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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年3月6日(金)10:30~10:44
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、選挙権を18歳に引き下げる法案が出る。これは、民法あるいは少年法の議論とも関わってくるのでよく研究してほしいというお話でした。
私(谷垣幹事長)からは、年度末も迫ってきたし予算審議も衆院で大詰めを迎えている。その後に日切れ法案の処理等々もあって、各委員会の大臣所信も早急に進めていかなければならない重要な時期であるので、気を引き締めて臨んでいこうということ申し上げました。また、予算委員会では政治資金の問題等々の議論があり、総理のご答弁もあったわけですので、それを踏まえて、まず現行法制の下で、党としてもあるいは党所属の議員等々も現行法制に十分習熟するということをしないといけないし、その上で、コンプライアンス室には政治資金規正法等今まで実務上何か問題点を感じることがあったら上げるようにという指示を私からしたということも申し上げました。それから、明日、明後日に党大会ならびに関連行事が行われるが、統一地方選挙に弾みとなるような大会としたいのでよろしくということを申しました。
佐藤国対委員長からは、予算委員会の日程について、出口に向けて慎重に審議を進めたいというご報告、それから、財務・金融委員会、総務委員会の日程について、また他の委員会も来週中に大臣所信の聴取が行えるように努力するというご報告がありました。
吉田参議院国対委員長からも、法案審査の日程調整をしっかりやっていきたいというご報告がありました。
茂木選対委員長からは、統一地方選挙に向けて、また選挙必勝塾等のご報告がありました。
稲田政調会長からは、明日、党大会関連行事として政策シンポジウムを、「地方創生」と「女性活躍」の2つをテーマに行うというご報告、また党大会で配布する政策パンフレットができたというご報告がありました。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。選挙権を18歳に引き下げる法案が提出されまして、今国会で成立する見通しです。これに対して、党としてどのように取り組んでいかれますか。
再度の提出ということですが、見通しはおそらく、特段反対の党というのはないように報告を受けておりますので、おそらくこれは順調に仕上がっていくのではないかと思います。その上で、やはり他の法制、本日の高村副総裁のお話にもありましたように、成人は民法上では20歳であるなどという問題がありまして、やはり主権者教育というか、そういうのはかなりしっかりしていかなければいけないのかなということがございます。我々の方からしますと、来年の参議院選挙はこれで行われる可能性が極めて高いわけですので、それに向けてどういう準備をしていくか、これは選挙対策というか、若い方たちにどのように支持を訴えかけていくのかという手法、実は私も年を取ってあまりそれに対して的確なアイデアを持っているわけではないのですが、やはり若い世代を中心として、どうしたらアプローチができるのかということを少しこれから研究していかなければいけないなと思います。
NHKの瀧川です。民法の成人年齢との話、それから少年法の適用年齢の話、この2つの話について「ずれているのではないか」という意見もあるのですが、これについての検討というのはどのようにお考えでしょうか。
私は、必ずしも投票年齢が下がったからといって他のものも、それは制度趣旨が違うのだというようには基本的には考えておりますが、ただ、今民法に関しては、法制審議会に諮問をしている。制度目的は違うとはいえ、民法上の成人年齢というのは動かしていく必要があるのかもしれません。これは、法制審議会等々での整理を待ちたい。それから、少年法に関しては、私はどちらかというと少年法でもう18歳から上は全部一般刑事司法の適用というのは必ずしも実際的ではないのではないか。つまり、少年犯罪等々の実情を見ますと、要するに少年法は、人格の可塑性というか、まだ固まりきっていないということで、成人の刑事司法の手続きとは違うものを設けているわけですが、そういうまだ人格の形成の途上であるという意味では、急に変わってくるわけではないのではないか。私はどちらかというとそのように思っておりまして、法務大臣をしていたときも基本的にそういう考えで臨んでおりました。現在どういう状況になっているのかどうかはまだ十分把握しておりませんが、私自身としてはそのように考えております。
