二. デフレに勝ち抜く日本へ
  景気・雇用・中小企業に重点、新技術・新産業の創出
1.不良債権問題の早期解決
  (1)金融再生プログラムを着実に実施し、2004年度末に不良債権比率半減
●「金融再生プログラム」にもとづき2004年度末までに主要行の不良債権比率を半減させて不良債権問題を終結し、日本経済再生に不可欠な金融機能を健全化させる。
  (2)金融機関経営の健全化推進
●不良債権問題が金融機関経営の健全性を損ね、自己資本の空洞化等が指摘される現状を踏まえ、不良債権処理を円滑化するための税制や、金融危機を起こさせないための新たな公的資金注入の枠組みを検討する。
  (3)地域金融の強化(リレーションシップバンキング)
・今後2年間で地銀等の地域金融を集中的に強化
●中小・地域金融機関について、今後2年間で貸出等の金融サービスの提供を行う機能(リレーションシップバンキング機能)を強化し、中小企業の再生と地域経済の活性化を図る。
  (4)企業・産業再生への取組み強化
・産業再生機構・中小企業再生支援協議会等の積極的活用
●不良債権問題を企業・産業の過剰債務問題と一体的に解決する。過剰債務企業が有する優良な経営資源は極力生かして再生するため、産業再生機構、中小企業再生支援協議会、改正産業活力再生特別措置法等を活用し、企業の事業再構築を支援する。
2.中小企業再生の支援
  (1)個人保証からの脱却
●2004年の通常国会で破産法・民事再生法を改正し、企業経営者の再起を支援する。また、行き過ぎた個人保証として問題が指摘される「包括根保証」を見直す等、個人保証のあり方を適正化する。
  (2)新たな中小企業金融システムの確立
・知的財産権等の信託対象への追加や政府系金融機関の活用
●中小企業金融の円滑化等、産業金融機能を抜本的に強化する。「セーフティネット保証・貸付制度」「売掛債権担保融資保証制度」等に加え、新たな金融の担い手としての事業会社参入や債権の証券化等の資金調達手法を広げる。また、在庫等不動産以外の財産を担保とした資金調達措置を検討する。
・過度の不動産担保主義からの脱却
●資産担保証券購入市場創設等、中小・中堅企業資金調達円滑化に向け、政府・日銀が一体となって取組む。
3.雇用の創出・維持・確保
  (1)530万人雇用創出プログラムの達成
●サービス分野における規制改革や公的部門の外部委託の推進、情報提供、人材の育成支援等により、「530万人雇用創出プログラム」を推進し、既に創出されたと見込まれる200万人の雇用機会に加え、今後2年間で300万人以上の雇用機会を創出する。
●雇用の維持・確保、適切な労務管理についての労使の取り組みを支援し、完全失業率を低下させる。
  (2)「若者自立・挑戦プラン」による若年失業者対策
●若者の就職を支援するため、地方自治体、学校、民間団体、民間事業者との連携による若年者のための地域ワンストップセンターやトライアル雇用、個別総合的な職業相談・紹介体制の整備、企業実習と教育・職業訓練を組み合わせた「実務・教育連結型人材育成システム」の実施等、「若者自立・挑戦プラン」を推進する。
  (3)高齢者・障害者雇用の推進
●70歳現役社会≠めざしてシルバー人材センターの活用、IT活用による在宅就労など、高齢者・障害者の雇用を推進する。
  (4)ホームレスの自立支援
●ホームレスの自立を支援するための就業機会の確保、居住場所の確保、保健・医療の確保などの総合的な施策を講じる。
  (5)職業訓練の一層の充実
・一人一技能の実現
●労働市場の状況を反映しつつ個人の選択を機能させた職業訓練を行うとともに、民間事業者の活用等を通じ「一人一技能」の実現を図る。
●産業のニーズに応じたカリキュラムの策定、職業能力評価制度の整備を進める。
  (6)NPOが活躍する経済社会の実現
●福祉サービス、社会教育、まちづくり、リサイクルなどの社会生活分野で高齢者、家事専業者、障害者などに社会参画を促すため、NPOを積極活用する。
4.新たな経済発展基盤の創造
  (1)研究開発環境整備による「科学技術創造立国」の実現
●2001年度からの5年間で政府研究開発投資の総投資規模を24兆円とする第2期「科学技術基本計画」を着実に実施し、世界最高水準の「科学技術創造立国」を実現する。特にライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー、材料の重点4分野における世界最先端の技術開発力、実用化へ向けた応用力を獲得する。
・若手研究者が自立し、能力を最大限に発揮できる研究環境整備
●若手研究者が実力と能力に応じて使える競争的研究資金の倍増目標(2000年度3,000億円→2005年度6,000億円)の達成、自立の阻害要因となっている大学の講座制の改革など、若手研究者が自立し、能力を最大限に発揮できる研究環境整備を進める。
  (2)ベンチャー育成・起業支援(新技術・新産業の創出)
・2006年度までに年間創業・開業数倍増
・2004年度までに大学ベンチャー1,000社創業
●起業意識を高めて創業を支援し、2006年度までに年間創業・開業数を倍増(18万社→36万社)させる。公共事業から科学技術へ≠合言葉に、大学や大企業発の研究開発型ベンチャー支援策を拡充し、地域経済活性化を進める。2004年度までに大学発ベンチャーの1,000社創業を実現する。
  (3)知的財産の戦略的保護・活用
・「知的財産高等裁判所」を創設、特許審査を迅速化
●「ソフト重視戦略」を徹底し、知的財産を戦略的に保護・活用するため、「知的財産高等裁判所」を創設する。特許審査の迅速化、知的財産に重点を置いた法科大学院の設置等、総合的な対策を講じる。
  (4)日本の価値創造力を活用した新産業の育成
・「平成の産業創造戦略」策定
●半年以内に「平成の産業創造戦略」を策定し、世界を席巻した「メイド・イン・ジャパン」を超える日本ブランド≠再び世界に発信するため、科学技術、ものづくり、ソフトパワーなど日本の価値創造力を活かした官民挙げた取り組みを推進する。
  (5)e-Japan戦略II
・世界最高水準の電子政府の実現
●e-Japan戦略IIにより世界最先端のIT国家を実現する。2005年度までに世界で最も進んだ光ファイバー利用大国を実現し、全国どこでも利用できる遠隔医療サービスや世界で最もサービス水準の高い電子政府の実現、司法の電子化(e-Justice)実現を目指す。
  (6)環境保護と経済成長の両立
●低公害車の導入、ゴミゼロ作戦、クリーンエネルギーなど、科学技術を振興し、環境保護と経済成長を両立させる。
  (7)観光立国の推進
・2010年までに訪日外国人旅行者の倍増実現
●最大の成長産業である観光を地域活性化の起爆剤とし、2010年までに外国人旅行者を倍増(500万人→1000万人)する。