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政策国会国会演説代表質問

第213回国会における渡海紀三朗政務調査会長代表質問

第213回国会における渡海紀三朗政務調査会長代表質問

自由民主党の渡海紀三朗です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、岸田総理の施政方針演説について質問します。

1.能登半島地震、災害対策

始めに、能登半島地震についてお伺いします。

本年1月1日、石川県能登地方を震源として最大震度7、マグニチュード7.6という極めて強い地震が発生し、238名の尊い命が失われ、1300名近い方々が負傷されました。また、住宅等の崩壊や火災による焼失、停電や断水等によって、今なお多くの方々が厳しい環境の中、避難生活を強いられています。まずは犠牲になられた方々に心からお悔やみ申し上げるとともに、被災地の皆様にお見舞いを申し上げます。

発災以来、被災地の自治体職員はもちろん、消防、警察をはじめ、全国からの応援職員、ボランティアなど、多くの方々が現場対応に力を尽くされています。また政府においては、半島で幹線道路が寸断されるという悪条件のもとで、発災直後から最大限の自衛隊員を派遣し、捜索活動や情報収集、救命・救助、生活物資等の提供などを行いました。さらに各省庁の職員を被災地に派遣するなど、迅速なプッシュ型の対応をとっています。
厳しい環境の中、懸命に活動されているこれら全ての皆さんに、心から敬意を表したいと思います。

今から29年前の1月17日、今回と同規模の震度7の激震が阪神・淡路地域を襲いました。
発災の翌日、政府与党調査団の一員として現地に入りましたが、その時目にした変わり果てた神戸の街の姿は、いまも鮮明に脳裏に残っています。テレビから流れてくる能登半島地震の映像が、あの時の光景と重なり、心が痛みます。

被災地の一日も早い復旧・復興のため、阪神・淡路大震災や東日本大震災など、これまでの大災害を通じて培った知見を十二分に活かしつつ、あらゆる手立てを講じて被災地の皆さんを支援していく決意を、まずはこの本会議場にいる与野党・会派を超えて、共有したいと思います。

今、厳しい環境のなかで避難生活をなさっている方々にとって、何よりも心の支えとなるのは、復興にかける政府からのメッセージ、とりわけ総理のメッセージです。
まずは、何としても被災地の皆さんを支える、復興を成し遂げるという総理の決意を、改めて、聞かせて頂きたいと思います。

被害の規模が大きければ大きいほど、復旧・復興に必要な時間は長くなります。その長い試練の期間を耐え抜く力、被災地の皆さんに勇気を与えるのは、先行きへの明確な見通しです。

どのような災害においても、被災直後は、初動としての「人命救助や被災者の避難」に、専念せざるを得ません。そして次に「物資の搬送やインフラの復旧」に取り掛かり、更には本格的な「暮らしの再建、産業・生業の再構築」といったフェーズに移ります。その全体像と道筋、スケジュール感を、被災者の皆様にできるだけ早く提示し、共有することが、将来への不安を解消することにもつながります。

自民党では、先週、「現段階において政府に求める具体的な施策」を、岸田総理に申し入れました。政府が、この提言も踏まえ、「避難者への支援」をはじめ、「インフラの復旧」、「生活・生業の再生」に向けた取組みを早急に進めること。そして、この先1カ月後にはこうなる、3カ月後は、半年後は、という見通しを、一日も早く、被災者の方々にお伝えするよう強く求めます。
加えて、被災地の自治体にとって極めて切実な問題が、財政面での制約です。能登半島の市や町は、ほとんどが過疎地域に指定されており、復旧財源が不足するのは明らかです。
政府は既に2回にわたって予備費の支出を決定し、「政策パッケージ」も動き出しております。発災以来の切れ目ない対応は、率直に評価したいと思いますが、今後、被害の全容が明らかになるにつれ、被災自治体の負担が一層重くなることは想像に難くありません。
こうした中、被災自治体が、財政的な理由によって復旧・復興や被災者への支援をためらったり、諦めたりすることのないよう、国が財政面においても強力に支援していくことが、極めて重要です。復旧・復興財源について、総理の考えを聞かせて下さい。

