◆政策解説
平成21年3月19日

育児支援に全力!

 平成21年度予算が衆議院を通過し、20年度第二次補正予算関連法案もやっと成立しました。これで定額給付金や高速道路料金の引き下げなどが実施されることになり、麻生内閣の景気対策が具体的に動き出しました。この対策の中には、“女性にやさしい政策”も数多く含まれています。
 今回は“育児支援”に焦点をあてて解説します。

今春から、順次実施される育児支援策
1) 妊娠〜出産までの育児支援

○妊婦健診の14回分無料化へ
 妊婦健診には医療保険が適用されないため、妊娠・出産は、女性にとって心理的負担のみならず経済的にも大きな負担となっており、その軽減は長年の課題でした。  下表は、わが党の橋本聖子参議院議員が平成12年4月に出産した際の健診費用の一覧です。当時の公費負担は2回分でしたが、まだまだ経済的な負担が過大であると公費拡充の議論が進められ、平成19年に、現在の「5回分公費負担」となりました。  そして今回の対策において、妊婦が費用を心配せずに健診を受けられるよう14回分まで公費負担が拡充されたのです。

橋本聖子参議院議員の妊婦健診費用の例    合計 157,340円

日 付 料 金 日 付 料 金
平成11年 9月30日 3,560円 2月12日 11,650円
10月29日 24,610円 2月23日 11,410円
11月17日 10,600円 3月 7日 13,000円
12月 8日 11,330円 3月24日 28,700円
12月 8日 580円 3月 7日 4,000円
12月28日 12,430円 3月31日 7,000円
平成12年 1月24日 12,470円 4月 5日 6,000円

注): 厚労省の市町村への通達によると、基本的な妊婦健診の項目として、
(1)健康状態の把握 (2)検査計測 (3)保険指導を実施するとともに、必要に応じた医学的検査(→)を実施すること、とされています。
→ 医学的検査とは、標準的な項目として、a)血液検査 b)子宮頸がん検査 c)超音波検査 d)B群溶血性レンサ球菌検査です。
※ 公費負担の対象範囲は市町村によって異なります。また、追加の検査をする場合には、自己負担が生じます。

○出産育児一時金42万円の支給
 出産についても多額の費用がかかることが指摘されていました。出産育児一時金は、下表の通り拡充されてきており、今年1月からは、38万円に拡充されています。また、21年度予算には、当面2年間の暫定措置として10月には42万円まで拡充されることになっています。

出産育児一時金の引上げの推移

平成 6年10月1日 30万円
平成14年10月1日 対象を本人又は配偶者から、全扶養者に拡大
平成18年10月1日 35万円
平成21年 1月1日 38万円
平成21年10月1日 42万円

2) 出産後の育児支援

○「 安心こども基金」の創設と待機児童の解消
 出産を終えた後は、やはり育児に対する不安がフォーカスされ、保育基盤を拡充することが急務となります。すべての地域において、子どもを安心して育てることができるよう「新待機児童ゼロ作戦」の前倒し実施を図り、平成22年度までに15万人分の保育所等整備を推進することを目的として、各都道府県に「安心こども基金」が創設されます。この中で、保育所の施設賃貸料を補助するなどの緊急対策が決定しました(1月27日から適用)。これは入所希望者が各地で急増していることに対応するもので、空き事務所や空きマンションを緊急に確保し有効に活用して保育所を開設する場合、その修繕費や賃貸料の2分の1を国が負担し、残りの2分の1を市区町村と社会福祉法人が負担するというものです。
 また、保育の質の向上を図るための研修も実施されることになっています。

待機児童数の推移(各年4月調べ)
平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年
2.5万人 2.6万人 2.4万人 2.3万人 2.0万人 1.8万人 2.0万人
3) その他の支援策

○「子育て応援特別手当」の支給
 子育ての緊急支援として、今年、来年、再来年の4月に小学校へ入学する第2子以降の子どもを対象に、1人当たり3万6,000円の特別手当が支給されます。

○中小企業支援の拡充
 中小企業に対する育児休業などの助成金の対象が、2人から5人に拡充され、また、2人目以降の助成金が60万円から80万円に増額されるなど、支援が拡充されます。

○保育料の無料化
 21年度から第3子以降の子どもの保育料が無料になります。(21年度予算)

政策比較−民主党の育児支援策

 民主党は、月額2万6,000円の子ども手当の支給(中学校卒業時まで)を発表しています。金額の規模としては民主党の方が圧倒的に大きいのですが、実現の可能性という点では、大きな疑問があります。
 まず、財源問題。民主党はこの支給のために約5.6兆円が必要であるとし、その財源として配偶者控除(0.7兆円)と扶養控除(0.9兆円)の廃止を言っています。しかし合わせて1.6兆円程度にしかなりません。
 また、民主党の言うように月額2万6,000円がまるまる貰えるわけではありません。現在の児童手当が廃止され、配偶者控除と扶養控除も無くなるため、それらを差し引くと月4,000円程度になってしまいます。
 さらには公平性の問題があります。子どもがいない家庭では、子ども手当がもらえず、控除が廃止されることで一方的な増税になります。また、子どもがいても高校生以上の場合は支給の対象外のため、同様に増税になってしまうのです。

景気に全力!

 麻生内閣の景気対策が動き出しました。引き続き21年度本予算を早急に成立させ、一日も早く実施に移さなければなりません。
 私たちは今後とも、国民の皆さんの声に真摯に向き合い、暮らしに役立つ実効性のある対策を打ち出していく決意です。