NHKの瀧川です。幹事長が役員連絡会の中でもお話になった「コンプライアンス室に問題点を上げてもらうように」ということですが、期限というか時期的な見通し、目処というのはつけていらっしゃるのですか。
特段ありません。「もし何か問題点があるならば」ということでありまして、今私は特にその問題点があると考えているわけではなくて、むしろ法の趣旨を十分に理解して、その法の趣旨に沿った適切な対応を我々が取れるようにするということがまずあるべきことかなと思っています。
TBSの加納です。8日(日)に党大会がありまして、運動方針案について幹事長からご説明があると思いますが、憲法改正に向けて運動方針案の中で項目出しして今回訴えいくというところだと思います。この改正の議論の進め方について、幹事長としてはどのような形で進めるのが一番望ましいとお考えでしょうか。
これも何度か今まで申し上げておりますが、憲法改正の経験というのは、我々はほとんど持っていないわけですね。そういう憲法改正を具体的に発議するというのは、そういう意味では極めて歴史的な意義のあることだと私は思います。したがって、あまり軽々に「ちょっと試しにやってみよう」というようなことではいけないので、やるからにはきちんと仕上げていくという態勢も必要だし、そういう心構えが必要だと思います。そうだとすると、一体どういう形にしていけばそういうことができるのかというのは、まだそこまで完全に議論が煮詰まっているわけではないのだろうと思いますので、そういう議論をしっかり積み重ねて、「やる」というときに実行できるような態勢を作っていく。現実には、今まで憲法審査会の議論の仕方などかなり先輩方の議事運営というのは慎重に進めてこられたわけで、決して多数の力で押し切るというようなことはしていなかったと私は思います。むしろ各会派平等というか議論を尽くすということをやって積み重ねてまいりまして、そういうところの蓄積をよく活かしながらいくということではないかと思います。
TBSの加納です。この議論を進めるにあたっては、与野党問わず合意形成が必要になってくると思いますが、一方で民主党の岡田代表が「首相と改憲を議論するのは非常に危ない」という発言をされています。各党の議論の進め方なのですが、どういったところに懸念を持たれていたり、例えば総理とお話をされた中でこういうところを幹事長がアドバイスされるなど、そういったところは何かありますか。
基本的に今まで先輩方が憲法審査会等で積み重ねた議論、その良き伝統を踏まえていくということではないかと私は思います。
テレビ朝日の千々岩です。党大会が終われば半年後には3年に一度の総裁選がやってきますが、自民党はこれまで党内の権力闘争のエネルギーを力に変えてきたという部分もあると思います。今回の総裁選というのは、幹事長からご覧になって、総理お一人が出られる形がいいのか、それとも対抗馬が出て戦いという形になるのがいいのか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
あと半年あるわけですよね。あまりにもそういう議論を始めるのは早すぎると私は思います。まだ統一地方選挙前です。まず統一地方選挙でどのような戦い方をしていくか、それから今年の国会はかなり重要な案件があるわけですので、そういったところをどのようにきちんと仕上げられるのかどうか。そういうことを進めていく中で段々議論が整理されていくのだと思いますので、今の時点であまり長期的予想をするのはふさわしくないのではないかと思います。
テレビ朝日の千々岩です。幹事長は就任直後にテレビ番組に出演されて、総裁選の話で立候補について問われて「あんまりそういうつもりはない」と半年前はお答えになっていらっしゃいましたが、今の時点で、半年後の総裁選についてどうお考えですか。
「ほとんどない」ということでしょうか。
テレビ朝日の千々岩です。ゼロではないということですか。
それは、「ほとんどない」というのは、つまり何が起こるか分かりませんのでそのように申し上げているという以上のものではないのです。まずはやはり総裁を支えて、きちんと統一地方選挙をやり、それからこの国会をきちんとやっていくということに今の段階では尽きるのではないかと思います。