2.少子化対策・子育て支援

次に、少子化対策についてお聞きします。

少子化問題は、国をあげて取り組まなければならない、待ったなしの最重要課題であります。少子化が人口減少を加速させ、このままでは、日本の人口は2050年代に約1億人、60年代には約9千万人を割り込みます。わずか50年で、わが国は人口の3分の1を失うのです。

資源に恵まれないわが国にあっては、人材、すなわち人の力こそが発展の原動力であり、人口の減少は国力の弱体化に繋がります。わが国の社会•経済システムを根底から揺るがしかねないものです。なんとしてもこの少子化傾向を反転させ、人口減少に歯止めをかけなければなりません。
あらゆる政策ツールを総動員し、誰もが結婚し子どもを生み育てたいとの希望がかなえられる、そんな社会の構築を目指さなくてはなりません。

岸田政権では、昨年12月に、「こども未来戦略」を閣議決定されました。この戦略では、まず、(1)若い世代の所得を増やす、次に、(2)社会全体の構造・意識を変える、そして、(3)全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する、という3つの基本理念を掲げ、今後3年間の集中取組期間において前倒しして実施する「加速化プラン」により、こども・子育て施策の拡充を図ることとされています。

また、「加速化プラン」の予算規模は、年額3.6兆円程度に及ぶ前例のない規模とされています。これにより、子ども一人当たりの子育て関係予算は、GDP比で16%程度となり、OECDトップ水準のスウェーデンと肩を並べることになります。
こうした次元の異なる予算規模の対策に踏み切ったからこそ、児童手当の抜本的拡充や、高等教育費の負担軽減などの大胆な支援の拡充が可能となりました。ライフステージや子育て世帯の状況に応じて、きめ細かな支援策が講じられることとなります。
「加速化プラン」は2026年度までにその大宗を実施するとしていますが、このプランが実現することで、わが国の社会がどう変わるのか。安定的な財源の確保も含め、改めて総理から分かりやすい説明をお願い致します。

3.教育

続いて、教育についてお伺いします。

教育は言うまでもなく国家の根幹であり、国家百年の大計です。創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」であり、実際に、中長期での経済成長を考えた場合に、最も成長率を引き上げる効果が高いのは、教育・研究開発投資です。そのような意味で、わが国の成長を支えるために、岸田政権において進めている「新しい資本主義」に於いて、「人への投資」は最重要課題の一つといえます。

「人への投資」を進めるうえで、第一に、世界に冠たる質の高い公教育の再生を図ること、次に、不登校対策や高等教育費の負担軽減を通じて、誰一人取り残さない教育を実現すること、第三に、これらの施策を通じて、誰もが安心して子育てを行うことが出来る環境を実現すること、この3つが特に重要であるという観点から、伺います。

まず、公教育の再生のためには、教師に優れた人材を確保することが何よりも重要です。
「教育は人なり」と言われるように、教師は、わが国の未来を拓く子どもたちを育てるという、崇高な使命を有するかけがえのない職業です。わが党においては、「令和の教育人材確保に関する特命委員会」において、抜本的な改革の具体策を取りまとめました。
具体的には、更なる働き方改革、高度専門職である教師の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実、教師の育成支援などを実現するため、既成の概念にとらわれない大胆な予算の拡充が必要です。
令和6年度予算案には、わが党の提言も踏まえた内容が盛り込まれたと承知していますが、公教育の再生に向けた総理の決意をお聞かせ下さい。

昨今、不登校の児童生徒が急増しており、令和4年度は小中学校で過去最多となる約30万人に達しています。
不登校となった児童生徒の学びを継続する観点から、教育支援センター等の学校外の学びの場を充実させることも重要ではありますが、それ以上に、子どもたちが不登校とならず、進んで学校に通いたくなるような学校づくりを進めていくことが喫緊の課題であると考えます。
学校は、単に知識を身に付けるだけの場ではなく、社会性を養う場、教師やまわりの子どもたちとの様々な関わりの中で、将来の国家社会の形成者として必要とされる資質を養う場でもあります。今こそ「安心して学べる魅力ある学校づくり」を、スローガンで終わらせることなく、大胆に進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。

