば、江渡聡徳衆議院議員が安全保障法制推進本部の本部長になっておられて、そういう政策の組織同士でやるのかなど、その辺もまだ私自身もよく判断しておりません。
東京新聞の宮尾です。テレビ朝日の討論番組への出演を党所属の国会議員が直前で見送った件について、幹事長の一昨日の会見や昨日の日曜討論でのご発言をお聞きすると、党の方から議員と会われて何らかのアクションをした、つまり取り止めるように示唆したと事実上認めているように聞こえるのですが、いかがですか。
認めておりません。どういう経緯だったか、明確に「知らない」と申し上げたはずでございます。ただ、その後は私の想像です。我々も昔、いろいろなときに派閥の先輩などに「どうしようか」と相談に行ったりしたことはありますね。「なかなかデリケートな時期だけどどうしようか」などですね。そうしたら、「出たらいいではないか」とか「今のようなときはお前、まずいぞ」など、それはいろいろありますが、そういうようなことはあったかもしれないと申し上げたので、事実上認めるというのは少し私の表情を深読みされ過ぎではないかと思います。
東京新聞の宮尾です。一般論でおっしゃったということですね。
そういうことです。
産経新聞の澤田です。弊社の世論調査で、安倍内閣の支持率が前回比で7.6ポイント減、政党支持率も4.5ポイント減となっていまして、今回の発言が影響したのではないかという指摘もありますが、その辺りの受け止めをお聞かせください。
私の受け止めは、与党というのは国会が開会されると必ず支持率が落ちるものだというのが私の認識でございます。特に予算委員会などを開けば開くほど落ちていくのですね。それで、当然ながら野党も厳しい批判を展開しますからそういうことになるのですが、今までは割合安倍政権は、私の今までの経験からすると、あまりそういう傾向ではなかった。ですが、ちょっと最近は昔の傾向にある意味では、則っているわけでは別にありませんが、そういう感じがしないではありませんということです。別な言い方をすれば、ここが正念場で、脇を締めてしっかりやろうということになるわけでございます。