高等教育の進学率が8割を超える今、家庭の経済状況によらず、大学などの高等教育へのアクセス機会を確保することは、政府としての使命と考えます。また、夫婦が理想の数の子供を持てない理由の一つとして、「子育て・教育の費用」、中でも大学などの費用負担が大きいとされており、少子化対策の観点からも高等教育費の負担軽減が求められています。
教育の無償化については、他党からも、様々な提言がなされていますが、その実現には莫大な財源が必要です。長期にわたり運営可能な実効性のあるシステムとするためには、財源を含む持続可能な制度設計が重要です。

わが党は、この問題について、教育・人材力強化調査会において議論を進め、多子世帯に対する授業料等の無償化と併せて、更に負担軽減を進めるための取組みとして、「国の先払い制度」、すなわち、在学中の授業料を国が先だって支払い、学生本人が、卒業後に支払い能力に応じて納付する制度について、本格導入を目指すことを提言いたしました。
このわが党の提言も踏まえて、高等教育費の負担軽減を今後どのように実現していくのか、総理の見解を伺います。

4.経済(科技含む)

次に、経済政策について伺います。

総理は、経済は一丁目一番地だと表明されています。私自身、力強く成長する経済があってこそ、国民一人ひとりの幸せが実現できると確信しています。稼ぐ力を高め、デフレと決別し、持続的に成長していく経済構造へと転換していくために、直ちに取り組むべきこと、中長期的な視野で取り組むべきことを、それぞれ的確に実施していくことが重要です。

まずは来年度、令和6年度こそは総理が強調されるようにデフレから完全に脱却し、持続的な賃上げを実現する年にしなくてはなりません。直近の日銀の見通しでは、今年の物価見通しが引き下げられるとともに、来年の物価見通しはインフレ目標を下回るという予想が示されています。現時点で、物価高だからといって手綱を緩めれば、その途端、もとの値上げできない節約型思考に逆戻りしてしまいます。
デフレから完全脱却し、持続的な賃上げの実現するための取組みについて、総理の決意を改めて伺います。

企業が賃上げの原資を確保する上でも、適切な価格転嫁に加え、国内投資を増やして、供給力を拡大し、収益力を高めることが、極めて重要です。
一方で、今、企業経営の大きな課題となっているのは、労働力の確保です。既に飲食・宿泊業を中心に人手不足によって営業の縮小を余儀なくされるケースもでています。

人手不足は、人口減少による構造的な課題であり、経済成長の制約要因となる可能性があります。一方で、ポジティブに捉えれば、人手不足は、企業が省力化を進め生産性や賃金を上昇させ、成長を遂げるきっかけともなり得ます。
まず、直面する人手不足問題にどう対応し、どのように解消していくのか、またピンチをチャンスに変えるという観点から、中長期的にどのように労働生産性を高めていくのか、政府としての取組みを、総理に伺います。

成長戦略に基づく様々な施策が功を奏し、安定した成長社会が訪れるまでには一定の時間を要します。その道のりでは、一昨年のエネルギー価格高騰のように、思わぬ経済環境の変化による物価急騰も生じるかもしれません。現に今なお、物価の高騰に苦しんでいらっしゃる方々がおられます。今後も、行き過ぎた物価の急激な変動には、機動的に対応しなくてはなりません。
短期的な取組みから、中長期的に緩やかな物価上昇へとソフトランディングしていくために、昨年の経済対策で打ち出した物価高騰対策がどのような効果を発揮し、今後どのような出口戦略を描いていくつもりか、総理の所見を伺います。

わが国の経済成長力を高めていくためのアプローチの一つとして、私は、長年にわたり、科学技術立国の実現をめざし、科学技術・イノベーション戦略に取り組んでまいりました。

技術革新が社会を変革し、経済成長を牽引する力になっていることは論を俟ちません。特に、生成AIや量子技術、核融合エネルギーなどの新しい技術開発に、各国がその威信をかけて鎬を削っている状況を踏まえれば、科学技術イノベーションの成否がわが国の浮沈に直結すると考えるべきであります。
政府は5年毎に更新する科学技術基本計画を基に、様々な政策の充実を図ってきました。一方で、国土強靱化や災害対応、農林水産業などの現場でも、先端科学技術をより一層活用すべき場面も数多く見受けられます。

これまでの、そしてこれからの研究成果を、官民のあらゆる分野で実装し、グローバルな課題解決に向けた社会の変革を率先して促すことが、国際社会におけるわが国の存在感や、貢献を高めると考えます。 それが、国民、とりわけ若者が自らの人生に夢を抱ける社会を実現していくことにもつながると考えます。
「明日は今日よりきっと良くなる。」
その実現に向け、政府として、科学技術イノベーションをどのように進めていくのか、総理にその考えと意気込みを伺います。

経済について、もう一点、経済安全保障についてお伺いします。
近年、国際情勢の不安定化と、産業構造の複雑化やテクノロジーの高度化が相まって、安全保障政策のすそ野が劇的に広がっています。そのため、国家として、安全保障上の視点も踏まえた経済政策を進めていかなくてはなりません。

岸田政権では、経済安全保障推進法の制定により、総合的な方針を定めるとともに、サプライチェーンの強靭化や重要技術の研究開発など必要な施策を、着実かつ強力に進めてきました。他方で、わが国の経済安全保障を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、取組の不断の見直しや、新たな課題への迅速な対応が不可欠です。

なかでも情報保全の強化は極めて重要です。
総理は昨年の臨時国会で、経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度に関する法案を、今国会に提出する準備を進めると明言されました。国が保有する経済安全保障上重要な情報の保全制度を、主要国にも通用する実効的なものとして整備すること、それにより産業界の国際的なビジネス機会の確保・拡充につなげていくことは、喫緊の課題と考えます。
改めて、セキュリティ・クリアランス制度の必要性についての認識と総理の決意を伺います。

5.外交・安保

続いて、外交について伺います。

ウクライナやガザ地区の戦闘の終息に目途が立たない中で、新しい年を迎えました。各国が自らの国益をかけて外交上の駆け引きを繰り広げ国際協調の潮流が弱まっている中、今年は、国際的な選挙イヤーとなっています。
既に今月、台湾の総統選挙と立法院議員選挙が行われました。今後、インドネシアやロシアで大統領選が、また、韓国やインドでは議会選挙が予定され、11月には4年に1度のアメリカ大統領選挙が行われます。

グローバル化の進展とともに先進国でも格差が広がり、政治や社会的な緊張が高まることによる分断や対立が、選挙によってさらに深まり、国際情勢が大きく動くことも懸念されます。
総理は「分断と対立ではなく協調の国際社会の実現」を掲げ、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く」と、繰り返し外交の場で主張してこられました。

G7議長国としての1年間の議論の積み重ねの上に、世界の平和と安定、繁栄を実現することが、わが国に求められる役割と考えます。これから、日本がどういったリーダーシップを世界に示していくのか。
総理の外交における基本姿勢を伺います。

いわゆる「グローバルサウス」との連携強化について伺います。
国際社会の中で、インドやASEAN諸国、アフリカ、中南米などの、グローバルサウスと呼ばれる国々の存在感が高まっています。
これらの国々は、今後も人口増加が見込まれることに加え、重要鉱物、レアメタルも産出します。経済成長、経済安全保障という観点からも、連携を深めることは極めて重要です。
同時に、これらの諸国の社会インフラ整備への協力、安定的な国家運営への支援は、感染症対策や難民問題等の地球規模の課題を克服することにも繋がり、それがひいては、日本を含む先進国の利益にもなると考えます。

一口に「グローバルサウス」といっても、各国のポテンシャルや抱えている課題は様々です。わが国がこれまで積み重ねてきた信頼関係、人的交流の実績などを基礎に、その国の実情を踏まえた支援を行うことで、日本とグローバルサウスが共に成長し、協調していく未来を描くことができます。そしてそれがわが国の国際社会に対する大きな貢献にもなるでしょう。

総理の掲げる「協調の国際社会」実現のため、わが国がグローバルサウスとの関与を深めることの意義について伺います。

北朝鮮について伺います。1月14日に北朝鮮は今年初めて中距離弾道ミサイルを発射しました。昨年、令和5年のミサイルの発射は18回を数え、固形燃料の使用や変則軌道、飛行距離の延伸など、北朝鮮が着々とミサイル技術を獲得していることがみて取れます。
また、ウクライナで使用されたロシアのミサイルが北朝鮮製であると、ウクライナ政府が発表しています。これは、国連常任理事国への武器輸出が、北朝鮮の資金源やミサイル技術の向上につながっているということであり、強い懸念を覚えるところです。

また核やミサイル開発とともに、我々が決して忘れてはいけない拉致問題の解決があります。拉致被害者のご家族が高齢となり、時間的制約のある拉致問題の一刻も早い解決は、政権の最優先課題の一つです。 北朝鮮との「拉致」「ミサイル」「核」問題の解決に向け、総理の考えをお聞かせ下さい。

6.政治改革

最後に政治改革についてお伺いします。

これまで、能登半島地震をはじめ、少子化対策、教育、経済、外交・安全保障と、様々な課題に触れてまいりました。このように内外に山積する諸課題を乗り越えていくためには、何よりも国民の理解と協力が必要不可欠です。そして、国民の協力を得るうえで最も重要なのが、政治に対する国民の信頼です。

「信なくば立たず」

およそ2500年も前に孔子が語ったとされるこの言葉が、21世紀となった今なお新鮮に思えるのは、政治とカネをめぐる問題が幾度と重なり、これまでも度々、国民の信頼を損ねてきたからであります。

昨年来、わが党の「派閥」の政治資金パーティーにおいて、政治資金規正法上の不透明、不適切な会計処理が指摘され、自民党に対しても国民の厳しい目、強い疑念が向けられています。
自民党に席を置く一人として、このような事態が生じたことについて、真摯に反省するとともに、国民の皆様に深くお詫び申し上げる次第です。

自民党では、国民の信頼を取り戻すべく、総理が本部長を務める「政治刷新本部」において、「中間とりまとめ」を決定しました。

この「中間とりまとめ」は、改革の方向性を打ち出すもので、政治資金の透明性の徹底に向けて、自民党としてできることは、すぐ実行するとともに、コンプライアンスを徹底すること。例えば、今回の不正行為の温床となった「派閥」から「金」と「人事」の機能を切り離し、いわゆる「派閥」は解消して真の政策集団を目指すことを打ち出しています。

そして、運用面の改革を先行して進めながら、政治資金の透明性向上に向けた制度面の改革については、各党各会派との真摯な協議を経て、政治資金規正法改正など法整備を実施していくことが示されています。

一昨日の予算委員会において、総理は、党としての実態を把握し政治的な責任について考えるため、関係者のヒアリングを行うこと、また、政治資金の透明性向上のための政治資金規正法の改正や、政治家の責任について、連座制も含め党として考え方をまとめ、各党ともしっかり議論を行っていくと表明されました。これらの改革について、わが党内で早急に作業に着手し結論を出さなければなりません。「政治刷新本部」の本部長として、総理の強いリーダーシップが求められています。

岸田総理、総理は「『政治は国民のもの』との立党の原点に立ち戻り、わが党自らが変わらなければならないとの決意と覚悟をもって、日本の民主主義を守り抜いていく」、そのような強い決意を表明しておられます。

政治の刷新に向けては、選挙制度の在り方・国会運営の在り方など、見直すべき課題は山積しており、不断の改革努力が不可欠だと考えますが、同時にいま、我々が問われているのは、信頼回復のために何をするのかということのみならず、本当にそれをやり抜く強い覚悟があるのかどうかということであります。我々は、再び国民の信頼を回復できるのか、それともこのまま見放されてしまうのかの、我々は今まさに瀬戸際に立っているのです。
信頼回復に向けた、政治改革に対する総理の覚悟のほどを、是非とも国民にお示し下さい。

岸田総理は自民党の政調会長時代、まさにこの代表質問の場で、陽明学者の安岡正篤氏の正しい姿勢「正姿勢(せいしせい)」という言葉を引いて、自らの抱負を披露されました。今こそ、「正姿勢」を存分に発揮し、政治に対する信頼を取り戻すべく、強い決意でこの問題に取り組んで頂くよう重ねて申し上げ、私の質問を終わります。